襲われた幌馬車

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襲われた幌馬車
The Last Wagon
監督 デルマー・デイヴィス
脚本 ジェームズ・エドワード・グラント
デルマー・デイヴィス
グウェン・バグニー・ギルガット
原案 グウェン・バグニー・ギルガット
製作 ウィリアム・B・ホークス
出演者 リチャード・ウィドマーク
フェリシア・ファー英語版
音楽 ライオネル・ニューマン
撮影 ウィルフリッド・クライン
編集 ヒュー・S・ファウラー
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1956年9月21日[1]
フランスの旗 1957年4月22日[1]
日本の旗 1956年12月1日[2]
上映時間 98分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $1,670,000[3]
興行収入 $1,500,000 (US rentals)[4]
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襲われた幌馬車』(おそわれたほろばしゃ、原題:The Last Wagon)は、1956年に公開されたアメリカ映画

撮影はアリゾナ州セドナオーク・クリーク渓谷英語版で行われた。同地はデルマー・デイヴィスが監督した『折れた矢』でも撮影場所に採用されている。

あらすじ[編集]

映画の一場面

コマンチ族に育てられた白人コマンチ・トッドは、ハーパー4兄弟を狙って殺していった。1人を殺した後、兄弟3人に見つかるが、さらに2人を殺すことに成功する。しかし、残った保安官のブル・ハーパーに捕えられる。ブルは、トッドを馬につなげて引きずりながら町に向かっていると、途中ノーマンド大佐率いる幌馬車隊と遭遇する。トッドの護送を要求したブルだが、動物のように彼を扱っているのをジェニーらに咎められ、しぶしぶ馬車に縛り付けるだけにした。ブルは、トッドに食事を与えていたビリーに対して発砲する。それを見たノーマンド大佐らは、トッドに食事を与え2度と発砲しないよう警告する。だが、トッドにタバコを吸わせていたクリントに、ブルは殴りかかってきた。トッドは落ちていた斧をブルに対し投げつけて殺害したことで両手を拘束される。

川に泳ぎに出かけたビリーたちが、夜が明けてから幌馬車に戻ると、ノーマンド大佐たちが虐殺されていた。出かけていて無事だったビリー、ジェニー、ジョリー、クリント、リッジ、ヴァリントの6人は、崖の下に落ちた馬車につながれたトッドを発見し助ける。トッドはアパッチ族がやったというが、ヴァリンダ、クリント、リッジの3人は、彼だけが生き残っていたのを疑問に思い、本当はコマンチ族がやったのではないかとトッドに問い詰める。彼は違うと答え、信じてくれたジェニーとビリーによって拘束を解かれる。リッジらは疑いながらも、トッドを頼りに道を進むことにした。アパッチ族から逃げる中で、トッドとジェニーは互いに惹かれ合い、彼は「妻子を殺したハーパー4兄弟に復讐するために殺した」とジェニーに告げる。

映画の一場面

そんな中、トッドを特に嫌っていたヴァリントがガラガラヘビに噛まれて重傷を負ってしまう。トッドは彼女を介抱して命を救おうとし、ノーマンド大佐と先住民との間に生まれたことで彼女に嫌われていた異母妹ジョリーもジェニーやビリーと共に残り少ない水を提供する。そこに、リッジがガラガラヘビを仕留めるために撃った銃声を聞きつけてアパッチ族の戦士が現れる。トッドはジェニーたちを守るために1人でアパッチ族の戦士と闘い勝利するが、大軍が迫っていることを悟りジェニーたちを逃がすために偵察に向かう。そこにアメリカ軍の偵察隊が到着し、彼らと共に脱出しようとする。トッドは幌馬車に爆薬を仕掛けてアパッチ族を追い払い脱出に成功するが、正体が露見したため拘束されてしまう。町に到着したトッドは裁判にかけられるが、ジェニーたちの懇願を受けたハワード将軍により死刑を免れる。解放されたトッドはジェニー、ビリーと共に町を立ち去る。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
フジテレビ版 日本テレビ版
コマンチ・トッド リチャード・ウィドマーク 大塚周夫
ジェニー フェリシア・ファー英語版 武藤礼子 池田昌子
ジョリー・ノーマンド スーザン・コーナー 安田千永子 影万里江
ビリー トミー・レティグ英語版 塩屋翼 清水マリ
ヴァリンダ・ノーマンド ステファニー・グリフィン 小原乃梨子 五月女道子
クリント レイ・ストリックリン英語版 野島昭生
リッジ ニック・アダムス 富山敬 朝戸正明
オリバー・O・ハワード将軍 カール・ベントン・リード英語版 島宇志夫
ノーマンド大佐 ダグラス・ケネディ英語版
ブル・ハーパー保安官 ジョージ・マシューズ英語版
ケリー中尉 ジェームズ・ドルーリー英語版
  • フジテレビ版:初回放送1973年6月22日 フジテレビ 『ゴールデン洋画劇場』※DVD収録[5]
  • 日本テレビ版:初回放送1963年10月13日

スタッフ[編集]

  • 監督:デルマー・デイヴィス
  • 製作:ウィリアム・B・ホークス
  • 脚本:ジェームズ・エドワード・グラント、デルマー・デイヴィス、グウェン・バグニー・ギルガット
  • 原案:グウェン・バグニー・ギルガット
  • 撮影:ウィルフリッド・クライン
  • 音楽:ライオネル・ニューマン
  • 編集:ヒュー・S・ファウラー

脚注[編集]

  1. ^ a b Release dates for The Last Wagon”. IMDb. 2012年3月20日閲覧。
  2. ^ 襲われた幌馬車”. キネマ旬報. 2012年3月20日閲覧。
  3. ^ Solomon, Aubrey. Twentieth Century Fox: A Corporate and Financial History (The Scarecrow Filmmakers Series). Lanham, Maryland: Scarecrow Press, 1989. ISBN 978-0-8108-4244-1. p250
  4. ^ 'The Top Box-Office Hits of 1956', Variety Weekly, January 2, 1957
  5. ^ allcinema『【DVD】襲われた幌馬車 映画データベース - allcinemahttps://www.allcinema.net/soft/7276482023年9月24日閲覧 

外部リンク[編集]