コンテンツにスキップ

さいきまこ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さいき まこ
生誕 1961年
日本の旗 日本東京都
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
活動期間 2000年 -
ジャンル 女性漫画、他
代表作陽のあたる家〜生活保護に支えられて〜』『神様の背中〜貧困の中の子どもたち〜』『助け合いたい〜老後破綻の親、過労死ラインの子〜』など
受賞 第7回 貧困ジャーナリズム大賞 特別賞(2016年)
公式サイト さいき まこ (@saikimako) - X(旧Twitter)
テンプレートを表示

さいき まこ1961年昭和36年〉 - )は、日本漫画家。主に女性誌に、生活保護子どもの貧困といった社会問題を題材とした漫画を発表している[1]東京都出身、武蔵野美術大学卒業[1]

経歴

[編集]

デザイン事務所でのグラフィックデザイナーと出版社の編集職を経て、結婚を機に退職する。しかし夫の収入が不安定だったことから、当時流行だった育児エッセイを出版社に持ち込んだところ、エッセイに添えたイラストを評価され、漫画以外のフリーの仕事をこなしつつ、育児雑誌のイラストとエッセイを組合せた連載、レポート漫画などを執筆する[1]

年齢を経てフリーの仕事を得ることが困難になったことで、漫画の経験を活かして集英社の雑誌「YOU」に投稿、「集英社YOU漫画大賞」に入選し、2000年に38歳で漫画家としてデビューする[1][2]。後に発達障害に興味を抱き、堅めの題材の作品が可能な掲載先として、秋田書店の既婚女性向け漫画雑誌「フォアミセス」へ取材内容を持ち込んだことが縁で、同誌で漫画を執筆することとなる[3]

40歳で離婚してシングルマザーとなり、将来の不安視から生活保護に関心を持ったことで、生活保護を題材とした漫画『陽のあたる家』を「フォアミセス」に掲載する[4]。この作品により2014年反貧困ネットワークによる第7回「貧困ジャーナリズム大賞」特別賞を受賞する[2][5]。その後も、子どもの貧困をテーマとした『神様の背中』、介護と高齢ニートをテーマとした『家族の約束』など、社会問題への問題提起としての漫画を発表する。どの漫画でも共通して、20代から40代の親たちの生活が、ありふれた問題によって破綻していく親たちと、その親の貧困で翻弄される子供たちの姿を描いている[6]

雑誌連載漫画の他、政治活動家雨宮処凛らによる社会書「生活保護で生きちゃおう! 崖っぷちのあなた! 死んだらダメです」(ISBN 978-4-87154-116-9)でのイラスト[7]、貧困問題に関する講演などでも活動を行なっている[8]2017年には、生活保護を巡る攻防運動の最前線の1人として、生活保護問題対策全国会議の設立10周年記念誌 「人間らしく生きる権利を求めて〜ジェットコースターの10年間〜」(NCID BB24686836)の執筆に携わった[9]

作品

[編集]
  • 陽のあたる家〜生活保護に支えられて〜(2013年、フォアミセス)
  • 神様の背中〜貧困の中の子どもたち〜(2014年 - 2015年、フォアミセス)
  • 家族の約束〜あなたを支えたい〜(2017年、フォアミセス)※単行本では『助け合いたい〜老後破綻の親、過労死ラインの子〜』 と改題
  • 光の咲く日(2017年、フォアミセス)
  • 言えないことをしたのは誰?(2019年 -、ハツキス

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d 佐々木大志郎 (2015年7月25日). “【前編】「1年で結果を出せなかったらあきらめようと思ってた」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」”. マチバリー. 一般社団法人つくろい東京ファンド. 2020年4月20日閲覧。
  2. ^ a b 「子どもの貧困に背を向けない」『社会運動』第42号、市民セクター政策機構、2016年1月15日、56頁、ISBN 978-4-7752-0093-3 
  3. ^ 佐々木大志郎 (2015年7月25日). “【後編】「この声は絶対、拾わなければ」流しのマンガ描き・さいきまこさんが語る「私の綱渡りまんが道」”. マチバリー. 2020年4月20日閲覧。
  4. ^ 久永隆一「生活保護、他人事ですか 漫画「陽のあたる家」」『朝日新聞朝日新聞社、2013年9月4日 大阪朝刊、23面。
  5. ^ 「貧困ジャーナリズム大賞2014」受賞者”. 反貧困ネットワーク (2014年9月4日). 2020年4月20日閲覧。
  6. ^ みわよしこ (2017年2月3日). “貧困への落とし穴はあらゆる家庭に。現実から目をそらすな”. ダイヤモンド・オンライン. ダイヤモンド社. p. 1. 2020年4月20日閲覧。
  7. ^ 西沢亨子「「生活保護」を理解する 困ったら誰でも使える制度」『しんぶん赤旗日本共産党中央委員会、2014年2月23日、8面。
  8. ^ 「あす子どもの貧困考えるシンポ」『北海道新聞北海道新聞社、2016年3月18日、全道朝刊、31面。 「生活保護問題 6.4人に1人が貧困」『しんぶん赤旗』2017年8月26日、14面。
  9. ^ 小久保哲郎 (2017年9月18日). “生活保護問題をめぐる最前線の攻防 ジェットコースターの10年間”. 法学館憲法研究所. 2020年4月20日閲覧。

外部リンク

[編集]