ヒュンダイ・i20

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ヒュンダイ(→ヒョンデ)・i20
初代 フロント
初代 リア
ボディ
ボディタイプ ハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 直4 1.2L、1.4L、1.4L CRDi
変速機 5MT、4AT
車両寸法
ホイールベース 2,525mm
全長 3,940mm
全幅 1,710mm
全高 1,505mm
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i20とは、韓国現代自動車(ヒョンデ〈ヒュンダイ〉)の欧州Bセグメント級のサブコンパクトカーである。1セグメント下のi10同様、インドチェンナイ工場で生産が行われ、欧州市場などに輸出される。[1]従来のゲッツ/クリック(日本名:TB)に代わる車種であるが、韓国市場ではi20の販売が行われないため、アクセントがヒョンデ(ヒュンダイ)のエントリーモデルとなる。また、インド市場では従来のゲッツも併売される。

日本市場には2009年内にも導入されると報じられたが[2]、乗用車販売からの撤退[3]によりその可能性は消滅している。そのため日本で市販車を見ることはないが、2代目のi20クーペNについては世界ラリー選手権でヒュンダイ・モータースポーツGmbHが開発するWRカーグループRally2車両のベースとなっており、それがミニ四駆化される[4]などその存在がよく知られている。

歴史[編集]

初代(PB型、2008年-2014年)[編集]

ボディタイプは3ドアおよび5ドアハッチバックの2種類。2008年10月パリモーターショーにて5ドアが、翌2009年3月ジュネーヴモーターショーで3ドアがそれぞれ世界初公開された。インドでは2008年12月29日に販売が開始された。[1]

キア・ソウルとプラットフォームを共有する。エンジンは1.2L 57kW/77PS、1.4L 74kW/99PS、1.4Lディーゼル(55kW/74PSと66kW/89PS)の4種類で、トランスミッションは5MTと4ATが用意される。

ユーロNCAPでは5つ星を獲得している。[5]

2012年にフェイスリフトが行われ、 現代自動車の新しいファミリーフェイスである「ヘキサゴナルグリル」や横型ヘッドランプが採用された。 パワートレイン面では1.6Lガソリンエンジンがラインアップから消え、1.1Lディーゼルエンジンが追加された。 欧州市場の売れ行きはそれなりに好調だった。

2013年1月、現代自動車は2014年からWRCに11年ぶりに復帰することを発表し、i20の3ドアをベースに約300PSを発揮する1.6Lターボエンジンを搭載したWRカーを投入するとした。迎えた復帰戦の2014年シーズン開幕戦ラリー・モンテカルロでは、参戦した2台の両方がリタイアするという結果に終わったものの、9月のラリー・ドイチュラントでは見事初優勝を果たした。

2代目 (GB/IB型、2014年-2020年)[編集]

2代目ヒュンダイ i20 2017年仕様

2014年にフルモデルチェンジを経て、第2世代へと進化した。 ヘキサゴナルグリルは初代に比べシンプルになり、より洗練されたデザインとなった。 当初は5ドアハッチバックのみのラインナップであったが、その後、3ドア仕様の「クーペ」、クロスオーバー仕様の「アクティブ」も登場している。2016年にはこの車をベースにラリー仕様の「i20 WRC」が登場した。2018年には5ドアおよびアクティブのフェイスリフトモデルが公開された。

インド市場向けモデルは開発名「IB」として開発され、「エリートi20」という名前で発売された。 欧州市場向けモデルに比べ多くの部分でコスト削減を行った。


3代目 (BC3型、2020年-)[編集]

ヒュンダイ・i20 (3代目)
標準モデル
i20 N
概要
販売期間 2020年 -
ボディ
乗車定員 5名[6]
ボディタイプ 5ドアハッチバック[6]
5ドアクーペ[6]
5ドアSUV (アクティブ)[6]
エンジン位置 フロント[6]
駆動方式 前輪駆動[6]
パワートレイン
エンジン 1,368cc 直列4気筒[6]
最高出力 74 kW (101 PS) / 6,000 rpm[6]
最大トルク 134 N・m / 3,500 rpm[6]
変速機 4速AT[6]
車両寸法
ホイールベース 2,570 mm[6]
全長 4,035 mm[6]
全幅 1,734 mm[6]
全高 1,474 mm[6]
車両重量 1,079 kg[6]
その他
関連車種 ヒョンデ・i20 N ラリー1
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2020年2月に公開された。7代目エラントラなどと共通する、現代自動車の新たなデザイン哲学「Sensuous Sportiness」に基づいたエクステリアデザインが採用されている。 5ドアハッチバックが先に公開され、アクティブの発売も予定されている。 3ドアモデルは需要低迷により発売されない。 ダッシュボード中央には、10.25インチLCD計器板と10.25インチタッチスクリーンをオプションで装着可能である。 通常モデルのガソリンエンジン仕様(1.0Lターボ、1.2L)には48Vマイルドハイブリッドが組み合わせられる。1.5Lディーゼルエンジン仕様や、スポーティなデザインを備えた「N LINE」もラインナップされている。 2021年には1.6Lターボエンジンを搭載する高性能仕様の「i20N」が発売される予定である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 現代自動車インド法人、新型「i20」を発表”. 中央日報. 2009年7月5日閲覧。
  2. ^ 欧州の人気小型車 現代自動車、日本に投入”. フジサンケイ ビジネスアイ (2009年7月8日). 2009年7月8日閲覧。
  3. ^ 日本の乗用車販売から撤退=販売不振で-韓国・現代自”. 時事通信社 (2009年11月27日). 2009年11月28日閲覧。
  4. ^ ヒョンデ車のミニ四駆化としてはこの前にアヴァンテスポーツがあったが、日本国内での一般流通ルートで販売されたのはi20 Coupe WRCが初である。
  5. ^ Euro NCAP - For safer cars | Hyundai i20”. 2009年7月5日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、169頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 

外部リンク[編集]