マルテの手記

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マルテ・ラウリス・ブリッゲの手記』(Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge)は、1910年に発表された、ライナー・マリア・リルケの小説。『マルテの手記』の通称で知られる。リルケの唯一の長編小説である。デンマーク出身の青年詩人マルテが、パリで孤独な生活を送りながら街や人々、芸術、自身の思い出などについての断片的な随想を書き連ねていくという形式で書かれている。したがって、小説でありながら筋らしいものはほとんどない。

主人公マルテのモデルとなっているのは、実際にパリで生活し、無名のまま若くして死んだノルウェーの詩人シグビョルン・オプストフェルダー(en:Sigbjørn Obstfelder)である。もっともリルケは、この人物についてそれほどくわしくは知らないとも語っており、1902年から1910年の間、妻子と離れてパリで生活していたリルケの生活や心情が、彼のプロフィールに重ね合わされる形で書かれている。

作品は1904年から6年の歳月をかけて書かれた。『マルテの手記』の発表後のリルケは、長い間まとまった著作を発表しておらず、後期作品の代表詩である『ドゥイノの悲歌』と、『オルフォイスのソネット』が発表されるのは、十数年を経てからとなった。

アントン・ヴェーベルンは、本作に登場するマルテの母の妹・アベローネの歌った歌として登場する2編の詩による『リルケの詩による2つの歌曲』作品8を、本作が出版された年に作曲している。

主な日本語訳[編集]

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