コンテンツにスキップ

河守駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
河守駅
こうもり
KŌMORI
蓼原 (0.9 km)
地図大江駅京都丹後鉄道)は東側
所在地 京都府加佐郡大江町字河守
北緯35度23分20.4秒 東経135度8分47秒 / 北緯35.389000度 東経135.14639度 / 35.389000; 135.14639座標: 北緯35度23分20.4秒 東経135度8分47秒 / 北緯35.389000度 東経135.14639度 / 35.389000; 135.14639
所属事業者 北丹鉄道
所属路線 北丹鉄道線
キロ程 12.4 km(福知山起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1923年大正12年)9月22日
廃止年月日 1974年昭和49年)2月28日*
* 1971年3月1日より休止
テンプレートを表示

河守駅(こうもりえき)は、かつて京都府加佐郡大江町字河守(現在の福知山市大江町河守)にあった北丹鉄道廃駅)である。同鉄道の終着駅であった。

歴史

[編集]

河守駅は1923年大正12年)、北丹鉄道の福知山 - 河守間の開業に合わせて開設された[1]。北丹鉄道は当初福知山から河守を経て丸八江村に至り、そこで官営鉄道の宮津線に接続する予定であった[2][3]。しかし宮津線のルート変更や戦後恐慌による資金難などの理由で河守から先の路線延伸は断念[3][4][5]。当駅が終着駅になったことにより、丹波地方丹後地方を結ぶという北丹鉄道当初の使命は中途半端な結果に終わってしまった[5][6]

未成となった河守以遠の鉄道については、1966年昭和41年)に宮津と河守を結ぶ国鉄路線(宮守線)が着工[6][7][8]。北丹鉄道は宮守線の開業による国鉄線への編入、あるいは国鉄からの補償を目論んだが、経営の悪化により宮守線完成前の1971年(昭和46年)3月に営業を休止する[6][9]。そのまま1974年(昭和49年)2月末に廃止が許可され[9]、当駅もこの時廃止された[10]。なお、宮守線はその後宮津と福知山を結ぶ宮福線に計画を変更、国鉄から第三セクター宮福鉄道の手にわたり1988年(昭和63年)に開業を果たした[6][11]。当駅があった大江町河守地区には宮福線の大江駅が設置されている。

年表

[編集]

駅構造

[編集]
河守駅線路配置図

蓼原
0 0 BV BV butoirg voie courbebd 0 0 0 0 0
0 quai quai quai quai quai 0 Dvoie 0 0 0 0
voie bifbd voie voie voie voie voie bifbg bifhg voie voie butoird
0 0 courbehg voie voie voie courbehd 0 0 0 0 0
凡例
出典:[5]

河守駅はホームが地面に接する地上駅。ホームは1面で、線路はホームに接する発着線1本のほかに機回し線留置線があり、終点側に貨物線が伸びていた[5][11]

木造の駅本屋があり[11]、駅員が配置されていた[14]

駅周辺

[編集]

駅があった場所は駅前商店街「ナイン」の周辺に相当する[15]。駅の跡地は京都タクシーの営業所に変わり[16]、貨物線が伸びていたあたりは福知山市役所支所の駐車場となった[17]。駅の痕跡は残っていない[18]。北・西側は河守地区の住宅街、東・南側は田園地帯。北丹鉄道廃止後に開業した宮福線大江駅が、当駅があった場所より50メートルほど川寄りに設けられている[17]

当駅付近の線路跡については国道175号沿いに低い築堤の跡を認めることができるが、そこから先、公庄駅までの区間は宮福線の線路用地に転用されている[17]

隣の駅

[編集]
北丹鉄道
北丹鉄道線
蓼原駅 - 河守駅

脚注

[編集]
  1. ^ a b c 寺田 2010, p. 43.
  2. ^ 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 272.
  3. ^ a b 北丹鉄道の歴史, p. 6.
  4. ^ 田中, 宇田 & 西藤 1998, p. 284.
  5. ^ a b c d 山本 2000, p. 21.
  6. ^ a b c d 山本 2000, p. 5.
  7. ^ 寺田 2010, p. 44.
  8. ^ 吉田 1998, p. 148.
  9. ^ a b 寺田 2010, p. 45.
  10. ^ a b c d 今尾 2008, p. 42.
  11. ^ a b c 寺田 2010, p. 46.
  12. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1923年10月1日 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  13. ^ a b c 北丹鉄道の歴史, p. 25.
  14. ^ 京都大学鉄道研究会 1969.
  15. ^ 草むらの中走った北丹鉄道 廃止から30年 今でも多くの人の心の中に”. WEB両丹. 両丹日日新聞. 2018年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月12日閲覧。
  16. ^ 新・鉄道廃線跡を歩く, p. 47.
  17. ^ a b c 寺田 2010, p. 49.
  18. ^ 吉田 1998, p. 154.

参考文献

[編集]
  • 今尾恵介(監修)日本鉄道旅行地図帳』 9 関西2、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790027-2 
  • 今尾恵介(編著)『新・鉄道廃線跡を歩く』 4(近畿・中国編)、JTBパブリッシング、2010年。ISBN 978-4-533-07861-3 
  • 京都大学鉄道研究会「北丹鉄道」『鉄道ピクトリアル』第19巻12月臨時増刊号(通巻232号)、鉄道図書刊行会、1969年12月、64-71頁、ISSN 0040-4047 (再録:『私鉄車両めぐり 関西』鉄道図書刊行会〈鉄道ピクトリアル別冊 鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション 19〉、2010年、73-83頁。全国書誌番号:21848519 
  • 田中真人、宇田正、西藤二郎「第12章 丹波・丹後の地域鉄道―加悦鉄道・北丹鉄道・丹波の幻の鉄道」『京都滋賀 鉄道の歴史』京都新聞社、1998年。ISBN 4-7638-0445-6 
  • 寺田裕一『新 消えた轍 ―ローカル私鉄廃線跡探訪―』 8 近畿、ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK〉、2010年。ISBN 978-4-7770-1075-2 
  • 福知山市開発公社 編『北丹鉄道の歴史』福知山市開発公社、1988年。全国書誌番号:89020349 
  • 山本武男『北丹鉄道 ―河川敷に消えた小鉄道―』ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 14〉、2000年。ISBN 978-4873662091 
  • 吉田恭一『地形図で辿る廃線跡 古地図とともにいまはなき鉄道を歩く』心交社、1998年。ISBN 4-88302-345-1 

関連項目

[編集]