キノボリトカゲ

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キノボリトカゲ
サキシマキノボリトカゲ
サキシマキノボリトカゲ
Japalura polygonata ishigakiensis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: アガマ科 Agamidae
: キノボリトカゲ属 Japalura
: キノボリトカゲ J. polygonata
学名
Japalura polygonata (Hallowell, 1861)[1][2]
和名
キノボリトカゲ[1]
英名
Okinawa tree lizard[2]
Ryukyu japalure[2]

キノボリトカゲJapalura polygonata)は、爬虫綱有鱗目アガマ科キノボリトカゲ属に分類されるトカゲ。別名リュウキュウキノボリトカゲ[3]

分布[編集]

アガマ科では唯一日本に自然分布する[4]

形態[編集]

少なくとも基亜種は体色を鮮やかな緑から褐色まで変化させることができる[4]。 

分類[編集]

以下の日本産亜種の分類は日本爬虫両棲類学会(2017)に、亜種キグチキノボリトカゲの記載年はUetz et al.(2017)に従う[1]

Japalura polygonata polygonata (Hallowell, 1861) オキナワキノボリトカゲ Okinawan tree lizard[5]
日本(奄美大島喜界島などの奄美群島阿嘉島沖縄島久米島座間味島津堅島などの沖縄諸島)固有亜種[5]与論島では絶滅したと考えられている[5]指宿市日南市屋久島に定着[5]
全長オス最大31センチメートル、メス24センチメートル[5]。頭胴長はオス最大9.3センチメートル、メス7.7センチメートル[5]。オスの体色は緑色で、体側面に黄色や淡黄色の帯模様が入る[5]。メスの体色は緑色や淡褐色で、背面に3 - 5本の黒褐色の帯模様が入る[5]
Japalura polygonata donan Ota, 2003 ヨナグニキノボリトカゲ Yonaguni tree lizard[6][7] 
日本(与那国島固有亜種。タイプ産地は宇良部岳[6]
全長19.8 - 23.2センチメートル[7]。頭胴長オス5.77 - 7.1センチメートル、メス5.55 - 7.05センチメートル[6][7]。胴体側面に大型鱗が不規則に並ぶ[7]。胴体背面に4 - 5個の不規則な暗色斑が入る[7]。オスの体色は淡灰色で、体側面に不規則な白色斑が入る[7]。メスの体色は鮮緑色[7]
亜種小名donanは与那国島での古い方言名に由来する[6]
Japalura polygonata ishigakiensis Van Denburgh, 1912 サキシマキノボリトカゲ Sakishima tree lizard[8]
日本(石垣島伊良部島西表島小浜島宮古島など)固有亜種[8]
全長18.8 - 25.8センチメートル[8]。頭胴長オス5 - 6.3センチメートル[8]。胴体の鱗は均一で規則的に並ぶ[8]。体色は褐色で、緑色を帯びる個体もいる。オスは体側面に白い帯模様が入る[8]。メスは背面に3 - 5本の暗色の帯模様が入る[8]
Japalura polygonata xanthostoma Ota, 1991 キグチキノボリトカゲ[7]
台湾北部[7]

生態[編集]

民家近くで見かけることもある[9]。樹上棲[4]。日陰を好む[9]。危険を感じると螺旋状に木の裏側へ回り込むようにして逃げる[9]

主にアリを食べるが、樹液に寄ってきたチョウ・ガといった鱗翅目・アブ類などの双翅目、鱗翅目の幼虫、地表にいる甲虫目、セミ類、クモ、ヤモリの幼体なども食べる[5][7]。捕食者はサキシママダラが挙げられる[6]

繁殖様式は卵生。基亜種は4 - 8月に、1回に1 - 4個の卵を産む[10]

人間との関係[編集]

J. p. polygonata オキナワキノボリトカゲ
1988年以前から日南市・指宿市、2013年には屋久島で定着しており生態系への影響が懸念されている[11]
森林伐採・土地造成による生息地の破壊、人為的に移入されたイタチやフイリマングースによる捕食、ペット用の採集などにより生息数は減少している[5]。1990年代まではペット用の乱獲が大きな脅威とされていたが、以前に比べると減少した[5]
絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[5]
Status jenv VU.svg
J. p. donan ヨナグニキノボリトカゲ
分布が限定的であることに加えて森林伐採による生息地の破壊、人為的に移入されたインドクジャクによる捕食、ペット用の採集などにより生息数は減少している[7]
絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[7]
Status jenv VU.svg
J. p. ishigakiensis サキシマキノボリトカゲ
森林伐採による生息地の破壊、人為的に移入されたイタチやインドクジャクなどによる影響により生息数は減少している[8]
準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト[8]
Status jenv NT.svg

ペットとして飼育されることがあり、生息地のみならず日本国内でも流通している。1990年ごろから爬虫類の飼育が流行したときに一時期かなりの数の個体がペットショップで販売されていたが、上記の通り生息数の減少に伴い流通量は減少している[要検証]テラリウムで飼育される。樹上棲のため高さがあり、蒸れを防ぐために通気性の確保されたケージで飼育するのが望ましい[3]。枝や観葉植物等を組んで活動場所や隠れ家にする[3]。冬季は暖房のある室内にケージを設置する・ケージのある側面や底面にシート状の遠赤外線ヒーターを張る・光の出ない小型電球などを用いるなどして保温を行う[3]。熱の出る電球を照射する(ホットスポット)と日光浴を行うこともあるが、極度の高温には弱いため扱いには気をつける[3]。あまり強い光は好まないため、照明をつけるなら紫外線照射量を抑えた爬虫類用フルスペクトルライトを1つだけ点灯する[3]。霧吹きで朝晩に湿度を上げる[3]。水容器に水を張って与えても気付かないこともあるため、水容器に水滴を常に落とす・エアーポンプで水面を動かすことにより水容器に気付かせる[3]。餌はコオロギなどを与える[3]

出典[編集]

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  1. ^ a b c 日本産爬虫両生類標準和名リスト(2017/7/3版)日本爬虫両棲類学会(2017年11月13日閲覧)
  2. ^ a b c Japalura polygonata. Uetz, P. & Jiri Hošek (eds.), The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 15 Oct 2017
  3. ^ a b c d e f g h i 海老沼剛 「リュウキュウキノボリトカゲ」「樹上棲の強い種(小型種)」『爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ1 アガマ科&イグアナ科』、誠文堂新光社2004年、34・116-117頁。
  4. ^ a b c 松井孝爾 「キノボリトカゲ」「サキシマキノボリトカゲ」『動物大百科 12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社1986年、160頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 太田英利 「オキナワキノボリトカゲ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい2014年、42-43頁。
  6. ^ a b c d e Hidetoshi Ota, "A New Subspecies of the Agamid Lizard, Japalura polygonata(Hallowell, 1861) (Reptilia:Squamata), from Yonagunijima Island of the Yaeyama Group, Ryukyu Archipelago," Current Herpetology, 2003, Pages 61-71.
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 太田英利 「ヨナグニキノボリトカゲ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、44-45頁。
  8. ^ a b c d e f g h i 太田英利 「サキシマキノボリトカゲ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、76頁。
  9. ^ a b c 松本通範 「サキシマキノボリトカゲ」「オキナワキノボリトカゲ」『爬虫類・両生類800図鑑 第3刷』千石正一監修 長坂拓也編、ピーシーズ、2002年、314頁。
  10. ^ 疋田努 「オキナワキノボリトカゲ(キノボリトカゲ)」『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、86頁。
  11. ^ 太田英利・那須哲夫・末吉豊文・星野一三雄・森田哲夫・岩本俊孝 「鹿児島県本土部における国内外来種オキナワキノボリトカゲJapalura polygonata polygonata (Hallowell, 1861) (爬虫綱, アガマ科)の生息状況」『Nature of Kagoshima』Volume 38、鹿児島大学、2012年、1-8頁。

関連項目[編集]