フォーンプラグ

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様々なサイズ、様々な極数のフォーンプラグ。左より
2.5mm 2極(マイクロ)
3.5mm 2極(ミニ)
3.5mm 3極(ミニ)
6.3mm 3極(標準)
6.3mm、2極のフォーンプラグ。エレキギター電子楽器マイクロフォンミキサーアンプ 等々で多用されている。
一対のフォーンコネクタ。右側のフォーンプラグ(オス型)が左側のフォーンジャック(メス型)に差し込まれた状態。メス側にはバネ状の金属とそれに並行する金属があり、ジャックを抜いた状態ではバネが画面下方向へ変形しており、並行する金属と接触し、(ヘッドフォンではなく、例えばアンプ+スピーカなど)ジャック側内部の回路に音響信号が伝わり、ジャックを差し込んだ状態ではバネが画面上方向へ持ち上がり、ジャック側の回路は遮断され(たとえばスピーカなどは鳴らなくなり)、代わりにプラグ側の先にある装置(例えばヘッドフォンなど)を含む回路をつくりそちらが作動する、というように、「抜き差し」によって選択的に回路を形成するような構造になっており、抜き差しによって回路や動作を切り替えることが可能になっている。

フォンコネクタ(phone connector)は音響機器の接続に用いられている一対のコネクタであり、そのうちオス型のものをフォーンプラグ (phone plug)といい、一本の棒状のプラグの、先端部と胴体部をそれぞれ絶縁して接点とした端子であり、それと対になるメス型のほうをフォーンジャックphone jack)という。

もともと19世紀に手動のパッチパネルによる電話交換台交換手が操作したものであることからその名がある。フォンコネクタを、端子の一種として、日本語ではフォーン端子とも呼ぶ。[1]

「標準」「ミニ」などいくつかのサイズと、2極と3極[2]、あるいはもっと多いものもあり、用途により使い分けられている。形状はアメリカ電子工業会(EIA)でEIA-453として規格化されている。

特徴など[編集]

接続が容易であり頻繁に抜き挿しする用途に向く。一般的には2極(モノラル入出力)あるいは3極(ステレオ入出力)の接続で用いられ、プラグの先端をチップ (tip)、根元をスリーブ (sleeve) と呼ぶ。また、3極のスリーブと同径で絶縁された部分をリング (ring) と呼ぶ。TRSフォーンプラグは3極プラグのことである。挿抜時に端子がショートすることがあり、電源が入った状態での抜き挿しが想定される場合には機器側での対応が必要である。

主な用途[編集]

マイクロフォンヘッドフォン電子楽器等の端子に多用される。パーソナルコンピュータのマイク端子、ヘッドフォン端子にも使用されている。ステレオ用には3極のTRSコネクターを使う。

なお、楽器用途において、両端にフォーンプラグが取り付けられたケーブルが慣用的に広く「シールド」と呼ばれてしまっている場合があるが、「シールド」とはあくまで「シールド・ケーブル(=同軸ケーブル)」の略であるから、両端の端子の形状とは無関係の呼称であり、あくまで同軸ケーブルにフォーンプラグが付けられたものがそう呼ばれている場合だけが、呼称としては正しい。

仕様の乱立[編集]

スリーブ端子をさらに分割して機能を割り当てているものが存在する。映像やコントロール信号も伝送したい場合、外形をオリジナルに保ったまま4極以上の端子を増設し利用する。3極であっても、インサーションケーブルのように入出力を一つのコネクタで運用するなど、仕様が乱立している。

サイズ[編集]

6.3mm(1/4インチ)
いわゆる標準サイズの端子。一般的な音楽機器類(業務用、民生用)で使用されている。元は電話交換台用。
4.4mm
2016年にJEITAがバランス接続用途として5極 (TRRRS) プラグ・ジャックを規格化した[3]
3.5mm
ミニ(ミニプラグ)と呼ばれているサイズの端子。一般的な音楽プレイヤーやパソコンなどで使用されている。
2.5mm
ミニミニ(ミニミニプラグ)などと呼ばれているサイズの端子。ポータブル機器(DAPのバランス接続やカード型ラジオ)、データレコーダICレコーダーのコントロール端子に使用されている[4]

構造と接続[編集]

フォーンプラグ
(TRSコネクタプラグ)の構造
1. スリーブ、2. リング、3. チップ、4. 絶縁リング
TRSコネクタのジャック

2極 (TS)[編集]

モノラル用。

3極 (TRS)[編集]

ステレオ(2ch)用の他、モノラル(1ch)の平衡接続にも使われる。次の図はそういった場合の対応表である。

モノラル モノラル
(平衡接続)
ステレオ
右図の番号
チップ (T) 信号線 正相 (Hot) 左チャンネル 3
リング (R) N/A 逆相 (Cold) 右チャンネル 2
スリーブ (S) 接地 接地 接地 1

インサーションケーブル[編集]

特殊な利用法としてはミキシング・コンソールエフェクターなど外部機器に接続する場合、チップを送出側 (tip send)、リングを帰還側 (ring return) として1つの端子で入出力を兼ねるインサーションケーブルがある。

4極 (TRRS)[編集]

iPodのヘッドフォンプラグ(ステレオミニφ3.5)とiPhone用マイク付きヘッドフォンプラグ

3極のTRSコネクターのスリーブ端子をさらに分割して4極とし、機能を割り当てているものが存在する。

近年[いつ?]は、パソコンやスマートフォンなどで、マイク端子を追加した4極タイプを利用できる物が増えている。パソコンで4極対応型の場合、アイコンとしてヘッドセット型のアイコンが差し込み口についていることがある。スリーブ端子とマイク端子の順番には、Cellular Telephone Industry Association (CTIA) と Open Mobile Terminal Platform (OMTP) の2種類があり、互換性がない。近年[いつ?]はCTIAが中心である。なお、ソニーのスマートフォンには2011年頃まではOMTPが使われていた。 互換性の問題を解決する試みとして、イヤホンマイク自体に切り替えスイッチを付けた商品も存在する[5]

2014年Astell&Kernのデジタルオーディオプレーヤー AK240でバランス駆動端子として2.5mm 4極が採用された。以降、他社製品でもハイエンド製品等で採用され、対応するイヤホンリケーブル製品も流通している。先端(チップ)からR-、R+、L+、L- となる。

その他[編集]

ソニーのノイズキャンセル機能付きウォークマンではヘッドフォンコネクタが5極で、追加した2極はノイズキャンセル機能に割り当てられている。デジタルカメラ用に4極ミニプラグ[6]MDプレーヤー用に6極スプリットステレオミニプラグ[7]もある。

ポータブルDVDプレーヤーなどではコンポジットビデオに割り当てているものもある。形状は同じだが、信号に互換性がない規格が乱立している。例えばAVミニプラグは一般的にはソニー方式のものが使われているが、ツインバード社製DVDプレーヤーでは違うものが使われており、ソニー規格のケーブルで出力すると出力先のRCAプラグの色と信号が合わなくなる[8]

脚注[編集]

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  1. ^ 通称では「ヘッドフォン端子」や「イヤホン端子」などと呼ばれることもある。
  2. ^ 2極のものを、それぞれの極の形状 Tip と Sleeve から「TS」、3極ではそれに Ring を加えて「TRS」などとも言う。
  3. ^ ヘッドホンのバランス端子がついに統一? JEITAが規格化「5極φ4.4mmプラグ」の詳細を聞く(2016年4月25日付 PHILE WEB
  4. ^ 【第124回】超複雑な最近のヘッドホン&イヤホン端子をわかりやすくまとめてみた(2015年5月1日付 PHILE WEB
  5. ^ スマホ用のイヤホンマイクが機種によって使えたり使えなかったり・・・ 2014年6月19日 ラジオショックブログ
  6. ^ 4極ミニプラグのピンアサイン”. 2014年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月7日閲覧。
  7. ^ MDネットワークコード RP-CAM9G15
  8. ^ 変換ケーブル|フジパーツ商会

外部リンク[編集]