自画像 (ゴッホ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

フィンセント・ファン・ゴッホは生涯に多くの自画像を描き残した。

おそらくゴッホの自画像は、鏡像を見ながら描いたものと思われる。つまり、描かれたゴッホの顔の右半分は、実際には左半分である。

パリ[編集]

ゴッホが描いた自画像のうち、現存するもっとも古い絵は1886年に描かれた。

アルル[編集]

サン=レミ=ド=プロヴァンス[編集]

サン=レミ=ド=プロヴァンスで仕上げられた自画像では、画家の頭部はすべて左側、つまり耳が切断されていない側から描かれている。

オーヴェル=シュル=オワーズ[編集]

『耳を失くした自画像 à l'oreille mutilé』 1889年? (F 528)
カンバスに油彩。 40 × 31 cm 。オスロ国立美術館蔵。

人生最後の数週間、ゴッホはオーヴェル=シュル=オワーズでは自画像を描かなかった。

真贋[編集]

ゴッホのカタログ・レゾネ(類型別全作品目録)を出版した当時から、ジャコブ・バート・ド・ラ・ファイユは、真贋の怪しい絵が含まれていたことを認めている。1930年ド・ラ・ファイユは、それまでに排除した100点以外にも、自身がカタログ・レゾネに掲載していた作品のうち、およそ30余りの絵の信頼性を否定した。彼が信頼性を否定した絵画は、『自画像』や『ひまわり (絵画)』などが突出して多かった。1970年、ド・ラ・ファイユの死後、原稿を管理する編集者は、それらの『自画像』が偽物であると看破したが[21] 、すべての論争を解決できたわけではなかった。少なくとも1つは次のようなものである。

一方2枚目の『自画像』は、その信憑性に疑いがもたれている。

  • 『耳を切った自画像』は1910年にオスロ国立美術館が購入したが、この作品について、近年の学者、数十年来の技術研究者などは、全員一致でゴッホの真作ではないと考えている。その出自を研究していたスタッフは、正反対の考え「 pro domo 」を持っている。議論は進行中である。

テオの肖像[編集]

テオの肖像

パリ時代の1887年4月に描かれたとされる自画像のうちの一枚は、2011年にゴッホ美術館の調査により、ゴッホの弟テオを描いたものであると断定されている。

参照[編集]

ゴッホの描いた自画像はかなりの枚数に上る。識別のため、ジャコブ・バート・ド・ラ・ファイユのカタログ・レゾネ(類型別全作品目録)(1928 & 1970) (F) やヤン・フルスカーによる改定版(1978年、1989年修正) (JH)の数字を参照している。

脚注[編集]

  1. ^ ワズワース・アセニウム
  2. ^ ゴッホ美術館
  3. ^ ゴッホ美術館蔵
  4. ^ クレラー・ミュラー美術館
  5. ^ 厚紙に油彩、41 x 32 cm、アムステルダム国立美術館
  6. ^ 厚紙に油彩、19 × 14 cm、ゴッホ美術館蔵
  7. ^ 厚紙に油彩、42 × 33.7 cm、シカゴ美術館
  8. ^ 厚紙に油彩、42 × 31 cm、ゴッホ美術館蔵
  9. ^ 厚紙に油彩、24.9 × 26.7 cm、デトロイト美術館
  10. ^ ゴッホ美術館蔵
  11. ^ キャンバスに油彩、47 × 35 cm、オルセー美術館
  12. ^ キャンバスに油彩、44 × 37.5 cm、ゴッホ美術館蔵
  13. ^ キャンバスに油彩、65 × 50.5 cm、ゴッホ美術館蔵
  14. ^ モンマジュールへ行く途中のゴッホ。カンバスに油彩。 、48 × 44 cm、マクデブルクカイザー・フリードリヒ・ムゼウム旧蔵。第二次世界大戦で焼失。
  15. ^ カンバスに油彩。 62 × 52 cm 。ポール・ゴーギャンに捧げられた。フォッグ美術館ケンブリッジ (マサチューセッツ州)
  16. ^ カンバスに油彩。 51 × 45 cm 。個人像(詳細不明)
  17. ^ カンバスに油彩。 60 × 49 cm 。コートールド・ギャラリーロンドン
  18. ^ カンバスに油彩。 57 × 43,5 cm 。ナショナル・ギャラリー (ワシントン)
  19. ^ カンバスに油彩。 65 × 54 cm 。オルセー美術館、パリ
  20. ^ カンバスに油彩。 40 × 31 cm 。個人蔵。ゴッホは、髭を剃った直後に『ひげのない自画像』を描いた。この自画像は、最も高価な価格がついた絵画の1つで、1998年7150万ドルでニューヨークで売却された。当時、これは史上3番目に高価(インフレーションを考慮すると4番目)な売却価格であった。
  21. ^ ド・ラ・ファイユ 1970年
  22. ^ (英語版ウィキペディアによる表現、フランス語で『浮世絵の自画像』の意。『耳を切った自画像』のことか?)
  23. ^ ド・ラ・ファイユ 1970年、no. 476a: 『ろうそくの習作 étude à la bougie 』

参考文献[編集]

  • Hammacher, A. M.: Van Gogh: Selbstbildnisse, Philipp Reclam jun., Stuttgart 1960; 2nd edition 1970
  • Van Lindert, Juleke, & Van Uitert, Evert: Een eigentijdse expressie: Vincent van Gogh en zijn portretten, Meulenhoff/Landshoff, Amsterdam 1990 ISBN 90-290-8350-6
  • Dorn, Roland: Vincent, portraitiste: Bemerkungen zu ein paar heissen Eisen, in: Lukas Gloor, ed.: Van Gogh echt falsch: Zwei Selbstbildnisse der Sammlung Emil Bührle, Zürich 2005, pp. 7 - 21