コンテンツにスキップ

オイコス大学銃乱射事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オイコス大学銃乱射事件
場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州オークランド
日付 2012年4月2日
標的 民間人
攻撃手段 銃撃
武器 自動拳銃
死亡者 7人
負傷者 3人
犯人 コ・スナム(ワン・L・ゴー)
対処 逮捕
テンプレートを表示

オイコス大学銃乱射事件(オイコスだいがくじゅうらんしゃじけん)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州オークランドにあるオイコス大学2012年4月2日に発生した銃乱射事件である。学生7名が犠牲となった。容疑者として韓国系アメリカ人のコ・スナムが逮捕されている。

事件の発生したオイコス大学は、主に韓国系アメリカ人向けの教育を目的として[1]、同じく韓国系アメリカ人である牧師のキム・ジョンイン(米国名ジョン・キム)によって設立された[2][3]私立のキリスト教系神学校である[4][5]。このため約100人いる学生は韓国系が多くを占める[1]。神学のほかには音楽、看護学、東洋医学などを教えており、授業は韓国語と英語の両方で行われている[1]

事件の経過

[編集]

2012年4月2日10時半、看護学科棟にある教室に韓国系アメリカ人コ・スナムが侵入する。事務員を人質に取り、大学職員(後述)を探すよう命じたが不在であったため、持っていた.45口径の拳銃を使い、その場で事務員を射殺し[6][7]、授業中の教室に侵入。学生たちに壁の前に一列になって並ぶように命じたが一部が応じなかったため[8]、全員殺すと言い放ち銃を約30発乱射した[2][3]。その場で5人が死亡し、搬送先の病院で2人が死亡。また3人が負傷した。犠牲者は韓国(20代、2人[9])のほかフィリピン、ネパール、ナイジェリアなどの出身者であった[10]

10時33分頃に銃乱射事件が発生したとの通報を受けた警察は現地にSWATを派遣[11]。犯行後、コは死傷者が所有していた車で逃走したが、事件発生後1時間半後に[2]約8キロメートル離れたアラメダのスーパーマーケットで警察に投降し、身柄を拘束された[12][13][14]。4日に殺人罪など7つの容疑で起訴された[15]

事件の翌日には犠牲者を追悼する祈りが付近の教会で捧げられ、オイコス大学の前には追悼の花やろうそくが手向けられた[16]

容疑者

[編集]

コ・スナム(고수남、米国名ワン・L・ゴー(One L. Goh)[8][17])は、韓国籍でアメリカ市民権を有しているオークランド在住の43歳男性である[1][8][14]。1990年に家族でアメリカに移住し、2000年に同国市民権を取得した[9]。2011年初めにオイコス大学准看護師課程に入学したコは、授業をまじめに聞く生徒であったが授業についていけず、科目履修試験に不合格となった[18]。またクラスに溶けこむことができず、自分の英語力が足りないことを大学側やクラスメートに嘲笑されたことが犯行の動機につながったと発表されている[10][19]。その後、生活態度に問題があるなど大学側と確執を起こし、2012年1月に退学処分となった[10][19][20]

コは大学の女性幹部職員を狙うため銃を購入し、その数週間後に犯行に及んだ。しかし前述したとおり、事件当時は学外にいた。また犠牲となった生徒はイジメには加わっていなかったとされている[10]

コに関するさらにプライベートな報道もいくつかなされ、経済的に苦しかったとされた[21]

2014年8月26日、アラメダ郡の大陪審は7件の殺人と3件の未遂の殺人でコを起訴したが、裁判に耐えられる精神的状態にないとされ、長らく審議が延期されていた。2017年7月14日、7回に及ぶ終身刑と懲役271年の刑が科せられた[22]。その後、2019年3月20日に収監先のカリフォルニア州立サクラメント監獄所で死去した[23]

バージニア乱射事件との結びつけ

[編集]

2007年に発生したバージニア工科大学銃乱射事件も韓国籍米国人による犯行であったこともあり、韓国系のメディアはインターネット上の「第2のチョ・スンヒ事件」という指摘を引用するなど衝撃を持って伝えた[24]。一方で、今回の犯行は韓国系ではあるがバージニアの事件とは違って法的、経済活動の面では容疑者は完全に米国人であるとして、個人の問題であるという論調もあった[24]

出典

[編集]
  1. 1 2 3 4 “米の大学で銃乱射、7人死亡 容疑の43歳男を拘束”. 朝日新聞. (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  2. 1 2 3 “米の韓国人神学校で銃器乱射、7人死亡…犯人は韓国系と推定”. 中央日報. (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。
  3. 1 2 “米の韓国系私立大学で銃乱射、7人死亡、3人重軽傷”. 産経新聞. (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  4. “大学で銃乱射、5人死亡 カリフォルニア州、撃った男拘束”. usfl.com (U.S. FrontLine). (2012年4月2日) 2012年4月3日閲覧。
  5. “米加州の大学で銃乱射事件、7人死亡”. wsj.com (ウォール・ストリート・ジャーナル). (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。
  6. “米大学銃乱射の容疑者、退学処分で逆恨みか 英語に劣等感も”. CNN.co.jp (CNN). (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。
  7. “韓国系の40代の男が米国内の大学で銃乱射、7人が死亡=韓国”. サーチナ. (2012年4月3日) 2012年4月4日閲覧。
  8. 1 2 3 “銃乱射の韓国系容疑者、1月に退学処分-下手な英語からかわれたことも”. wsj.com (ウォール・ストリート・ジャーナル). (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。
  9. 1 2 “米大学銃乱射事件 韓国系被害者は2人=米当局”. 中央日報. (2012年4月4日) 2012年4月8日閲覧。
  10. 1 2 3 4 “韓国出身の容疑者「英語力ばかにされた」 米銃乱射事件”. 朝日新聞. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  11. “米大学内の銃乱射で5人死亡 容疑者は韓国系か”. 中央日報. (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。
  12. “大学構内で銃乱射、7人死亡=韓国系の男拘束-米加州”. 時事通信. (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  13. “米カリフォルニアのキリスト教系大学で銃乱射事件、7人死亡”. AFPBB News (フランス通信社). (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。
  14. 1 2 “韓国系大学の銃乱射、逮捕の男は43歳元学生 10人死傷”. CNN.co.jp (CNN). (2012年4月3日) 2012年4月3日閲覧。
  15. “米乱射の韓国系元学生、小声で一言「イエス」”. 読売新聞. (2012年4月5日) 2012年4月5日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  16. “米オークランド銃乱射、追悼の祈り 凶器は見つからず”. 朝日新聞. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  17. “学生たちを並ばせて殺害、米キリスト教系大学銃乱射事件”. AFPBB News (フランス通信社). (2012年4月4日) 2012年4月8日閲覧。
  18. “米大学乱射:「容疑者は英語ができずいじめられていた」”. 朝鮮日報. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  19. 1 2 “米大学乱射 元韓国系学生が英語からかわれ恨み?”. 中央日報. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。
  20. “英会話能力からかわれ…米で銃乱射の韓国系男”. 読売新聞. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。 {{cite news}}: |work=|newspaper=引数が重複しています。 (説明)
  21. “<オークランド銃乱射事件>コ容疑者、離婚後に家賃滞納 結局…”. 中央日報. (2012年4月4日) 2012年4月8日閲覧。
  22. “Former student gets life sentence in massacre at Oakland's Oikos University” (英語). abc7news. (2017年7月14日) 2019年3月30日閲覧。
  23. “Shooter From Oikos University Mass Killing Dies In Custody” (英語). KCBS. (2019年3月27日) 2019年3月28日閲覧。
  24. 1 2 “<オークランド銃乱射事件>チョ・スンヒ事件から5年…また在米同胞社会が衝撃”. 中央日報. (2012年4月4日) 2012年4月5日閲覧。