風が吹くとき

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風が吹くとき』(かぜがふくとき、When the Wind Blows)は、イギリスの作家、レイモンド・ブリッグズ1982年に発表した漫画アニメーション映画化もされた。

概要[編集]

核戦争に際した初老の夫婦を主人公にした作品であり、彼らの若い時までさかのぼった作品には『ジェントルマン・ジム』がある。題名は『マザー・グース』の同名の詩から[1]。彼らが参考にする政府が発行したパンフレットは、イギリス政府が実際に刊行した手引書 "Protect and Survive" (『防護と生存』)の内容を踏まえている。

1986年にアニメーション映画化され、日本では1987年に公開された。日本語版は監修を大島渚、主人公の声を森繁久彌加藤治子が吹き替えている。音楽をピンク・フロイドロジャー・ウォーターズ[2]、主題歌をデヴィッド・ボウイが担当している。

日本での劇場公開に際しては、配給はミニシアター系のヘラルド・エースが行った。興行は、首都圏ではセゾン系映画館および国内の作品提供に朝日新聞社が加わっていたことから、有楽町朝日ホールでも行われた。また、全国では各地のミニシアターで展開されていた。その後、作品の特性から非商業上映が全国の教育会館ホールなどの公共施設で多数行われた。

2008年7月26日、アット エンタテインメントによってデジタルリマスター版DVDが発売された[3]

あらすじ[編集]

老夫婦のジムとヒルダは、イギリスの片田舎で年金生活をおくっていた。しかし、世界情勢は日に日に悪化の一途をたどっていく。ある日、戦争が勃発したことを知ったジムとヒルダは、政府が発行したパンフレットに従い、保存食の用意やシェルターの作成といった準備を始める。

そして突然、ラジオから3分後に核ミサイルが飛来すると告げられる。命からがらシェルターに逃げ込んだジムとヒルダは爆発の被害をかろうじて避けられたが、互いに励まし合いながらも放射線によって蝕まれ、次第に衰弱していく。

映画版スタッフ[編集]

オリジナル版[編集]

  • 原作・脚本:レイモンド・ブリッグズ
  • 監督:ジミー・T・ムラカミ
  • 音楽:ロジャー・ウォーターズ
  • 作画監督・レイアウト:リチャード・フォードリー
  • 背景・色彩設定:エロル・ブライアント
  • 絵コンテ:ジミー・T・ムラカミ、Joan Ashworth、Richard Fawdry
  • 視覚効果:Stephen Weston
  • 編集:John Cary
  • 音響監督:John Wood
  • プロデュース:ジョン・コーツ
  • 製作総指揮:イアン・ハーヴェイ
  • 製作協力: British Screen、Film Four International、TVC London、Penguin Books
  • 製作:Meltdown Productions

日本語版[編集]

主題歌[編集]

「When The Wind Blows」
作詞・歌:デヴィッド・ボウイ / 作曲:デヴィッド・ボウイ、アーダル・キジルケイ

登場人物[編集]

ジム
声 - ジョン・ミルズ(オリジナル版)、森繁久彌(日本語版)
ヒルダの夫。仕事を退職して老後をヒルダと二人暮らししている。新聞やラジオで世界情勢のニュースを見聞きするのが日課。詳しい年齢は不明であるが、「ヒルダより2歳若い」と言っている。図書館からもらってきた、核戦争から生き残るためのパンフレットを参考として、室内に2人が入れる簡易の核シェルターを造る。穏やかな性格に加えてヒルダと同じく楽観的な思考の持ち主であるため、核爆発後には水が止まったことや新聞が来ないことなど、周りの状況や体調に影響が出てきても、悲観的になったヒルダを励まし続ける。
ヒルダ
声 - ペギー・アシュクロフト(オリジナル版)、加藤治子(日本語版)
ジムの妻。政治とスポーツには興味がなく、新聞や雑誌で読むのはゴシップ誌だけと言っている。普段は楽観的でのんびりした性格だが、一方で家具や部屋が汚れることを極端に嫌がるほか、家族が汚い言葉や乱暴な態度を取ると機嫌が悪くなる。夫婦揃って「子供の頃に起きた前の戦争では家庭用の防空壕で過ごした。懐かしい。」などと、戦争の怖さより懐かしい思い出として語っている。
ロン
声 - 田中秀幸(日本語版、電話の声のみの出演)
ジムとヒルダの息子。性格が楽観的なのか、「やられる時はみんな一緒だ」とジムが心配するのをよそに鼻歌を歌ったりしている。ヒルダによると子供の頃にカブスカウトに入っていた時は責任感が強かったが、美術大学に入った頃から悪い仲間ができて性格が変わったと嘆いている。
アナウンサー
声 - 高井正憲(日本語版)
ラジオから聞こえるニュースを読むアナウンサー。作中ではイギリスが起こした戦争の戦況を経て、まもなく敵国から核ミサイルが発射されたことを報じる。

作中での核ミサイル投下後の状況[編集]

作中では、漫画『はだしのゲン』や原爆を題材にした他の映画などに見られるような、被爆者の皮膚が焼けただれる、大量に吐血するなどの凄惨な描写はなく、投下直後は夫妻の家から離れた場所の爆風による被害だけが描写されている。夫妻の家は田舎の一軒家で周りに建物はなく訪問者もおらず、まもなく電話やラジオも止まってしまう。そのため、夫妻が投下による被害を知り得るのは自身の体調と家の内外の変化ぐらいで、爆心地からの距離や詳しい被害状況などはまったく描かれていない。

1987年公開時の主な上映館[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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外部リンク[編集]