ヴィクトル・ペレーヴィン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴィクトル・オレーゴヴィチ・ペレーヴィン
Виктор Олегович Пелевин
Viktor Olegovich Pelevin
誕生 (1962-11-22) 1962年11月22日(61歳)
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国モスクワ
職業 小説家
言語 ロシア語英語
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

ヴィクトル・オレーゴヴィチ・ペレーヴィンロシア語: Ви́ктор Оле́гович Пеле́вин, ラテン文字転写: Viktor Olegovich Pelevin, 1962年11月22日 - )は、ロシア小説家モスクワ生まれ。SFに近い幻想小説の書き手で、国内外に幅広い読者を持つ[1]

経歴[編集]

ヴィクトル・オレーゴヴィチ・ペレーヴィンは1962年11月22日にモスクワに生まれ、母親は英語教師ジナイダ・セミョノヴナ・エフレモワ、父親はバウマン・モスクワ工科大学の軍事部門教師であるオレグ・アナトリエヴィチ・ペレーヴィンであった[2]。彼はモスクワのトベルスコイ通り英語版に住んでいたが、後にモスクワ郊外の住宅地チェルタノヴォ英語版へ移った。1979年にペレ―ヴィンはモスクワ中心部スタニフラフスキー通りの、英語特待生制度があるエリート高等学校、現在のカプツォフ学校を卒業した。

彼はその後モスクワ電力工学大学英語版 (MPEI) に入学し、1985年に電気機械工学の学位を取得して卒業した[3]。その年の4月、MPEIの送電部門は彼を技師として採用した。ペレーヴィンはロシア空軍にも所属した[4]1987年から1989年まで、彼はMPEIの大学院で学んだ[3]

ペレ―ヴィンはしばしばアジアを旅行し、ネパール、韓国、中国、そして日本を訪れている[5]仏教徒だとは言っていないが、仏教の修行に取り組んでいる[6]。彼はドラッグを常用しているにもかかわらず、青年時代に精神を拡張する実験を行っていたが、中毒者ではない、と繰り返し述べている[7]。彼は結婚していない[8]

ペレービンはSNS(FacebookTwitterフコンタクテなど)のアカウントは持っていない[9]

2018年12月、作家ヴィクトール・ペレ―ヴィンがロシア連邦年金基金英語版モスクワ地方事務所に個人事業主として登録した、とメディアは報じた[10]

作家として[編集]

1991年に刊行した短編集『青い火影』がベストセラーになると共にロシア・ブッカー賞英語版(1993年)をはじめとする数々の賞を受賞し、一躍現代ロシア文学をリードする作家となった。1989年にロシアで起こった文学潮流「ターボ・リアリズム」の旗手として活躍しており、現代ロシアにおいて最も支持を集める作家の一人である。実験的な作風と高い人気を兼ね備えた作家として、国外からも注目を集めている。

主な作品[編集]

日本語訳[編集]

(年代は日本語訳の出版年)

  • 『作品集「青い火影」(1)眠れ』三浦清美訳(群像社, 1996年)ISBN 4-905821-41-X
  • 『虫の生活』吉原深和子訳(群像社, 1997年)ISBN 4-905821-44-4
  • 『恐怖の兜』中村唯史訳(角川書店, 2006年)ISBN 4-04-791523-8
  • 『チャパーエフと空虚』三浦岳訳(群像社, 2007年)ISBN 978-4-903619-04-0
  • 『宇宙飛行士オモン・ラー』尾山慎二訳(群像社, 2010年)ISBN 978-4-903619-23-1
  • 『作品集「青い火影」(2)寝台特急 黄色い矢』中村唯史, 岩本和久訳(群像社, 2010年)ISBN 978-4-903619-24-8
  • 『ジェネレーション〈P〉』東海晃久訳(河出書房新社, 2014年)ISBN 978-4-309-20652-3
  • 『汝はTなり:トルストイ異聞』東海晃久訳(河出書房新社, 2014年)ISBN 978-4-309-20663-9
  • 『iPhuck10』東海晃久訳(河出書房新社, 2018年)ISBN 978-4-309-20747-6
  • 「聖夜のサイバーパンク、あるいは「クリスマスの夜-117.DIR」」沼野充義訳、『ヌマヌマ : はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』(河出書房新社、2021年)所収 ISBN 978-4-309-20840-4

日本語訳未公刊[編集]

  • 『数』
  • Священная книга оборотня
  • 『帝国В
  • П5

脚注[編集]

  1. ^ 『ヌマヌマ : はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』河出書房新社、2021年10月、99-100頁。ISBN 978-4-309-20840-4 
  2. ^ Виктор Пелевин: "Снимаюсь только 30 секунд и в очках!"”. kp.ru (2012年11月22日). 2021年3月8日閲覧。
  3. ^ a b Виктор Олегович Пелевин. Биографическая справка” (ロシア語). РИА Новости (2009年). 2021年3月8日閲覧。
  4. ^ Виктор Пелевин: Оргазмы человека и государства совпадают!”. kp.ru (2003年9月2日). 2021年3月8日閲覧。
  5. ^ Виктор Пелевин”. polit.ru. 2021年3月8日閲覧。
  6. ^ Д.в, Нечепуренко (2014). “В. О. Пелевин. Традиции и новаторство”. Челябинский гуманитарий 1 (26). ISSN 1999-5407. https://cyberleninka.ru/article/n/v-o-pelevin-traditsii-i-novatorstvo. 
  7. ^ Кочеткова, Наталья (2008年10月20日). “Писатель Виктор Пелевин: "Олигархи работают героями моих книг"” (ロシア語). Известия. 2021年3月8日閲覧。
  8. ^ Настоящий Пелевин / Стиль жизни / Независимая газета”. www.ng.ru. 2021年3月8日閲覧。
  9. ^ Контакты / Виктор Пелевин :: сайт творчества”. pelevin.nov.ru. 2021年3月8日閲覧。
  10. ^ Новая газета - Novayagazeta.ru” (ロシア語). Новая газета - Novayagazeta.ru. 2021年3月8日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]