ヤブツルアズキ
| ヤブツルアズキ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2016年9月 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi (1969)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)[5][6] |
ヤブツルアズキ(藪蔓小豆[7]、学名: Vigna angularis var. nipponensis)は、マメ科ササゲ属のつる性の一年草[5][6][8]。日本列島を含む東アジアに自生しており[9]、中国語では「野豇豆」と表記する[1]。
食用農作物のアズキ(小豆)は本変種の分類上の基本種(基準変種)になるが、系統的には本変種から東アジアで栽培化されたものと考えられている[8]。
名前の由来
[編集]和名ヤブツルアズキは「藪蔓アズキ」の意[6]で、基本種(基準変種)のアズキは栽培種で茎が直立し、つる性にならないのに対し、本変種は野生種、すなわち「藪に生えるつる性になるアズキ」「藪蔓小豆」を意味する。
遺伝学的解析によるアズキの起源の解析
[編集]近年のゲノム解析により、栽培種アズキ(Vigna angularis) の原種が、野生型であるヤブツルアズキ (Vigna angularis var. nipponensis) であることが明らかとなった[要出典]。 この結果を受け、Vigna nipponensis を独立種として再定義し、その下位分類群として var. angularis を新たに設ける(新組合せとして提案する)など、ヤブツルアズキ (nipponensis) を基本種、アズキ (angularis) をその栽培変種と見なす分類体系への再検討が進められている[要出典]。
分布と生育環境
[編集]日本では、本州(青森県日本海側以南[10])、四国、九州に分布し、日当たりのよい原野の草地や林縁の草地に生育する[7]。
後述するように食用になるものの雑草として扱われることが多く、畑周辺ではアズキとの交雑による品質劣化、つる巻き付きや生育競合による他の作物の収量減少を防ぐため防除対象とされることもある[9]。
形態・生態
[編集]つる性の一年生草本[7]。茎は長さ3メートル (m) 以上になり、つるになって他にからみつき、全草に黄褐色の開出する粗い長毛が生える[7]。葉は互生し、長い葉柄のある3出複葉で[7]、頂小葉は側小葉より大きい。小葉は狭卵形から卵形で、長さ3 - 10センチメートル (cm) 、幅2 - 8 cmになり、葉縁は全縁か基部近くが浅く3裂し、先端は急に鋭くとがり[7]、基部は鈍形で短い葉柄がある。葉の両面に黄褐色の長毛が生える。葉柄の基部に托葉があり、狭卵状長楕円形で長さ7 - 10ミリメートル (mm) になり、粗い毛が密生する[5][6][8]。
花期は8 - 9月[7]。葉腋から花序柄を出し総状花序の変形である偽総状花序をつけ、2 - 10個の黄色い花をつける。萼は4裂する。小苞葉は萼より長い。マメ科らしくない形の花で、形・大きさともノアズキ(別名:ヒメクズ、学名: Dunbaria villosa)に似ている[7]。花冠は黄色で、長さ幅ともに15 - 18 mmになる。旗弁は左右非相称で[7]、竜骨弁は2枚が合着して2分の1から4分の3回転し、右側の翼弁は竜骨弁を抱き、左側の翼弁は左側に突き出た竜骨弁の距にかぶさる。雄蕊10個と雌蕊1個は竜骨弁の中にあり、同様に曲がる。竜骨弁と花柱の先端は嘴(くちばし)状に伸長する。
果実は線形の豆果で垂れ下がり、無毛、長さ4 - 9 cm、幅約4 mmの細長い筒状になり、6 - 14個の種子を入れ、晩秋に緑色から黒緑褐色に熟して莢が乾燥するとともにねじれて裂開し、種子を散布する[7]。種子は短円柱形または長楕円形で、長さ3 - 5.5 mm、幅2 - 4 mm、厚さ2 - 3.5 mmになり、アズキより小さい[7]。色は褐色から暗紫褐色で、へそは線形で仮種皮は細く、盛り上がらない[5][6][8]。
現代のアズキの原種とされているが、アズキは茎が直立して無毛、豆の大きさはアズキのほうが遙かに大きいなどの相違点が見られる[7]。
食用
[編集]アズキと同様に、豆が食用になる。種子を数分ほど煮て一度煮汁を茹でこぼし、再度、豆が軟らかくなるまで煮て押し潰し、砂糖を加えてしばらく煮るとお汁粉になる[7]。また、米と一緒に炊き上げるとアズキを使った赤飯と同様の仕上がりになる[7]。双方ともアズキを使ったときと変わらない色と味わいになるが、豆が小さいので大量に要る[7]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- 1 2 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi ヤブツルアズキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月23日閲覧。
- ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phaseolus angularis (Willd.) W.F.Wight var. nipponensis (Ohwi) Ohwi ヤブツルアズキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月23日閲覧。
- ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phaseolus angularis (Willd.) W.F.Wight f. nipponensis (Ohwi) Kitam. ヤブツルアズキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月23日閲覧。
- ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Azukia angularis (Willd.) Ohwi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi ヤブツルアズキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月23日閲覧。
- 1 2 3 4 林監修・ 畔上ほか著 1989, p. 290
- 1 2 3 4 5 牧野原著、大橋・邑田・岩槻編 2008, p. 346
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 川原勝征 2015, p. 124.
- 1 2 3 4 5 大橋・門田・木原ほか編 2016, pp. 303–304
- 1 2 [雑草図鑑]ヤブツルアズキ:水田転換畑に侵入も『日本農業新聞』2026年1月19日3面
- ↑ “青森県の北限・南限植物 (受賞記念講演記録)”. 植物地理・分類研究 (2011年3月30日). 2025年4月26日閲覧。
参考文献
[編集]- 川原勝征『食べる野草と薬草』南方新社、2015年11月10日、95頁。ISBN 978-4-86124-327-1。
- 林弥栄監修 畔上能力ほか著『野に咲く花』平野隆久写真、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑1〉、1989年10月。ISBN 4635070018。
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年11月。ISBN 9784832610002。
- 大橋広好・門田裕一・木原浩ほか 編『日本の野生植物 2』(改訂新版)平凡社、2016年3月。ISBN 9784582535327。