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ヤブデマリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤブデマリ
福島県会津地方 2008年6月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: マツムシソウ目 Dipsacales
: レンプクソウ科 Adoxaceae
: ガマズミ属 Viburnum
: Viburnum plicatum
変種 : ヤブデマリ
V. plicatum var. tomentosum
学名
Viburnum plicatum Thunb. var. tomentosum Miq. (1866)[1]
シノニム
和名
ヤブデマリ(藪手毬、薮手毬)

ヤブデマリ(藪手毬[3]、薮手毬、学名: Viburnum plicatum var. tomentosum )は、ガマズミ科[注 1]ガマズミ属落葉低木。和名は薮のような場所に生え、花序が丸いことに由来する[4]

分布と生育環境

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日本の太平洋側の本州関東地方以西)、四国九州に分布し[4][3]山地丘陵地に生え[4]、沢などの水辺や湿り気のある林縁に自生する。

特徴

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落葉広葉樹小高木で、樹高2 - 6メートル (m) くらいになる[4][3]樹皮は灰黒色で、枝が水平に伸び広がるのが特徴的である[3]。一年枝の樹皮は褐色で皮目があり、星状毛が多い[3]。古い枝は黒褐色で皮目がまばらにある[4]。樹皮は古くなってくると色も変わり、裂け目が入ってくる[3]は枝に対生し、形は倒卵形から長楕円形で5 - 16センチメートル (cm) ほど[4]、葉の先端は尖り、葉縁は全縁になる。

花期は5 - 6月で[3]、水平に伸びた枝に上向きに花序を並べて白いをつける[4]。花序は1対の葉の間から出た散房花序で、やや黄色を帯びた小さな両性花が集まる花序のまわりに、白色の大きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁どる[4]。装飾花は直径30 - 40ミリメートル (mm) [4]、無性花で花弁だけが広がったものだが、その5枚のうち1枚が極端に小さくユニークな形であり、他の似た種との区別がしやすい。おおよそ小さい花弁が花序の内側を向き、花序の外周を大きい花弁が彩る。中心に集まる両性花は直径5 - 6 mm[4]

果期は8月[4]果実は長さ6 mmの楕円形で、夏に赤く熟し、秋には黒紫色に変わる[4]。果序は枝の上に並ぶように見える[3]

冬芽は長楕円形で先が尖り、芽鱗は褐色で2枚あり、星状毛が多い[3]頂芽側芽よりも大きく、短い柄がある[3]。側芽は枝に対生する[3]。冬芽のわきにある葉痕は、V字形や倒松形で、維管束痕は3個つく[3]

近縁種

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脚注

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注釈

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  1. ^ 最新のAPG体系ではガマズミ科 (Viburnaceae) に分類される。ガマズミ科が2017年に採択される以前の古いAPG体系ではレンプクソウ科 (Adoxaceae) 、クロンキスト体系新エングラー体系ではスイカズラ科 (Caprifoliaceae) に分類されることもある[1]

出典

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、29頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、70頁。ISBN 978-4-05-403844-8 

関連項目

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