デヘラードゥーン

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デヘラードゥーン
देहरादून
Dehradun
Front View of F.R.I., Dehradun.jpg
位置
デヘラードゥーンの位置(ウッタラーカンド州内)
デヘラードゥーン
デヘラードゥーン
デヘラードゥーン (ウッタラーカンド州)
デヘラードゥーンの位置(インド内)
デヘラードゥーン
デヘラードゥーン
デヘラードゥーン (インド)
座標 : 北緯39度19分5秒 東経78度1分44秒 / 北緯39.31806度 東経78.02889度 / 39.31806; 78.02889
行政
インドの旗 インド
  ウッタラーカンド州
  デヘラードゥーン県英語版
 市 デヘラードゥーン
地理
面積  
  市域 300 km2
標高 447 m
人口
人口 (2011年現在)
  市域 578,420 [1]
  都市圏 714,223 [2]
その他
等時帯 IST (UTC+5:30)
Pincode 248001
市外局番 91-135
ナンバープレート UK-07

デヘラードゥーンヒンディー語: Dehradun.ogg देहरादून[ヘルプ/ファイル]英語: Dehradun)は、インドウッタラーカンド州(旧ウッタラーンチャル州)の冬の州都である。2011年現在の人口は約58万人。

2000年にウッタラーカンド州が成立したとき、デヘラードゥーンが暫定州都とされた。その後2020年6月に、デヘラードゥーンを冬の州都、ゲールセーン英語版を夏の州都とすることが正式に定められた[3][4]

日本語では「デーラドゥン」や「デラドゥン」と表記される事も多い。

歴史[編集]

デヘラードゥーンはシク教第7代グルであるグル・ハル・ラーイ英語版の子のラーム・ラーイ (Baba Ram Raiによって1676年に設立された宿営地が元になっている。当時この地はガルワール王国に属していたが、ガルワール王はラーム・ラーイにドゥーン渓谷の一部の土地を寄贈した。ドゥーンに作られた宿営地(डेरा ḍerā)であるため、宿営地のまわりに発達した町はデーラー・ドゥーンと呼ばれた[5]。デヘラードゥーンにはラーム・ラーイに捧げられた寺院(グルドワーラー)がある[6]ホーリーの5日後に毎年ジャンダー・メーラ(旗祭り)というシク教の大きな祭りがある[7]

18世紀にはローヒラー族に支配され、このときに町は大きく発展した[7]。その後支配者は何度も交替した。19世紀にゴルカ王国に支配された後、スガウリ条約によってデヘラードゥーンを含むガルワール東部はイギリスの支配下にはいった[7]。イギリス統治下で1900年にハリドワールとの間に鉄道が開通し、一帯はリゾート地として発達した[7]

第二次世界大戦中、イギリスはデヘラードゥーン郊外に2つの収容所を建設し、イタリア人ドイツ人を収容した。この施設に収容された有名な人物に『セブン・イヤーズ・イン・チベット』原作の作者であるハインリヒ・ハラーがある[8]

心臓発作を起こしたネルー首相は療養のために1964年5月にデヘラードゥーンを訪れた。ネルーは5月26日にデリーに戻ったが、その翌日に死亡した[9]

2000年にウッタラーカンド州が成立したときデヘラードゥーンは暫定州都とされたが、ゲールセーンを州都とすべきであるという意見も強く、暫定でない州都はなかなか決まらなかった。2008年に調査委員会が設けられて5つの候補地が検討され、デヘラードゥーンがもっとも適当であり、地震の危険が大きいゲールセーンは州都に向かないという結論が出された[10]。2020年にデヘラードゥーンが冬の州都、ゲールセーンが夏の州都と決められた。夏と冬で州都が2つあるのはインドでジャンムー・カシミール州に続いて2つめである[11]

観光[編集]

ムースリーなどの避暑地、著名な寺院などがある。

デヘラードゥーンにはチベット仏教寺院である亡命ミンドルリン寺、およびダライ・ラマ14世に捧げられた高さ103フィート(31メートル)の仏像がある[12]

気候[編集]

ケッペンの気候区分では温帯であり、冬季、暑季(夏季)、雨季の3つに分かれる。冬季は最低気温も10℃を下回る日が多く、適度な降水のある冷涼な気候である。市街地で雪が観測されることはほとんどない。夏季は5月前後であり、インドの他都市同様に雨季に入る前に一年で一番暑くなり乾燥し、35℃越えの日も多い。6月中ごろから9月までは本格的な雨季で、特に雨季の中盤の7・8月はインド国内でも有数の降水量を観測するほどの莫大な雨が降る。極端な高温は雨季の期間中は珍しく、高温多湿な期間である。インド国内の他都市と比べて乾季と呼べるほどの乾燥した月は短い。

デヘラードゥーンの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 24.6
(76.3)
31.2
(88.2)
37.2
(99)
40.8
(105.4)
42.8
(109)
44.6
(112.3)
40.6
(105.1)
37.2
(99)
36.6
(97.9)
36.1
(97)
30.6
(87.1)
27.4
(81.3)
44.6
(112.3)
平均最高気温 °C°F 19.3
(66.7)
21.5
(70.7)
26.4
(79.5)
32.1
(89.8)
35.6
(96.1)
34.8
(94.6)
30.5
(86.9)
29.4
(84.9)
29.7
(85.5)
28.5
(83.3)
25.0
(77)
21.1
(70)
27.8
(82)
平均最低気温 °C°F 6.0
(42.8)
7.8
(46)
12.0
(53.6)
16.7
(62.1)
20.7
(69.3)
23.0
(73.4)
22.8
(73)
22.4
(72.3)
20.8
(69.4)
15.7
(60.3)
10.4
(50.7)
6.8
(44.2)
15.4
(59.7)
最低気温記録 °C°F −1.1
(30)
−1.1
(30)
2.2
(36)
7.2
(45)
11.3
(52.3)
13.1
(55.6)
13.2
(55.8)
18.0
(64.4)
14.3
(57.7)
8.4
(47.1)
2.8
(37)
0.0
(32)
−1.1
(30)
降水量 mm (inch) 55.0
(2.165)
58.8
(2.315)
49.0
(1.929)
22.5
(0.886)
41.7
(1.642)
201.8
(7.945)
672.6
(26.48)
728.2
(28.669)
296.5
(11.673)
49.8
(1.961)
8.6
(0.339)
24.4
(0.961)
2,208.9
(86.965)
湿度 72 66 57 46 48 66 85 86 81 69 68 71 67.9
出典1:IMD[13][14]
出典2:MyWeather.com[15]

交通[編集]

航空[編集]

  • ジョリー・グラント空港(Jolly Grant Airport):市街から南東に22kmの位置にある空港IATAコードはDED。デヘラードゥーン空港とも呼ばれる。

スポーツ[編集]

2011年南アジア冬季競技大会が開催された。開会式、アイススケートアイスホッケーがデヘラードゥーンにて行なわれ、スキー競技は近郊のアウリにて開催された。

ゆかりの人物[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Provisional Population Totals, Census of India 2011 - Cities having population 1 lakh and above (PDF)” (英語). インド内務省. 2013年8月15日閲覧。
  2. ^ Provisional Population Totals, Census of India 2011 - Urban Agglomerations/Cities having population 1 lakh and above (PDF)” (英語). インド内務省. 2013年8月15日閲覧。
  3. ^ After Uttarakhand Gets New Summer Capital Gairsain, Former Chief Minister's Jibe At BJP, NDTV, (2020-06-09), https://www.ndtv.com/india-news/after-uttarakhand-gets-new-summer-capital-gairsain-former-chief-ministers-jibe-at-bjp-2243557 
  4. ^ 『月間インドニュース(2020年6月)』 日印協会、2020年7月17日https://www.japan-india.com/news/06e4765a995ed8bc5836b10a8a06936a76fff835 
  5. ^ Jaskiran Chopra (2015-03-12), Doon Valley traces its roots to Ram Rai's 'dera', The Pioneer, https://www.dailypioneer.com/2015/state-editions/doon-valley-traces-its-roots-to-ram-rais-dera.html 
  6. ^ No. 12. Temple of Gaaraa Nanule [sic for Guru Ram Rai], Dhera [Dun], The British Library, (1858), http://www.bl.uk/onlinegallery/onlineex/apac/photocoll/n/019pho000000032u00009000.html 
  7. ^ a b c d History, Discover Dehradun, https://www.discoverdehradun.com/about/history 
  8. ^ Roshen Dalal (2019-12-02), Dehradun in World War II, The Pioneer, https://www.dailypioneer.com/2019/state-editions/dehradun-in-world-war-ii.html 
  9. ^ Raj Kanwar (2013-05-27), Dehradun’s last tryst with Nehru, The Hindu, https://www.thehindu.com/opinion/op-ed/dehraduns-last-tryst-with-nehru/article4753527.ece 
  10. ^ Recommendation for Locating Permanent Capital of State of Uttarakhand, (2008), https://uk.gov.in/files/rajdhani_chayan_ayog/recommendation.pdf 
  11. ^ Sangeeta Nair (2020-06-08), Garisain declared as Uttarakhand’s summer capital, Jagran Josh, https://www.jagranjosh.com/current-affairs/bhararisen-garisain-declared-as-summer-capital-of-uttarakhand-1591610225-1 
  12. ^ Buddha Temple in Dehradun, eUttaranchal, https://www.euttaranchal.com/tourism/buddha-temple.php 
  13. ^ Dehradun Climatological Table 1901–2000”. Indian Meteorological Department. 2015年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月24日閲覧。
  14. ^ Extremes of India”. Indian Meteorological Department. 2013年5月21日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2015年1月24日閲覧。
  15. ^ Climate profile for Dehradun”. MyWeather.com. 2015年1月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]