旧網干銀行本店

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旧網干銀行本店
旧網干銀行本店
旧網干銀行本店(2019年撮影)
地図
所在地 兵庫県姫路市網干区新在家640番地の3
位置 北緯34度46分55秒 東経134度35分21秒 / 北緯34.78203度 東経134.58911度 / 34.78203; 134.58911座標: 北緯34度46分55秒 東経134度35分21秒 / 北緯34.78203度 東経134.58911度 / 34.78203; 134.58911
形式・構造 煉瓦木造洋風建築、地上二階建
文化財 姫路市都市景観重要建築物
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旧網干銀行本店(きゅうあぼしぎんこう)は、兵庫県姫路市網干区にある歴史的建造物。姫路市都市景観重要建築物。

この建物は一般的に本店と認識され定着しているが、網干銀行の本店は旭陽村高田(現網干区高田)にあり、実際にはこの建物は網干町支店として建てられた[1][2]。もっとも、重役会議や支店長会議が網干町支店でたびたび開催されていて[3]、本店格の扱いであった。

銀行としての役目を終えたあと婦人服店として使用されていたが,2019年にレストランとして改修された[4]

歴史[編集]

  • 1922年(大正11年) - 竣工。5月14日に開店式典を行う[5]
  • 1930年(昭和5年) - 網干銀行が三十八銀行に買収される。
  • 1936年(昭和11年) - 三十八銀行ほか6行の合併により神戸銀行発足。その網干支店となる。
  • 1970年(昭和45年) - 婦人服店として使用される。(2015年まで)
  • 2000年(平成12年)1月31日 - 姫路市の都市景観重要建築物に指定される。
  • 2019年(令和元年) - レストラン 旧網干銀行湊倶楽部としてリニューアルオープン。

建築様式[編集]

旧網干銀行本店の内壁。煉瓦に漆喰が塗られていた跡が見られる。

外観は煉瓦の壁と窓を交互に配して縦のラインを強調されており,大正期の自由な気風を映している。屋根はうろこ状に葺かれ,銅板でできたドームがある。天井や壁には漆喰が使われており,床は寄木張りになっている。

補足:古写真で確認すると屋根がうろこ状に葺かれていたのが分かるが、現状は波型スレート葺きに改変されている。

建物の再生[編集]

2019年、京都大学の大学院生が帰省時に建物が「売り物件」になっていることに気づく。大学院生がSNSで投稿したところ、知人経由で建物の購入者が見つかった。

ひょうごヘリテージ機構の協力もあり、建築機構の保全をしながら改修。2019年にレストランとしてリニューアルオープンした。[6]

交通アクセス[編集]

周辺施設[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『山本真蔵日記』巻頭の解説
  2. ^ 網干町支店はその後三十八銀行~神戸銀行を経て、現在の三井住友銀行網干支店(現在の所在地は山陽網干駅前)に、旭陽村の本店はその後三十八銀行~神戸銀行網干駅支店を経て、現在のみなと銀行網干駅支店(現在の所在地は揖保郡太子町糸井)となる。
  3. ^ 『山本真蔵日記』p.82(重役会議)、p.86(支店長会議)ほか
  4. ^ 神戸新聞NEXT|姫路|歴史的建築物「旧網干銀行本店」 レストランとして開店” (日本語). www.kobe-np.co.jp(神戸新聞NEXT. 神戸新聞. 2020年4月28日閲覧。
  5. ^ 『山本真蔵日記』p.81
  6. ^ 歴史的建物「旧網干銀行本店」、大正風レストランに再生:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞. 2020年4月28日閲覧。

参考文献[編集]

  • 山本真蔵日記を読む会編『山本真蔵日記』、平成29年11月1日(自費出版物)。
    • 山本真蔵(1877~1945)は、大正~昭和期の実業家。網干銀行頭取網干町長等を歴任した。

外部リンク[編集]