カサブランカ市電

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カサブランカ市電

カサブランカ市電(カサブランカしでん、アラビア語: ترامواي الدار البيضاء‎ - Trāmwāy ad-Dār al-Bayḍā'フランス語: Tramway de Casablanca)は、モロッコカサブランカを走る路面電車である。2012年12月11日、モロッコ国王ムハンマド6世により開業式が行われ、フランス首相ジャン=マルク・エローなどが出席した[1]。開業時の総延長は31キロメートル、48停車場を持つ[2]

営業中の路線[編集]

T1線[編集]

T1線は、2012年12月12日にカサブランカで初の路面電車として開業した。2013年2月時点ではまだ全線開通には至っておらず、東部の Sidi Moumenからカサブランカ中心部を経て南西部のQuartier des Facultésに至る30キロメートルの区間が営業中である。

T1線の路線図

T1線はQuartier des Facultésから更に西のCasaNearShoreビジネスセンター地区まで延伸される予定である。また、AnoualからAin Diabに至る枝線は将来的にはT2線となる予定である[3][4]

営業[編集]

EnnassimからQuartier des Facultésまでの想定所要時間は64分、EnnassimからHay Hassaniまでは69分で結ばれる見込みである[5]。交差点における優先度を75%とした場合、商用での平均時速は19キロメートル/時に達すると見込まれる[5]。路面電車は、週日は6時30分から22時まで、週末は6時30分から23時30分まで運行される[2]。運行間隔は、ピーク時は4.5分、平常時は8.5分程度である[5]。ただし、運行に乱れが生じる場合はこの限りではない。

カサブランカ市電を運行するCasa Tramは、パリ交通公団傘下であり、Caisse de dépôt et de gestionCaisse de dépôt et de gestion)、TransinvestとともにCasa Tramに出資している[6]。RATPは5年間で11億ディルハム(約9千万ユーロ)の契約を結んでいる[7]

保有車両[編集]

カサブランカ市電では、フランス・アルストム製のシタディス302を74両保有している[8]。車両はフランス・アルザスReichshoffenReichshoffen)にて組み立てられる[9]。車両は空調を備え、電光掲示板によりアラビア語およびフランス語で案内がされる。列車の長さは全部で65メートルに及び、総括制御により運転するようになっている[5]。車両は低床型で、身体の不自由な者にも利用しやすい作りとなっている。アルストムとの契約には、15年にわたる車両の保守も含まれている。機体の購買および保守、付随するサービスを含めて、総額で1億9千万ユーロの契約を結んでいる[8]

運賃[編集]

運賃はモロッコの物価に見合うもので、乗車1回6ディルハムの均一料金である。また、1週間で60ディルハム、1か月で230ディルハムの乗車券もある[10]。学生については1か月150ディルハムの割引定期乗車券がある[10]

利用者数[編集]

営業開始後、最初の1か月の利用者数は、平均して1日あたり4万人から4万5千人であった[11]。2015年には1日の利用者数は25万5千人に上ると見込まれている[6]

拡張計画[編集]

2030年を目標とするカサブランカ市電および地下鉄の計画

基本都市開発計画(SDAU)における[3]、カサブランカ都市圏の都市計画(PDU)では[4]東西2本(T1号線、T2号線)、南北2本の計4本の路面電車が計画されている。これらは、地下鉄や国鉄近郊列車とともに都市交通ネットワークを形成する[3][4][12]

T2線[編集]

基本都市開発計画(SDAU)[3]および都市計画(PDU)[4]によると、カサブランカ路面電車のT2号線は総延長17キロメートルで、Aïn DiabからEl FidaDerb Sultanを経てAïn Sebaâまでを結ぶ。このうちAïn DiabからAnoualまでの区間は、2012年12月にT1線の枝線として開通済みである[3][4]

更に長期的には、T2線をAïn Diabから更に東のHay Hassaniまで延伸し、Aïn Sebaâから西へSidi Bernoussiまで拡張する計画もある。これが実現すれば総延長は27キロメートルとなる[3][4]

T3号線およびT4号線[編集]

基本都市開発計画(SDAU)[3]および都市計画(PDU)[4]によると、カサブランカ路面電車のT3号線およびT4号線はそれぞれ14キロメートル、13キロメートルの延長を持つとされる。

T3号線はSidi Othmaneから中心街、カサブランカ港駅フランス語版を経てEl Hankまでを結び、T4号線はSbataからAïn ChockFacultésを経てLissasfaを結ぶ予定となっている[3][4]

脚注[編集]

  1. ^ Maroc-France - Tramway de Casablanca : Baptême du rail dès 5 h 30”. L'Économiste (2012年12月13日). 2012年12月14日閲覧。
  2. ^ a b Présentation du projet”. casablancatransports.ma. 2012年12月11日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h SDAU de Casablanca, Agence urbaine de Casablanca
  4. ^ a b c d e f g h Problématique du déplacement Urbain à Casablanca - 13 novembre 2007
  5. ^ a b c d Le Groupe RATP met en service le tramway de Casablanca” (2012年12月12日). 2012年12月12日閲覧。
  6. ^ a b Le tramway de Casablanca pour RATP Dev”. ratp.fr. 2012年12月11日閲覧。
  7. ^ A Casablanca, la RATP fait rouler le plus long tram d'Afrique”. mobilicites.com. 2012年12月12日閲覧。
  8. ^ a b La ville de Casablanca choisit le Citadis d’Alstom pour son futur réseau de tramway”. alstom.com (2009年11月19日). 2012年12月12日閲覧。
  9. ^ Royal opening launches Casablanca trams”. railwaygazette.com (2012年12月14日). 2012年12月14日閲覧。
  10. ^ a b Tramway de Casablanca - le ticket à 6 dirhams”. leconomiste.com (2012年11月30日). 2012年12月13日閲覧。
  11. ^ Débuts en douceur pour le tramway de Casablanca”. lesoir.be (2013年1月23日). 2013年1月23日閲覧。
  12. ^ Y. Draiss: "Des transports modernes stimuleront l'économie de Casablanca", sur Busetcar.com, 12 décembre 2012 [1]

外部リンク[編集]