Thunderbolt

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

Thunderbolt(サンダーボルト)は、インテルアップルと共同開発した[1]高速汎用データ伝送技術である。Light Peak(ライト ピーク)を基にして開発されたコンピュータ周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つで、技術的にPCI ExpressDisplayPortを基盤としている。

概要[編集]

USBとThunderboltの速度比較

FireWireの後継として開発されたインターフェースで、ホスト機器にさまざまな周辺機器を接続するためのバス規格である。同時期に登場した高速汎用外部バス規格USB 3.0の競合と誤認されることがあるが、USBより多機能かつ高性能で、FireWire同様にデイジーチェーンをサポートするなどハイエンド仕様である。

規格[編集]

Thunderbolt

2011年2月に発表・発売されたアップルのMacbook Pro (Early 2011)[2] が初めて採用し、のちにiMacMac miniなどにも順次搭載された。Mini DisplayPortと同形状のコネクタを採用して下位互換性を確保する。

Thunderbolt 2

2013年末にインテルは、2つのチャンネルを集約して転送速度20Gbpsを実現するThunderbolt 2を発表[3][4]した。アップルはThunderbolt 2を搭載したMacBook Pro2013年10月22日に発売し[5]Mac Proを2013年12月19日に発売した。Thunderboltと同形状のコネクタを採用して下位互換性を確保する。対応する光ファイバーケーブルは、住友電気工業が30メートル (m) [6][7]コーニングが60m、までをそれぞれ販売している[8][9]

Thunderbolt 3

2015年6月にUSB Type-Cコネクタを利用し、転送速度40Gbpsを実現するThunderbolt 3を発表した[10][11]。アップルはThunderbolt 3を搭載したMacBook Proを2016年10月28日に発売した[12]。ThunderboltおよびThunderbolt 2と下位互換性を確保する。

開発経緯[編集]

開発当初にLight Peakと呼称されたデータ伝送路は、USBイーサネットDisplayPortIEEE 1394ファイバーチャネルなど様々なプロトコルでデータ通信を可能とするマルチプロトコル仕様として設計された。

Thunderboltに改称され、正式規格として策定時にプロトコルはPCI Express 2.0とDisplayPort 1.1aだけとなった。

Light Peak開発当初は光ファイバーの使用を予定したが、電線を用いた規格が先に策定されて上市された。2013年初頭に光ファイバーを用いたケーブルも出荷された。電線で数メートル、光ファイバーで数10メートルまで通信可能としている。

ケーブル
ケーブルはUSB3.0より強力な給電能力を有し、当初から最大10Wのが供給可能であった。接続はSCSIIEEE 1394のようなデイジーチェーン方式に対応しており、ホスト側1ポートにつき最大で周辺機器を6台まで接続可能である。コネクタ形状はThunderbolt Ver.2まではMini DisplayPortと同一であった。
Ver.3からUSB Type-Cのコネクターを用いてUSB Type-Cケーブルと同一形態となる。Thunderboltは高速伝送用に信号補正用チップを組み込んでいる。USB PDが制定されて電力規格を大幅に増強し、給電能力を最大100Wとした。DisplayPortも1.2までType-Cケーブルを用いることから、現状USB、映像出力、Thunderboltと3出力に対応するポートもある。
転送速度
データ転送速度は、上り線と下り線が共に10Gbpsの全二重通信である。信号レベルの転送速度は10.3125Gbpsで、64b/66bで符号化されて実データ転送速度は10Gbpsである。双方向の場合2レーンで20Gbpsまでサポートする。

ThunderboltとUSBの比較[編集]

ThunderboltとUSBの比較
規格名 Thunderbolt Thunderbolt 2 Thunderbolt 3 USB 3.0 USB 3.1
仕様発行日 2011年2月 2013年6月 2015年6月 2008年11月 2013年8月
通信プロトコル PCI Express 2.0
DisplayPort 1.1a
PCI Express 2.0
DisplayPort 1.2
PCI Express 3.0
DisplayPort 1.2(1.4:Titan Ridge)
USB 3.1 Gen 2
Universal Serial Bus(一部のみUSB-C) Universal Serial Bus
符号化方式 64b/66b 64b/66b 64b/66b 8b/10b 8b/10b(Gen1モード) 128b/132b(Gen 2モード)
レーン数 全二重 2レーン 全二重 1レーン 全二重 1レーン 全二重 1レーン 全二重 1レーン
最大転送速度 10Gbps ×2(双方向) *2レーン 20Gbps ×2(双方向) ×1レーン 40/20Gbps(Thunderbolt 3) 10Gbps(USB-C) ×2(双方向) ×1レーン 5Gbps ×2(双方向) ×1レーン 5Gbps(Gen 1モード) 10Gbps(Gen 2モード) ×2(双方向) ×1レーン
給電能力 10W(電線の場合) 10W(電線の場合) 15W(電線の場合)
10W (5V, 2A)〜
100W (20V, 5A:USB-PD時)
4.5W
(5V, 900mA)
10W (5V, 2A)〜
100W (20V, 5A:USB-PD時)
最大ケーブル長 3m(電線) 3m(電線)
60m(光ファイバー)
2m(電線)
60m(光ファイバー)
3m(電線) 1m(電線)
ケーブル材質 光ファイバー
電導体
光ファイバー
電導体
光ファイバー
電導体
電導体 電導体

脚注[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]