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ウェザーフィッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウェザーフィッシュ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: ドジョウ科 Cobitidae
: ドジョウ属 Misgurnus
: ウェザーフィッシュ M. fossilis
学名
Misgurnus fossilis Linnaeus1758
シノニム
  • Cobitis fossilis Linnaeus, 1758
  • Petromizon variegatus Wulff, 1765
和名
ヨーロッパドジョウ[2]
ヨーロッパマドジョウ[3]
英名
European weatherfish[4]

ウェザーフィッシュ (Misgurnus fossilis)は、ドジョウ属の一種。ヨーロッパとアジアの一部に分布する。

体には縦縞が入り、全長は30 cmまで成長するが[5]、45 cmの個体を捕まえたという漁師もいる[6] 。これが本当であれば、本種がドジョウ科の最大種である。

分布

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ヨーロッパを中心に、非常に広範囲に分布している。アルプス山脈の北、西ヨーロッパのマース川からロシア北西部のネヴァ川まで、またドナウ川からクバン川までの黒海盆地の北部、およびカスピ海地域のヴォルガ川ウラル川にも分布する[5][6]ドジョウ程ではないが、異なる地域にも導入されている。

分類

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ドジョウ属のタイプ種であり[7]、属名Misgurnusは本種を指す古英語に由来する[3]。種小名fossilisは「泥に隠れる」の意がある[3]

生態

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成魚は水生植物の密集した場所に生息し、幼魚はデトリタスの多い岸近くの浅い場所に生息する。植物のない開けた場所では見られない[8]。この生態により、浚渫や水生植物の除去は本種の個体群にとって脅威となる[9]国際自然保護連合によって低危険種とされているが、生息域の大部分で保護されている。夜行性で、細長い体で底に穴を掘り、乾季や冬季には穴に潜って過ごす[5]。大気中の酸素呼吸することができるため、他の多くの魚が生息できない環境でも生存できる。水中酸素の少ない環境では腸呼吸を行い、まず水面まで泳いで空気を吸う。その後空気はを通過し、血管系で酸素が取り込まれた後、肛門から排出される[5]

気圧の上下に合わせて行動パターンを変えることで知られている。雑食性の底魚であり、敏感なひげを使って小型の水生無脊椎動物やデトリタスなどの餌を探す[10]。飼育下では冷凍アカムシを解凍したもの、小魚、ブラインシュリンプミミズ、また植物質のものを与えるとよい。

脚注

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  1. ^ Freyhof, J. (2011). Misgurnus fossilis. IUCN Red List of Threatened Species. 2011 e.T40698A10351495. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T40698A10351495.en.
  2. ^ 中島淳・尾山大知・大井和之・今田明生・吉本亘成「東京都から採集された外来ドジョウ属Misgurnus mohoityアムールホソドジョウ(新称)(コイ目ドジョウ科)の初記録」『水生動物』第2025巻(AA2025-55)、アクオス研究所、2025年、1-12頁。
  3. ^ a b c 荒俣宏「ドジョウ」『普及版 世界大博物図鑑 2 魚類』平凡社、2021年(原著1989年)、141, 143, 146頁。
  4. ^ Dyldin, Y.V., Orlov, A.M., Hanel, L., Romanov, V.I., Fricke, R., Vasil'eva, E.D. (2023). Ichthyofauna of the fresh and brackish waters of Russia and adjacent areas: annotated list with taxonomic comments. 2. Order Cypriniformes, Suborders Catostomoidei, Cobitoidei and Cyprinoidei. Journal of Ichthyology 63(4): 636–686.
  5. ^ a b c d “Misgurnus fossilis (Linnaeus, 1758) Weatherfish”. FishBase. 2024年1月6日閲覧.
  6. ^ a b Turner, Emma (27 November 2008). “Misgurnus fossilis”. Loaches Online. 2024年1月6日閲覧.
  7. ^ 张慧・王银肖・杨慧兰・谭慧敏・陈咏霞「中国泥鳅属和副泥鳅属鱼类的分类整理」『水生生物学报』第45巻 2号、中国科学院水生生物研究所・中国海洋湖沼学会、2021年、414-427頁。doi:10.7541/2021.2019.166
  8. ^ Meyer, Lutz; Hinrichs, Dagmar (2000). “Microhabitat Preferences and Movements of the Weatherfish, Misgurnus fossilis, in a Drainage Channel”. Environmental Biology of Fishes. 58 (3): 297–306. doi:10.1023/A:1007681313916. S2CID 22820138. ResearchGateより閲覧.
  9. ^ Schreiber, Benjamin; Korte, Egbert; Schmidt, Thomas; Schulz, Ralf (January 2018). “Reintroduction and stock enhancement of European weatherfish ( Misgurnus fossilis L.) in Rhineland-Palatinate and Hesse, Germany”. Knowledge and Management of Aquatic Ecosystems. 2018. doi:10.1051/kmae/2018031. ResearchGateより閲覧.
  10. ^ Pyrzanowski, Kacper; Zięba, Grzegorz; Dukowska, Małgorzata; Smith, Carl; Przybylski, Mirosław (28 May 2019). “The role of detritivory as a feeding tactic in a harsh environment – a case study of weatherfish (Misgurnus fossilis)”. Scientific Reports. 9 (1): 8467. Bibcode:2019NatSR...9.8467P. doi:10.1038/s41598-019-44911-y. PMC 6559962. PMID 31186507. ResearchGateより閲覧.

関連項目

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