深見義一

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深見 義一(ふかみ ぎいち、1899年 - 1972年)は日本経営学者、商業学者。一橋大学名誉教授

マーケティング小売政策、通信販売切符制度研究等の先駆者とされる。

第1回日本商業学会賞受賞。元社団法人流通問題研究協会会長。

人物・経歴[編集]

東京商科大学(現一橋大学)附属商学専門部卒業後、名古屋高等商業学校(現在の名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部)で教鞭をとったのち、東京商科大本科に入学し、1929年に同大学学部卒業。首席卒業生総代。同期に高橋泰蔵一橋大学名誉教授がいる。

大学で内池廉吉に師事し、内池の「市場論」を継ぐ。語学に堪能で、英語フランス語イタリア語ラテン語ギリシャ語に通じ、大学を卒業した1929年から1935年までアメリカ合衆国ドイツイタリアに留学した。

帰国後、アメリカのマーケティングや、ドイツの小売政策、通信販売切符制度の研究を行い、いずれも日本における先駆的研究となった。

1942年から東京商科大で「配給論」としてマーケティングを講ず。一橋大学商学部学部長等を経て、1962年一橋大学教授を定年退官し、兼任教授を務めていた成城大学経済学部の教授に就任。

1963年から社団法人流通問題研究協会会長。1972年成城大学定年退職。

著書『書業学』により第1回日本商業学会賞受賞。門下に、日本マーケティング学会を設立した田内幸一一橋大名誉教授などがいる[1][2][3]

1972年12月8日、狭心症のため東京都渋谷区にあった自宅にて死去[4]

脚注[編集]

  1. ^ 田内幸一「一橋のマーケティングの系譜」一般社団法人如水会
  2. ^ 高橋泰蔵「深見名誉教授の人と学問」一橋論叢1-Aug-1962
  3. ^ 木綿良行「深見先生の人と学問」成城大學經濟研究 (40), 2-3, 1972-12
  4. ^ 訃報欄『朝日新聞』昭和47年(1972年)12月8日朝刊、13版、23面