「ケロリン桶」の版間の差分
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1963年、睦和商事の当時営業担当だった[[山浦和明]]社長が、[[北海道]]・[[登別温泉]]の風呂桶を見て、風呂桶に広告を付けるアイデアを考案し<ref name="naigai-ph" />、ケロリンの販拡を狙っていた内外薬品と独占契約を結んで、製造を開始した<ref name="sankei20130318">[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130318/biz13031814230004-n1.htm 「ケロリン」の広告入り湯桶会社が資金ショートで経営破綻] - 産経ニュース [[2013年]]([[平成]]25年)[[3月18日]]</ref>。 |
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1963年当時の銭湯は木製の湯桶を使用していたが、ちょうど木桶が衛生問題により合成樹脂製の桶に切り替わりつつある時期であり、素材にプラスチックを採用して衛生的で頑丈なケロリン桶は好評を博した。最初にケロリン桶が置かれたのは、[[東京駅]] |
1963年当時の銭湯は木製の湯桶を使用していたが、ちょうど木桶が衛生問題により合成樹脂製の桶に切り替わりつつある時期であり、素材にプラスチックを採用して衛生的で頑丈なケロリン桶は好評を博した。最初にケロリン桶が置かれたのは、[[東京駅]]八重洲口にあった[[東京温泉]]だが、全国に積極的な営業を掛けたことも奏効し、その後全国各地の銭湯に広まった<ref name="naigai-ph"/>。製造当初は白色の桶であったが、湯垢による汚れが目立ったため、後に黄色い桶に改められた<ref name="naigai-ph"/>。 |
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=== 販売元の変更 === |
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2018年7月22日 (日) 16:25時点における版
ケロリン桶(ケロリンおけ)は、日本全国の銭湯や公衆浴場で使用されている黄色いプラスチック製の湯桶。1963年に内外薬品株式会社の鎮痛薬ケロリンの広告媒体として製造が開始された。以降、公衆浴場(銭湯や温泉地、ゴルフ場、ユースホステル、民宿の浴場等)に置かれ、湯桶の定番として広く使われている。印刷がプラスチックの表面ではなく、内部に埋め込まれるキクプリントという技術を採用しているため文字が消えにくく、また頑丈であるため、別名「永久桶」とも呼ばれる[1]。
歴史
1963年、睦和商事の当時営業担当だった山浦和明社長が、北海道・登別温泉の風呂桶を見て、風呂桶に広告を付けるアイデアを考案し[1]、ケロリンの販拡を狙っていた内外薬品と独占契約を結んで、製造を開始した[2]。
1963年当時の銭湯は木製の湯桶を使用していたが、ちょうど木桶が衛生問題により合成樹脂製の桶に切り替わりつつある時期であり、素材にプラスチックを採用して衛生的で頑丈なケロリン桶は好評を博した。最初にケロリン桶が置かれたのは、東京駅八重洲口にあった東京温泉だが、全国に積極的な営業を掛けたことも奏効し、その後全国各地の銭湯に広まった[1]。製造当初は白色の桶であったが、湯垢による汚れが目立ったため、後に黄色い桶に改められた[1]。
販売元の変更
1963年以来、約半世紀にわたって内外商事から委託される形で睦和商事が桶を販売・配布展開してきた(生産は外部企業に委託)。しかし、2013年(平成25年)1月末、それまで内外薬品から委託されていた睦和商事が需要の落ち込みにより事業を停止。同年3月14日に、再度の資金ショートを起こし経営破綻した。2012年末以降、ケロリン湯桶の販売・配布展開については内外薬品によって行われている[2][3]。2013年現在、ケロリン湯桶は1週間に1,020個製造されている[4][5]。
湯桶のサイズ
ケロリン桶には関東用と関西用の2種類のサイズがある。
- 関東用 - 直径225mm×高さ115mm
- 関西用 - 直径210mm×高さ100mm
このように、関西用の方が少し小さい[1]。これは、関西には湯舟(浴槽)から桶でかけ湯[注 1]をする習慣があり、関東用を使った場合、湯が入りすぎて重くなってしまうためである[1]。
バリエーション
アニメ・映画作品・テレビ番組等とのコラボ
2010年代以降、いくつかのアニメ作品やテレビ番組等とコラボしたケロリン桶が発売された(いわゆるコラボ商品)。
- 2012年と2014年の映画『テルマエ・ロマエ』には、作品内で実物が登場する他、主人公のルシウス(演・阿部寛)がケロリン桶を手に持っている様子を描いたポスターが制作されている。またこの映画のBlu-ray豪華盤では現代のケロリン桶と、劇中に出てくる「ローマ時代のケロリン桶に似せた桶」のデザインがBlu-rayにプリントされている。
- 2013年 - アニメ『ケロロ軍曹』の主人公・ケロロが描かれた「ケロロ&ケロリン桶」が発売。通常品同様「関東版」「関西版」の二種が用意されている。吉崎観音が原作の漫画を描いた。
- 2015年 - アニメ『銀河英雄伝説』に登場する国家である自由惑星同盟のロゴとモットーが印刷されたコラボ桶がニッセンより販売された[6]。
- 2016年 - フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』がプロデュースした『めちゃイケ温泉 小涌園のわき園』(箱根小涌園ユネッサン内)のグッズとしてコラボ桶が販売された[7]。
- 2016年 - テレビ東京系ドラマ『石川五右衛門』とのコラボ桶。詳細不明[8]。
- 2017年 - アニメ『けものフレンズ』に登場する「フレンズ」キャラの二人・キタキツネとギンギツネが描かれたコラボ桶がネット限定発売[9]。(同年のAnimeJapanで先行発売)。吉崎観音は作品全体のコンセプトデザインを担当。
木製桶
前記の通り、登場当時に一般的だった木製桶を置き換える形でプラスチックで製造されたケロリン桶であるが、2015年3月の北陸新幹線金沢開業を機会に、長野県産の木材(サワラ)を使用した桶が、長野県の「森林(もり)の里親制度」に貢献する形で企画・製造[10]、長野県限定で販売された[11]。サイズはプラスチック製(関東用)より大きい直径240mm、重量も50g重い410gである[11]。売り上げの一部は、木曽広域連合が運営する「水源の森基金」へ寄付された[12]。
その他
睦和商事が販売を担当していた当時は、桶にロゴを入れるサービスも行っていたため、古くから営業している温泉や銭湯で、希少なプリントが施されたケロリン桶を発見できる可能性がある[13]。
また、昭和40年代中頃には脚付きのケロリン桶が製造されていたことがある。これは、シャワーが一般的でなかった当時、髪の長い女性が髪を洗いやすいように作られたもので、当時は人気商品になった[14]。
通常の桶以外にも、手桶やコップ、バスタオル、足ふきマットなどの「ケロリングッズ」が一般向けにも販売されており、公式サイトから購入できる。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f ケロリン桶の由来 - ケロリンファン倶楽部 | 内外薬品株式会社
- ^ a b 「ケロリン」の広告入り湯桶会社が資金ショートで経営破綻 - 産経ニュース 2013年(平成25年)3月18日
- ^ ケロリンの広告入り湯桶会社経営破たん報道について
- ^ 今後も1週間の製造個数は1020個を限界とし毎週以前と同じ業者へ発注をかけております。 2013年3月21日
- ^ 職人さんの製造限界なので 2013年3月21日
- ^ “ニッセン×銀英伝コラボ第3弾きたああああ! ウイスキーグラスやケロリン桶など3種類 ……ケ…ロ…リン……桶?” (2015年2月18日). 2017年4月16日閲覧。
- ^ “日本一面白い「めちゃイケ温泉」サプライズ満載!「ケロリン」とコラボ風呂桶も” (2016年7月8日). 2017年4月16日閲覧。
- ^ “高月彩良 海老蔵ドラマ「石川五右衛門」出演で「衝撃」と予告” (2016年10月12日). 2017年4月16日閲覧。
- ^ “「けものフレンズ」とケロリン桶がコラボ AnimeJapanで先行販売- アニメ!アニメ!(株式会社イード)” (2017年3月9日). 2017年3月9日閲覧。
- ^ 製造を請け負ったのは志水木材産業株式会社
- ^ a b 長野)ケロリンの木桶登場 県産材でコラボ - 朝日新聞デジタル2015年3月17日
- ^ “日本の銭湯でよく見かける黄色いプラスチックの桶『ケロリン』って何?”. Tadaima Japan. 2017年4月10日閲覧。
- ^ Yutty! (2015年12月23日). “なぜ銭湯といえばケロリン桶なの?製造元の内外薬品に突撃調査!”. 2017年4月17日閲覧。
- ^ 睦和商事. “ケロリン湯桶いろいろ”. 2008年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月17日閲覧。
参考文献
- 朝日新聞『日本の百年企業』朝日新聞出版、2011年、pp.185-187「内外薬品」(ISBN 978-4-02-330879-4)
- 『テルマエ・ロマエ公式オフロ本 ウチ風呂の作法』エンターブレイン、2012年、pp.111-112「ケロリンとは何なのだ?」(ISBN 978-4-04-728061-8)
- なぜ銭湯のおけは「ケロリン」なのか? 編集委員 小林明、 日本経済新聞、2014年11月28日
外部リンク
- ケロリンファン倶楽部 - 内外薬品。
- ケロリンの内外薬品(株) 広報 (@KERORIN_PR) - X(旧Twitter) - 公式アカウント