ワシントン (BB-47)

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建造が中止され未完成となったワシントンの船体
1922年4月の撮影

ワシントン (USS Washington, BB-47) は、アメリカ海軍の未完成戦艦で、コロラド級戦艦の3番艦である。

“ワシントン(Washington)”の名はアメリカ合衆国の42番目の州であるワシントン州に因み、その名を持つ艦としては8代目である。

概要[編集]

1919年6月30日コロラド級戦艦の1隻としてニュージャージー州カムデンにあるニューヨーク造船公社によって起工され、1921年9月12日には進水したが、1922年2月ワシントン海軍軍縮条約締結により建造が中止され、翌1923年には条約による戦艦保有枠削減のために廃棄対象となり、1924年11月、ヴァージニア岬沖で実弾標的として処分されることになった。

1924年11月23日、ワシントンはまず航空爆弾と航空魚雷の標的となり、2発の魚雷(弾頭威力400ポンド(約181.4 kg)の命中と3発の1.1ショートトン(1トン[1]爆弾の至近弾を受けたが、損傷は軽微で、更に400ポンド爆弾の空中炸裂による至近爆発に曝されたが、健在だった。

2日後の11月25日、戦艦部隊による砲撃が行われ、14発の14インチ(356 mm)砲弾が命中したが、装甲を貫通した弾は1発のみであった。ワシントンは最終的には改めて行われたニューヨーク(BB-34)テキサス(BB-35)の砲撃により、14インチ砲弾14発の命中によって沈没した。

この一連の実射実験により、アメリカ海軍は「既存の戦艦の装甲防御は不十分である」と結論づけ、これ以降建造される戦艦に多重防御の強化(三重底など)が採り入れられるきっかけとなった[2]

艦歴[編集]

  • 1919年6日30日 - ニューヨーク造船所にて起工。
  • 1921年9月12日 - 進水。
  • 1922年2月8日 - 工事進歩率75.9%の状態で建造中止。
  • 1923年11月10日 - 廃棄決定。
  • 1924年
  • 11月23日 - 実射標的艦となる。
  • 11月25日 - 砲撃により沈没。

脚注・出典[編集]

  1. ^ ショートトン英語: short ton)は米国慣用単位ヤード・ポンド法)の単位で、メートル法トン(メトリックトン)とは異なる。
  2. ^ Friedman, Norman (1985). U.S. Battleships: An Illustrated Design History. United States Naval Institute. ISBN 0-87021-715-1.

参考文献[編集]

  • 「世界の艦船」海人社:刊
  • 1990年1月号増刊 『アメリカ戦艦史』 1989年 
  • 2012年10月号増刊 『アメリカ戦艦史』 2012年
  • 太平洋戦史シリーズ 58『アメリカの戦艦』(ISBN 978-4056046922)学研プラス:刊 2007年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]