Thunderbolt
Thunderbolt(サンダーボルト)は、インテルがアップルと共同開発した[1]高速汎用データ伝送技術である。元になった技術はLight Peak(ライト ピーク)。コンピュータに周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つで、技術的にはPCI ExpressとDisplayPortを基盤としている。
概要[編集]
ホスト機器にさまざまな周辺機器を接続するためのバス規格である。同時期に登場した高速汎用外部バス規格であるUSB 3.0の競合と認識されることがあるが、USBよりも多機能・高性能であり、ハイエンド向けの仕様となっている。Thunderbolt 3は、USB-Cコネクタを利用し、最大40Gbpsを実現する。
開発経緯[編集]
- Thunderboltは開発当初、Light Peakと言う名前で呼ばれていた。このLight Peakは、単にデータの伝送路として設計されていたため、USBやイーサネット、DisplayPort、IEEE 1394、ファイバーチャネルなどの、どのようなプロトコルであってもLight Peak上でデータのやり取りを行うことが可能な、マルチプロトコル仕様であった。
- しかし、Light PeakからThunderboltという名前に改名されて正式に規格策定されたとき、利用できるプロトコルはPCI Express 2.0とDisplayPort 1.1aだけとなった。
- 前身規格のLight Peakという名前のとおり、開発当初は光ファイバーを使ったデータ伝送をする予定であったが、電線を用いた規格が先に策定され市場に出荷された[脚注 1]。なお、電線使用時では数メートルのケーブル長を、光ファイバー使用時では数十メートルまで延ばせるとしている。
- ケーブル
- ケーブル(電線)については、USB3.0より強力な給電能力[脚注 2]を持っていて優位な最大10Wの電力の供給が可能であった。また、接続方式は、SCSIやIEEE 1394のようなデイジーチェーン方式に対応しており、ホスト側1ポートにつき最大で周辺機器を6台まで接続可能である。コネクタの形状は当初Thunderbolt Ver.2まではMini DisplayPortと外見上同じものが用いられていたが、Ver.3からはUSB Type-Cのコネクターを用いる事になる。今度はType-C USBケーブルと外見上は同じものになった。しかしThunderbolt用は高速で伝送するために信号補正用のチップを組み込んでいる。このため比較的高価で発熱もある。USB Type-CからはUSBが新たに電力規格を大幅に増強したので最大100Wの同等になった。またDisplyaPort自体もこのType-Cケーブルを用いて通すことになり(現状DisplyaPort 1.2まで)USBと映像出力とThunderboltが3つとも出力されるポートまで存在する。
- 転送速度
- データ転送速度は、上り線と下り線が共に10Gbps[脚注 3]の全二重通信であり、双方向で考えた場合2レーンで20Gbpsまでをサポートする。このため、同時に読み書きしながら使用しても、ストレスを感じない仕様となっている。
ThunderboltとUSBの関係[編集]
| 規格名 | 仕様発行日 | 通信プロトコル | 符号化方式 | レーン数 | 最大転送速度 | 給電能力 | 最大ケーブル長 | 材質 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Thunderbolt | 2011年2月 | PCI Express 2.0 DisplayPort 1.1a |
64b/66b | 全二重 2レーン |
10Gbps ×2(双方向) ×2レーン |
10W(電線の場合) | 3m(電線) | 光ファイバー 電導体 |
| Thunderbolt 2 | 2013年6月 | PCI Express 2.0 DisplayPort 1.2 |
64b/66b | 全二重 1レーン |
20Gbps ×2(双方向) ×1レーン |
10W(電線の場合) | 3m(電線) 60m(光ファイバー) |
光ファイバー 電導体 |
| Thunderbolt 3 | 2015年6月 | PCI Express 3.0 DisplayPort 1.2 USB 3.1 |
64b/66b | 全二重 1レーン |
40Gbps ×2(双方向) ×1レーン |
15W(電線の場合) 10W (5V, 2A)〜 100W (20V, 5A) |
2m(電線) 60m(光ファイバー) |
光ファイバー 電導体 |
| USB 3.0 | 2008年11月 | Universal Serial Bus | 8b/10b | 全二重 1レーン |
5Gbps ×2(双方向) ×1レーン |
4.5W (5V, 900mA) |
3m(電線) | 電導体 |
| USB 3.1 | 2013年8月 | Universal Serial Bus | 128b/132b | 全二重 1レーン |
10Gbps ×2(双方向) ×1レーン |
10W (5V, 2A)〜 100W (20V, 5A) |
2m(電線) | 電導体 |
Thunderboltが初めて採用されたのは2011年2月に発表・発売されたアップルのMacbook Pro (Early 2011)[2] で、その後同社のiMac、Mac miniなどにも順次搭載された。
インテルは2013年末に2つのチャンネルを集約し転送速度20Gbpsを実現するThunderbolt 2を発表しており[3][4]、2015年6月にUSB-Cコネクタを利用し、転送速度40Gbpsを実現するThunderbolt 3を発表した[5][6]。
アップルはThunderbolt 2を搭載したMacBook Proを2013年10月22日より発売し[7]、Mac Proを2013年12月19日より発売した。また、Thunderbolt 3を搭載したMacBook Proを2016年10月28日より販売している。[8]。 Thunderbolt 2対応の、30mまでの光ファイバーケーブルは住友電気工業が発売しており[9][10]、60mまでのものはCORNINGによって発売されている[11][12]。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ Thunderbolt™ Technology: The Fastest Data Connection to Your PC Just Arrived Intel
- ^ 【PC Watch】 アップル、Sandy BridgeベースになったMacBook Pro ~周辺機器とディスプレイの接続に使えるThunderbolt技術採用
- ^ , AnandTech.com "Intel Confirms Falcon Ridge production in 2013, Ramp in 2014"
- ^ Video Creation Bolts Ahead – Intel’s Thunderbolt™ 2 Doubles Bandwidth, Enabling 4K Video Transfer & Display
- ^ Thunderbolt™ Technology: More Speed, Pixels, and Possibilities
- ^ Thunderbolt 3 embraces USB Type-C connector, doubles bandwidth to 40Gbps
- ^ Apple、Thunderbolt2搭載のMacBook ProとMac Pro
- ^ 指先に、さらなる才能を。MacBook Pro
- ^ 住友電気工業株式会社 THUNDERBOLTケーブル
- ^ 住友電工 Thunderbolt光ケーブル
- ^ Thunderbolt™ Optical Cables
- ^ Corning Thunderbolt Opticalケーブル
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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