みそ岩屋古墳

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みそ岩屋古墳

墳丘・石室開口部
別名 龍角寺106号墳
所属 龍角寺古墳群
所在地 千葉県印旛郡栄町龍角寺
位置 北緯35度49分23.60秒 東経140度16分29.33秒 / 北緯35.8232222度 東経140.2748139度 / 35.8232222; 140.2748139 (みそ岩屋古墳)座標: 北緯35度49分23.60秒 東経140度16分29.33秒 / 北緯35.8232222度 東経140.2748139度 / 35.8232222; 140.2748139 (みそ岩屋古墳)
形状 方墳
規模 35m×30m
高さ5.5m
埋葬施設 両袖式横穴式石室
築造時期 7世紀
史跡 国の史跡「龍角寺古墳群・岩屋古墳」に包含
地図
みそ岩屋 古墳の位置(千葉県内)
みそ岩屋 古墳
みそ岩屋
古墳
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石室開口部
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みそ岩屋古墳(みそいわやこふん、龍角寺106号墳)は、千葉県印旛郡栄町龍角寺にある古墳。形状は方墳龍角寺古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定されている(史跡「龍角寺古墳群・岩屋古墳」のうち)。

概要[編集]

千葉県北部、印旛沼北部東岸の台地上に築造された大型方墳である。龍角寺古墳群内では、龍角寺岩屋古墳の北西に位置する。これまでに墳丘測量・石室実測調査が実施されている。

墳形は方形で、主軸は北から西に振れ、35メートル×30メートル・高さ5.5メートルを測る[1][2]。龍角寺古墳群の方墳としては龍角寺岩屋古墳に次ぐ規模になる。埋葬施設は墳丘裾における両袖式の横穴式石室で、南東方向に開口する。一帯の古墳に特徴的な、貝化石岩を使用して構築された石室になる。副葬品は詳らかでない。築造時期は古墳時代終末期7世紀代と推定され、龍角寺岩屋古墳と近い時期と推測される[1]

古墳域は2009年平成21年)に国の史跡に指定されている(史跡「龍角寺古墳群・岩屋古墳」のうち)。

遺跡歴[編集]

  • 1978年昭和53年)、墳丘測量・石室実測調査(早稲田大学考古学研究室、1979年に報告)。
  • 2009年平成21年)2月12日、既指定の史跡「岩屋古墳」にみそ岩屋古墳含む古墳93基を追加指定して、指定名称を「龍角寺古墳群・岩屋古墳」に変更。
  • 2018年(平成30年)、石室の三次元計測調査(早稲田大学大学院、2019年に報告)。

埋葬施設[編集]

石室俯瞰図
石室展開図

埋葬施設としては墳丘南東裾において両袖式横穴式石室が構築されており、南東方向に開口する。玄室・羨道から構成される単室構造の石室である。石室の規模は次の通り[2]

  • 石室全長:4.58メートル
  • 玄室:長さ3.14メートル

玄室の床面は石室前面の平坦面よりも一段低い位置にある[2]。石室の石材は、貝化石を多量に含む木下貝層の凝灰質砂岩の切石で、互目積みによって構築される。側壁は9段積みで内側に持ち送り、緩やかなドーム状の曲線を描く[2]。玄門柱石・羨道側壁には砂岩の板石を立てる[2]

石室の形態・構造は、龍角寺岩屋古墳や上福田13号墳と類似するものになる。

脚注[編集]

参考文献[編集]

(記事執筆に使用した文献)

  • 大塚初重「岩屋古墳 > ミソ岩屋古墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
  • 「龍角寺古墳群 > みそ岩屋古墳」『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』平凡社、1996年。ISBN 4582490085 
  • 「竜角寺古墳群」『千葉県の歴史 資料編 考古2(県史シリーズ10)』千葉県、2003年。 
  • 白井久美子『最後の前方後円墳 龍角寺浅間山古墳(シリーズ「遺跡を学ぶ」109)』新泉社、2016年。ISBN 9784787715395 

関連文献[編集]

(記事執筆に使用していない関連文献)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]