童子

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童子または童児(どうじ)とは、子供のこと[1][2][注釈 1]貴人の身の回りの世話などをする童形の者も童子といわれる[1][4]

仏教用語としても用いられ、主に次の3つの意味がある。(1)仏の王子すなわち菩薩、(2)菩薩明王などの眷属につける名、(3)寺院に入った得度前の少年で、仏典を学ぶ傍ら雑役に従事する者(女子の場合は童女[2][1][5][4]

仏教用語として[編集]

仏教用語としての童子はサンスクリットのkumāra[注釈 2]の訳であり[2]、次の3つの意味がある[2][1][5][4]

  1. 仏の王子すなわち菩薩
  2. 菩薩明王などの眷属につける名。
  3. 寺院に入った得度前の少年で、仏典を学ぶ傍ら雑役に従事する8歳以上20歳未満の者(女子の場合は童女)。法会等にも補助として参列する。

ただし、年齢に関わりなく童髪のまま寺で雑役に従事する者もある[5]。年齢や経験に応じて中童子、大童子などと呼ばれ、特に高位の側近であって奥向きの用事をする者を上童子という[5]

年齢について、『大智度論』は4歳以上20歳に満たないものとする[6]

童子の例[編集]

仏典に現れるものとしては、金剛杖金剛杵を手にした金剛童子(金剛手)や、華厳経入法界品善財童子がある[要出典]密教で菩薩や明王の脇士として図象化された矜羯羅童子制多迦童子のほか、春日赤童子などがある[要出典]高野山の影響を受けて興った両部神道では、天照大神を雨宝童子と呼んだ例もみられる[7]

仏教の天部に位置づけられる護法善神は護法童子(天童)を意味することがある[8]

戒名の位号として[編集]

童子の語は戒名の位号としても用いられる[9][10]。この場合の「童子」(女子は「童女」)は、宗派によって違いはあるものの概ね数え年で15歳ぐらいまでを言う[9]

日常語として[編集]

子供という意味のほか、貴人の身の回りの世話をする召し使いの少年という意味がある[2][4]

記紀[編集]

古事記には現れないが、日本書紀の『日本書紀 巻第二十四 皇極天皇紀』で続けて4回用いられている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 児童福祉法では、満1歳に満たない者を乳児、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者を幼児、小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者を少年としている[3]
  2. ^ サンスクリットのkumāraは、少年・青年の訳語として用いられることが多い[5]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 新村出(編) 『広辞苑』 岩波書店、1986年10月、第三版、1696頁。
  2. ^ a b c d e 童子/童児(ドウジ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年7月22日閲覧。
  3. ^ 児童福祉法 第二節 定義 第四条”. 総務省行政管理局. 2017年7月22日閲覧。
  4. ^ a b c d どう-じ【童子/童児】 goo辞書(デジタル大辞泉)。
  5. ^ a b c d e 中村元ほか(編) 『岩波仏教辞典』 岩波書店、2002年10月、第二版、753-754頁。
  6. ^ 大正蔵25巻275頁中
  7. ^ 「日本の伝統 神仏習合(2)」 - 朝日新聞デジタル(2011年3月28日)
  8. ^ 護法善神とは - weblio辞書(世界宗教用語大事典)
  9. ^ a b 宗派ごとの戒名のつけ方 - お寺ネット戒名研究室。
  10. ^ 位牌の戒名,俗名,享年,仏弟子,大姉について - お仏壇の飾り方・祀り方・選び方の基本知識。

関連項目[編集]