南国のバラ

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南国のバラ》(なんごくのばら、独語Rosen aus dem Süden)作品388は、1880年ヨハン・シュトラウス2世が作曲したメドレー形式のワルツ。ハインリヒ・ボーアマン=リーゲンの小説を原作とする自作のオペレッタ女王陛下のハンカチーフ》を素材としている。 1880年10月1日アン・デア・ウィーン劇場で初演されたこのオペレッタをイタリアウンベルト1世が大変気に入ったと耳にしたシュトラウスが、即座に編曲して王に献上したのがこのワルツである。

1880年11月7日に弟エドゥアルト・シュトラウスの指揮するシュトラウス管弦楽団によって、ウィーン楽友協会において初演された。ワルツの主題は、第1幕の「Trüffel-Couplet」("Stets kommt mir wieder in den Sinn")、第2幕の三重唱「野ばらが花開くところ」(Wo die wilde Rose erblüht)やロマンス("Lichter Glanz erfüllt sein Gemüt")(この2曲は同じメロディが使われている)、第2幕フィナーレの"Hell wie ein Strahl"、第3幕フィナーレの"Eine Königin liebt dich"などから取られており、ワルツの題名は第2幕の三重唱に触発されている。

このワルツは、「ワルツ王」の偉大な作品の中でも上位に立っており、今なおウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサートで定期的に演奏されている。全般的な曲調は、どちらかといえば物思わしげであるのだが、曲の結末において、この上ない喜びを表出し、シュトラウスならではの陽気な旋律によって輝き出す。ヘ長調によるワルツの第1部は、優美であるが、雰囲気は哀愁を帯びている。ワルツの第2部Aもまた、より内政的な雰囲気を帯びているが、第2部Bはより躍動的である。第3部の楽節全体はト長調であるのに対し、第4部は変ホ長調であり、シンバルの一打によってクライマックスに至る。落ち着きのない響きの変ホ長調によるコーダは、間もなく第3部Aの再現と交替する。第1部Aが曲末につかのま現れた後、第4部Bが今度は主調のヘ長調で導入される。ワルツの結末を彩るのは、一連の下降和音であり、太鼓連打と最後のファンファーレが色を添える。

《南国のバラ》は、『スター・トレック』のサウンドトラックに利用されたクラシック音楽の1つである。

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