教育実習

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教育実習(きょういくじっしゅう、英:Teaching Practice)とは、教育職員免許状の授与を受けるために修得する科目のこと、または、その科目の内容として各学校で行われる実習のことである。

概要[編集]

教育実習は、教諭免許状の授与を受けるための基礎資格である。[1] 取得しようとする校種により実施すべき機関や実施すべき校種は異なるが、原則として養護教諭および栄養教諭を除くすべての校種教科において必要である。ただし、工業など一部の実業系教科では教育実習を実施することなく教員免許を取得することも可能である。[2]

教職課程(教員養成課程)を設けている大学短期大学教員養成機関などで科目として開講されており、事前・事後指導分として1単位、実習本体として2~4単位が認定される。 免許状取得には事前事後指導分あわせて幼稚園小学校中学校で5単位、高等学校で3単位が必要である。教育実習の実施期間については法令では明記されておらず、各都道府県の教育委員会によって微妙に見解が異なるが、一般的に幼稚園・小学校で4週間、中学校で3週間、高等学校で2週間とされる。

なお、養護教諭の免許状授与にかかわる科目は、教育実習ではなく養護実習である。また、栄養教諭の免許状授与にかかわる科目は、栄養教育実習と呼ばれる。そして、特別支援学校の教諭の免許状授与にかかわる科目は、障害者教育実習と呼ばれる[3]


実習校[編集]

教育実習は、取得しようとする免許状の校種ないしは年齢的に隣接する校種の学校で実施しなければならない。例えば、高等学校の免許を取得するのならば高等学校または中学校で実習することになる。隣接校種での実習が可能なため、場合によっては複数の校種の免許状を同時に取得することができる。


実習校の確保[編集]

実習校の確保にあたっては、実習希望者が実習校と交渉して内諾を得た後、実習希望者の在籍する大学等が正式に依頼を行い、実習が実施されるという流れが基本となる。ただし、実習希望者が在籍する大学等に付属学校がありその附属学校で教育実習を行う場合などもある。 しかし、学校には教育実習生を受け入れる義務はなく、単に業務とリスクが増加するだけにもかかわらず、次世代の教員育成のために、いわば学校の「厚意」によって実現しているものである。 そのため各学校毎に実習生の受け入れ基準や実施時期、実施内容等は異なり、卒業生しか受け入れない学校も少なくない。


実習の実際[編集]

教育実習の内容は受け入れ校の校長及び指導教諭等現地教員により運営されているため、学校ごとあるいは教科ごとに実施内容が異なるが、多くの場合、学級指導・教科指導・学校行事など教育活動のほぼすべての領域に参加する。 また、中等教育の免許状を取得する場合であっても、法令上は取得しようとする免許状の教科について実習を行う必要はないが、免許状を取得しようとする教科以外の教科の授業をあえて担当することは、指導教諭・実習生とも負担になるだけであり益がないため、通常は行われない。

  • 説明、講話
  • 学級活動・ホームルーム活動
    • 学級・ホームルームにおける児童・生徒への連絡報告指導を担当する。具体的には、学級担任とともに朝、帰りの学級活動・ホームルーム活動や給食清掃などの指導を行う。
  • 授業参観
    • 指導教諭の指導のもとに授業を見学する。
  • 教材研究
    • 指導教諭の指導のもと、実習で担当する授業の教材研究学習指導案の作成、その他必要な授業の準備などを行う。
  • 教科指導
    • 指導教諭の指導のもとに実際の授業や、宿題・提出物等の点検・添削を行う。
  • 研究授業
    • 学校が指定したスケジュールのもとに実習生の授業を公開する。他の教職員、実習生や大学の担当教員が見学する場合もある。
  • 合評会
    • 研究授業等の総括・反省を行い、研究協議する。校長・教頭・指導教諭ならびに、研究授業を見学した教員が参加する。
  • 校務
    • 指導教諭の指示のもとに、学校運営で必要な事務や作業等を行うこともある。
  • その他
    • 課外活動や部活動学校行事等における児童・生徒の指導を行うこともある。

問題点[編集]

実習期間の問題

実習期間が2週間から4週間程度と短いためにどうしても教科指導が中心となってしまう。それ以外の校務を実習できないこと、また実際に採用されて教員として現場に就くまでのブランクが少なからず存在することなどから、研修期間としてその意味が十分果たせているのかどうか疑問の声もある。ちなみに、ソ連の教育実習は1年間(学校9ヶ月、ピオネール3ヶ月)だった。

教員志望者でない者の実習

教員志望ではないが教員免許状を取得するためだけ、あるいは単位を稼ぐためだけに教育実習に臨む実習生も少なからず存在する。 教育実習は上述のように受け入れ校による厚意で成立している制度であり、教員志望者ではない者を受け入れること自体がリスクになりうる。 そのため近年では教員採用試験を受験することを条件とする場合や、面接や簡単な試験などを課している場合もある。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ [1]教育職員免許法第五条関係別表第一
  2. ^ [2]教育職員免許法施行法
  3. ^ 小学校、中学校ないし高等学校での教育実習とは別途行う必要があり、そちらと区別するため「障害者」と冠する。

外部リンク[編集]