キタマクラ
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キタマクラ | |||||||||||||||||||||
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下関市立しものせき水族館展示個体
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Canthigaster rivulata Temminck & Schlegel, 1850 | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
brown-lined puffer |
キタマクラ(北枕、Canthigaster rivulata)は、フグ科の魚の一種。インド太平洋に分布する。皮膚の粘膜などに強い毒を持つ。
名称
[編集]和名の「キタマクラ」は猛毒を持つ魚であることから、死者を安置する時の北枕に由来するとされる[2][3][4]。八丈島では「イソネズミ」と呼ばれている[5]。
分布と生息地
[編集]インド太平洋に広く分布し、分布域は東アフリカからハワイ近海にかけて、北は南日本、南はオーストラリアまで広がる[6]。日本近海では、福島県以南の太平洋岸、九州西岸、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島で見られる[7][注釈 1]。水深100m未満、特に30m未満の浅場に棲息し、サンゴ礁や岩礁、藻場で見られる[6][2]。
形態
[編集]体長は15 - 20cmに達する。体側面には2本の暗色の縦帯が入り、鰓穴の前部で繋がっている。腹部の帯は薄いか、存在しない。腹部と尾柄には暗色の斑点があり、尾鰭には暗色の縞模様が入る[6]。
生態
[編集]雑食性で、主に海藻、棘皮動物、軟体動物を捕食する[7]。普段は単独で生活している。卵生であり、夏の繁殖期には雄の体に青い婚姻色が現れる[9]。
毒性
[編集]筋肉や卵巣は無毒だが、内臓や肝臓、精巣、特に皮膚を覆う粘液にテトロドトキシンが含まれている[3][10]。
人間との関わり
[編集]釣りにおいては外道として扱われる[2][4]。食用は可能ではあるが、適してはいないという意見や[2][3]、有毒ゆえに食用にはできない[4]という意見もある。飼育は可能だが、皮膚の粘液に毒がある為取り扱いには注意が必要。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Shao, K.; Liu, M.; Jing, L.; Hardy, G.; Leis, J.L.; Matsuura, K. (2014). “Canthigaster rivulata”. IUCN Red List of Threatened Species 2014: e.T193705A2263281. doi:10.2305/IUCN.UK.2014-3.RLTS.T193705A2263281.en 6 February 2024閲覧。.
- ^ a b c d “キタマクラ”. ぼうずコンニャク. 2020年10月7日閲覧。
- ^ a b c 近藤俊 (2020年6月19日). “「食べたら死ぬ」で知られる『キタマクラ』は素手で触ることもダメ?”. TSURINEWS. 2020年10月7日閲覧。
- ^ a b c “キタマクラの特徴”. 本田技研工業. 2020年10月7日閲覧。
- ^ “三重)ネズミの名がつく魚たち集合 志摩マリンランド:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年12月17日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Canthigaster rivulata" in FishBase. February 2024 version.
- ^ a b 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』481頁
- ^ “南方の魚、茨城沿岸に続々 漁師困惑「名前分からない」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年2月28日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ 荒井寛、藤田矢郎「キタマクラの水槽内産卵と卵発生・仔魚」『魚類学雑誌』第35巻、1988年、194-202頁。
- ^ 仲谷正、清水充、山野哲夫「キタマクラ(Canthigaster rivulata)中のテトロドトキシン(TTX),および麻痺性貝毒(PSTs)の含有量と組成について」『食品衛生学雑誌』第57巻、2016年、51-56頁。
参考文献
[編集]- 中坊徹次『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館 ISBN 978-4-09-208311-0