モンキーマン

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モンキーマン(Monkey Man)とは、UMAの一種。インドの首都ニューデリーに、2001年4月から5月にかけて出没した。

当初は、現地語で「バンダル・マーナブ」と呼ばれていた。当時は「2000年代最大のUMA騒動」として大きな話題となり、解決には警察が動員された。

概要[編集]

2001年4月、ニューデリーに突如出没し、頻繁に目撃された(同年5月まで)[1]

夜間に現れ、外で寝ている人などに襲い掛かり、怪我をさせたという[2]で引っかく、噛み付くなど、獣人型UMAの中でも、トカゲ男と並んで特に凶暴で攻撃的な存在である。また、家屋屋根伝いに、自在に跳梁し移動することから、「かなりの跳躍力をもつ、身体能力の高い獣人」と考えられる[3]

この獣人騒動によって2人もしくは3人の死者が出たという説がある。ただし、「モンキーマンが出現した」というパニック状態の中で、慌てて逃げて屋根から落ちたり、混乱の中で転倒したものである。そもそも死者が出たという確たる証拠はない[4]

当時のインドでは、多くのニュース番組で特集放送され、新聞でも紙面の4分の1を使って紹介されていた[5]。警察からも懸賞金がかけられるなど、大きな騒動になっていた[6]

外見[編集]

多くの目撃者によると、体長は1.5m~1.8mほどで、「のように上半身深く、鋭い爪を持つ怪物」とされる。ヒツジ男ワニ男のように「体は人間に似ている」といわれており、二足歩行をすることから、一種の獣人と考えられている。しかし、「ヘルメットズボンを着用していた」という目撃例もある[1]。「孫悟空だ」という人もいるという[6]

アスワングピッグマン(ブタ男)、カエル男、蛾男(モスマン)、ヒツジ男(ヤギ男)、フクロウ男(オウルマン、アウルマン)、ワニ男、トカゲ男と同様の半獣半人タイプ。

仮説[編集]

モンキーマンについては、以下のような仮説がある。

地元当局の見解[編集]

騒動は拡大し、地元警察が捜査に乗り出した。当初は、「人によって調教された猿の犯行」や、「強盗」、「通り魔」とも考えられていた。

しかし、

  1. 途中から全く目撃情報がなくなったこと[10]
  2. 人によって目撃情報に一貫性がないこと
  3. 物的証拠が何一つない(毛深い身体をもつはずなのに、それらしい体毛は残っていない。また、跳躍力が高いとされるのに、その足跡も見つかっていない)こと[10]

などから、「モンキーマンという架空の存在が大きくなりすぎて集団でパニックになった」、つまり集団妄想(集団ヒステリー)と結論された。

他には、「電気を街に供給させるために、住民側が流したデマではないか?」という説もある(モンキーマン騒動が起きた街には、その捜索取材のために、24時間体制で電気が供給されたことから)。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 未確認生物ミステリー研究会 2014, p. 89.
  2. ^ ASIOS(2018}、p.282
  3. ^ 天野ミチヒロ 2016, p. 121.
  4. ^ ASIOS(2018)、p.283
  5. ^ 並木伸一郎 & 2014/12, p. 159.
  6. ^ a b 天野ミチヒロ 2016, p. 122.
  7. ^ a b 学研教育出版 2013, p. 207.
  8. ^ a b c d 天野ミチヒロ 2016, p. 123.
  9. ^ 並木伸一郎 & 2014/12, p. 158.
  10. ^ a b 並木伸一郎 2014, p. 126.

参考文献[編集]