ピアノソナタ第15番 (シューベルト)

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ピアノソナタ第15番 ハ長調 D 840フランツ・シューベルトが作曲した未完のピアノソナタ

概要[編集]

レリークReliquie)」の通称で呼ばれ、未完成ソナタ作品ながら重要作とされている。1825年4月に作曲されたがシューベルトの生前には出版されず、死後から11年が経った1839年ロベルト・シューマンにより発見された。

レリーク(Reliquie)は「遺作・文化遺品」の意味だが、出版に当たって、最後の作品だと誤認された結果命名された。実際、出版されたのは死後の1861年で、作曲者の評価も一定していた。だが、出版後にシューマンから自筆譜を贈られたアドルフ・ベットガーは楽譜をバラバラにしてしまい、第2楽章冒頭と第4楽章の全てが現在では行方不明となっている。

エルンスト・クルシェネク1921年)、パウル・バドゥラ=スコダ(ヘンレ版)、マルティーノ・ティリモ(ウィーン原典版…音楽の友社より出版されている)、ジョルジュ・プリュデルマシェールブライアン・ニューボールドウィリアム・ボルコムなどによる補筆版がある。

曲の構成[編集]

全4楽章。完成されているのは第1楽章と第2楽章のみだが、それでも演奏時間は30分近くになる。 

  • 第1楽章 モデラート
    ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式
    穏やかながら転調の多い複雑な楽章。主題は序奏なく冒頭から現れる。"E' - G - E - G - A - G"の旋律はハ長調には遠く、特徴的なもの。この動機は、絶筆となった「交響曲 ニ長調 D 936A」第1楽章冒頭など、中期以降の作品に登場する。
    臨時記号も多くハ長調から遠隔調に頻繁に変化を繰り返す。リズムも3連符に近い音形をシンコペーションで左手に表すなど、ソナタ形式の中に収まらない自由な展開部を持っている。
  • 第2楽章 アンダンテ
    ハ短調、8分の6拍子、ロンドに近いソナタ形式。
    ユニゾンが多く、管弦楽的効果のある美しい楽章。第1主題は"G - CEs - D - C"の緩いリズム。第2主題は変イ長調。再現部ではハ長調で登場し、構成的な中に旋律美を際立たせている。
  • 第3楽章 (未完成) メヌエット - トリオ
    変イ長調 - 嬰ト短調、4分の3拍子。
    この楽章以降は未完で、作曲者もなぜか楽譜をぞんざいに扱った形跡がある。校訂・補注をつけたハワード・ファーガソンはその態度を惜しんでいる。
    スケルツォ風の曲。下降音階を主題にした優雅な主題。急に遠隔調のイ長調に転調するなどロマン派の作品になっている。中間部は嬰ト短調。主部はイ長調に転調したまま80小節目の1拍目で未完となっており、作曲者による"etc. etc."(「など、など」)という書き込みが残されている。なお、中間部は完成されている。
  • 第4楽章 (未完成) アレグロ
    ハ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。
    3連符が中心の明るい楽章。ソナタ形式ながら主題部と展開部のごく一部までしか完成されていない(それでも長さは272小節に及ぶ)。第1楽章同様に転調が多い。バドゥラ=スコダ版およびティリモ版では、晩年の他のソナタ同様に長い展開部を補筆した後に主題を省略なしに再現させている。さらに、ティリモ版ではコーダの最後に第1楽章 第1主題を回想させている。

外部リンク[編集]