マルクス・ガブリエル

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マルクス・ガブリエル
生誕 (1980-04-06) 1980年4月6日(36歳)
ドイツラインラント=プファルツ州レマーゲン
時代 21世紀哲学
地域 西洋哲学
学派 素朴実在論
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マルクス・ガブリエルMarkus Gabriel, 1980年4月6日 - )は、ドイツ哲学者。現在、ボン大学教授。専門書だけでなく、哲学に関する一般書も執筆している。

略歴[編集]

ガブリエルは哲学、古典文献学、近代ドイツ文学、ドイツ学をハーゲン大学、ボン大学、ハイデルベルク大学で学んだ。2005年、イェンス・ハルフヴァッセンの指導のもと、後期シェリングの研究によりハイデルベルク大学から博士号を取得した。2005年にリスボン大学の客員研究員、2006年から2008年にかけてドイツ研究振興協会の研究員としてハイデルベルクに滞在した。2008年には古代哲学における懐疑主義と観念論についての研究によりハイデルベルクにてハビリタチオン(大学教授資格試験)に合格する。2008年から2009年にかけて、ニューヨークのニュースクール大学哲学部で助教を務めた。2009年7月にボン大学に着任し、認識論・近現代哲学講座を担当すると同時に、同大学国際哲学センターのディレクターも務めている[1]。過去にはカリフォルニア大学バークレー校の客員教授も務めた[2]

ガブリエルは複数の言語(ドイツ語、英語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、中国語)を自在に操り、また古典語(古代ギリシャ語、ラテン語、聖書ヘブライ語)にも習熟している[3]。ガブリエルは既婚者である。

哲学[編集]

2013年、ガブリエルは『Transcendental Ontology: Essays in German Idealism』を上梓した。セバスチャン・ガードナーによる書評が『ノートルダム・フィロソフィカル・レビュー』に掲載され、次のように評価されている。「英語で書かれた本書は、ガブリエルによるドイツ観念論の読解がこれまでで最も包括的に提示されたものである[4]。[…]豊かなアイデアが限られた紙幅に凝縮されているため、読者は予めかなりの関連知識を有していることが求められる」[4]

あるインタビューにて、ガブリエルは次のように述べている。「現代の形而上学者の殆どは、自らの研究テーマを特徴づけることに失敗しています。彼らは『世界』や『現実』のような言葉を、特に明確な説明を与えることなく、しばしば同じ意味で用いています。私見では、こうした全体性を表す表現は、存在するという性質をもつものを指示することはできません」[5]。また次のようにも説明している。

私はメタ存在論とメタ形而上学というカント以来の伝統を復活させようとしています。周知の通り、メタ存在論という言葉を導入したのはハイデガーであり、また彼はカントの哲学が「形而上学についての形而上学」であるとも明言しています。私が用いるメタ形而上学的ニヒリズムという言葉の意味とは、世界など存在しない、つまり、世界についてその究極的本性、本質、構造、構成、カテゴリー的輪郭などが問われるとき、その問いかけには意図されているような概念的内容が欠けている、ということです。万物を絶対的に構成している何か大きなものがあるという考えは、それが自然的なものであれ理性が不可避的に有する性質であれ、幻想なのです。現代の議論において影響力を持っているネオ・カルナップ主義者たちも同様の結論に至っていますね。彼らの研究で言われていることの多くに私は賛同しており、それをカント的、ポスト・カント的哲学におけるメタ存在論/メタ形而上学の伝統と連結させようと試みているのです。[6]

剽窃疑惑[編集]

ルーマニアの哲学者ガブリエル・ヴァカリウ(Gabriel Vacariu)は、マルクス・ガブリエルによって自分のアイデアを剽窃されたと訴えている。ヴァカリウの主張によれば、彼の論文「Mind, Brain and Epistemologically Different Worlds」(2005年12月)で展開されている議論が、出典を明らかにすることなくマルクス・ガブリエルに盗用されたという[7]

マルクス・ガブリエルはこれまでのところこの疑惑についてコメントを一切公にしていない。ボン大学の弁護士で、科学における不正行為に関する事件のオンブズマンであるカール=フリードリヒ・シュトゥッケンベルク(Carl-Friedrich Stuckenberg)によれば、ヴァカリウの申し立ては不当であるという[8]

著作[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]