昆虫大戦争
| 昆虫大戦争 | |
|---|---|
| GENOCIDE | |
| 監督 | 二本松嘉瑞 |
| 脚本 | 高久進 |
| 製作総指揮 | 小角恒雄 |
| 出演者 | |
| 音楽 | 菊池俊輔 |
| 撮影 | 平瀬静雄 |
| 編集 | 寺田昭光 |
| 配給 | 松竹 |
| 公開 | 1968年11月9日 |
| 上映時間 | 84分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
『昆虫大戦争』(こんちゅうだいせんそう、英題:GENOCIDE[1])は、1968年(昭和43年)11月9日に公開されたSF特撮映画[1][2][3]。製作・配給は松竹[2][3]。松竹大船撮影所作品。カラー、松竹グランドスコープ[3][注釈 1]。上映時間は84分[1][2]。監督は二本松嘉瑞、主演は園井啓介。
同年公開の『吸血鬼ゴケミドロ』に続く、終末をテーマとしたSFパニック映画シリーズ[1]。当時泥沼化していたベトナム戦争と東西陣営による核戦争の脅威をテーマに[1][4]、孤島を舞台に愛憎、スパイ戦、大国のエゴなど、濃厚な人間ドラマが描かれる。「水爆搭載機の墜落と捜索」がストーリーの骨子となっているが、本作公開の2年前の1966年にパロマレス米軍機墜落事故が起こっており、これは当時かなり現実味の強いテーマだった。
あらすじ
[編集]この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
物語は、キノコ雲と「人類は、この瞬間に核エネルギーを手に入れた。その時から核の恐怖が始まった」という字幕で始まる。
ある日、ベトナムへ向かう途中の米軍の水爆機が毒虫の大群に襲われ、亜南群島近海に墜落する[1][2][4]。亜南群島は、日本敗戦後に米軍の占領下となり、20数年ぶりに本土復帰したばかりだった[2]。
米軍はゴードン中佐を隊長に、そばの小島で行方不明の水爆の捜査「折れた矢作戦」が始まるが、この島では異変が起きていた[2]。記憶喪失となった黒人兵チャーリーと昆虫採集を行っていた生物化学研究所の秋山を発見し、軍用時計を所持していた秋山を機長らを殺害した容疑で逮捕する[2][4]。秋山の無実を晴らすために東京から駆けつけた南雲は、チャーリーの記憶を取り戻そうとする[2][4]。
かつてナチによる虐待を受けて人間不信となったユダヤ人女性の生物学者アナベルにより、生物兵器として人間を狂わせる猛毒と知能をもたされた昆虫の群れが、「核兵器をもてあそぶ人類は破滅する。しかしその巻き添えで破滅するのはごめんだ!」と人間を襲い始めていたのだ[1][4]。
墜落機の水爆を爆発させて昆虫の殲滅を図るが、昆虫たちは世界へと散っていた[4]。
キャスト
[編集]- 南雲義人[1]:園井啓介
- 秋山譲治[1]:川津祐介
- 秋山ゆかり[1]:新藤恵美
- アナベル[1]:キャシー・ホーラン(声:北浜晴子)
- チャーリー[1]:チコ・ローランド(声:たてかべ和也)
- 小室純子[1]:瞳麗子
- ゴードン[1]:ロルフ・ジェッサー(声:納谷悟朗)
- 軍医:フランツ・グルーベル
- 水爆機機長:マイク・ダーニン
- 司令官[1]:ハロルド・コンウェイ
- 松永恒夫[1]:上田忠好
- 刑事[1]:青沼三郎
- 藤井:青山宏
- セボレー工藤[1]:市村俊幸
- 南雲の助手:園江梨子
- 副官:ウォルフラム・ベギシャス
- 副操縦士:ゲルマン・ライナー
- 通信兵:ウィリアム・ドュウク
- 搭乗員:ハッピー・バーマン
- 声の出演:テアトルエコー
スタッフ
[編集]制作
[編集]スタッフ陣は前年の『宇宙大怪獣ギララ』の二本松嘉瑞、平瀬静雄、川上景司。音楽面およびシナリオ面は『吸血鬼ゴケミドロ』の菊池俊輔、高久進が担当した。
川津祐介は以前から二本松を慕っており、出演依頼が来た時には一も二もなく引き受けたという。撮影ロケは八丈島にて行われた。川津祐介が蜂に全身を噛まれるシーンがあるが、これは本物のミツバチに噛ませて撮影した。チャーリー役のチコ・ローランドはブラジル出身で、現地にはこの蜂にそっくりな猛毒の蜂が存在し、この撮影を異常に怖がったという。
毒虫の撮影では人間大の着ぐるみも用意されたが、製作に1か月ほどかかることから数体作るためのスケジュールが合わず、本編での使用は見送られた。この着ぐるみは、予告編にのみ登場する[5]。この予告編の冒頭には、宇宙円盤が大挙して地球に接近する『吸血鬼ゴケミドロ』のラストシーンの映像が流用されているが、本編にこのような描写はない。
なお、本作は「社団法人・映画輸出振興協会」による輸出映画産業振興金融措置の融資を受けて製作された[4]。
国内興行
[編集]映像ソフト
[編集]サウンドトラック
[編集]備考
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テレビドラマ『キイハンター』第135話「吸血昆虫島 上空異常あり」では、導入部とエンディング以外に本作の脚本がそのまま採用されている。脚本家は両作品ともに高久進、音楽は菊地俊輔。昆虫島にて飼育している毒虫で全人類の抹殺を企むキャシー・ホランをドラマでは真理アンヌが演じており、胸元を開いてナチスの虐殺の刻印を見せつける場面やその周辺の各登場人物の台詞は、本作とほとんど同じである。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 大特撮 1985, p. 337, 「戦後日本特撮映画作品リスト」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- 日本特撮・幻想映画全集 1997, p. 196, 「1960年代」
- 日本特撮・幻想映画全集 2005, p. 204, 「1960年代」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 135, 「1950's-1960's 日本空想、特撮映画総覧 松竹」
- 1 2 3 4 5 6 7 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 66, 「1968 吸血鬼ゴケミドロ、昆虫大戦争」
- 1 2 3 4 5 「DVD & VIDEO Selection」『宇宙船』Vol.106(2003年5月号)、朝日ソノラマ、2003年5月1日、52-53頁、雑誌コード:01843-05。
- ↑ “昆虫大戦争”. オリコンニュース. oricon ME. 2026年3月5日閲覧。
- ↑ “昆虫大戦争”. オリコンニュース. oricon ME. 2026年3月5日閲覧。
- ↑ “昆虫大戦争”. オリコンニュース. oricon ME. 2026年3月5日閲覧。
- ↑ “「吸血鬼ゴケミドロ」と「昆虫大戦争」のサウンドトラックCD発売のご案内”. 松竹シネマクラシックス. 松竹 (2016年6月23日). 2026年4月11日閲覧。
- ↑ “昆虫大戦争 サウンドトラック”. ディスクユニオン. 2026年4月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 『昆虫大戦争DVD』(松竹ビデオ)
- コロッサス 編『大特撮 日本特撮映画史』監修 本多猪四郎(改訂初版)、朝日ソノラマ、1985年1月31日(原著1979年1月31日)。ISBN 4-257-03188-3。
- 『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年6月5日。ISBN 4-7669-2706-0。
- 『日本特撮・幻想映画全集』朝日ソノラマ、2005年12月30日。ISBN 4-257-03720-2。
- 講談社 編『特撮全史 1950-60年代ヒーロー大全』講談社〈キャラクター大全〉、2017年11月29日。ISBN 978-4-06-220358-6。