クロウスゴ
クロウスゴ | |||||||||||||||||||||||||||
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福島県東吾妻山 2010年7月
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Vaccinium ovalifolium Sm. | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
クロウスゴ(黒臼子) |
クロウスゴ(黒臼子、学名:Vaccinium ovalifolium)はツツジ科スノキ属の落葉低木。
特徴[編集]
樹高は0.5-2mになる。若い枝には著しい稜があり、基本的には緑色であるが、しばしば赤みを帯び、毛は無い。葉は長さ0.5-1mmの葉柄をもって互生する。葉身は広楕円形または広卵形で、長さ1.8-4.5cm、幅1-3cmになり、先端に短い突起がある。葉の両面は無毛。葉の下部の縁に1-4個の小さな鋸歯がある場合があるが、多くは鋸歯が無い。
花期は7月。新枝の葉腋に長さ4-7mmの花柄をもつ1個の花をつける。萼筒は長さ1.5mmの広鐘形で先端は輪状に広く開き、縁が波打つ程度で裂片は不明瞭。花冠は長さ5mmあり、つぼ形で先端は浅く5裂し、先は反曲する。花冠の色は、緑白色になり多くは赤褐色を帯びる。雄蕊は10本ある。果実は径8-10mmの球状の液果で、黒紫色に熟し食用になる。果実の先端は5角形にへこむ。
分布と生育環境[編集]
日本では、北海道、本州の中部地方以北に分布し、亜高山帯の林縁や高山帯の低木林に生育する。世界では、千島、カムチャツカ、北アメリカ北部に分布する。
変種[編集]
- ミヤマエゾクロウスゴ Vaccinium ovalifolium Sm. var. alpinum (Tatew.) T.Yamaz. - 樹高は10-20cmと低く、葉の下部の縁に3-5個の微小な鋸歯がある。北海道の高山の雪田わきに生育する。
- オククロウスゴ Vaccinium ovalifolium Sm. var. sachalinense T.Yamaz. - 葉がやや厚くて細く、葉の中部以下の縁に鋸歯がある。北海道利尻島、樺太に分布する。
近縁種[編集]
マルバウスゴ Vaccinium shikokianum Nakai.(シノニム:Vaccinium ovalifolium Sm. var. shikokianum (Nakai) H.Hara )は、クロウスゴの変種とされることもあるが、ミヤマエゾクロウスゴに近く、それから分化し、日本の本州で形成された若い独立種として扱われている。花の形や色、果実は、クロウスゴによく似ているが、マルバウスゴは、葉の縁全体に先端が毛状になる細鋸歯がある。山形県から富山県にかけた日本海側の高山に分布する。
ギャラリー[編集]
参考文献[編集]
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅱ』(1989)平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)