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'''手当て療法'''(てあてりょうほう)は世界各地で見られる療法で、[[手のひら]]や[[指]]先を患部などに当てるだけで身体の不調を治そうとする方法。'''触手療法'''(しょくしゅりょうほう)、'''手のひら療法'''(てのひらりょうほう)とも呼ばれる。国や地方、創始者により各種の方法があり、大別すると直接に患部に手のひらや指を触れて行なう方法と、身体から少し離して手のひらや指先を当てる方法とがある<ref>野口 『整体の自然法』 25ページ「触手療法は手を触れて愉気することだけだが、愉気が主で手を触れることは必ずしも必要ではない。」</ref>。
'''手当て療法'''(てあてりょうほう)は世界各地で見られる療法で、[[手のひら]]や[[指]]先を患部などに当てるだけで身体の不調を治そうとする方法。'''触手療法'''(しょくしゅりょうほう)、'''手のひら療法'''(てのひらりょうほう)とも呼ばれる。国や地方、創始者により各種の方法があり、大別すると直接に患部に手のひらや指を触れて行なう方法と、身体から少し離して手のひらや指先を当てる方法とがある<ref>野口 『整体の自然法』 25ページ「触手療法は手を触れて愉気することだけだが、愉気が主で手を触れることは必ずしも必要ではない。」</ref>。


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* 静止したまま行なう(例:レイキ)か、振動させながら行なう(例:[[太霊道]]<ref>田中 『太霊道及霊子術講授録』</ref>、[[スリー・チャクラバルティ]]<ref>チャクラバルティ 『聖なる旅路』</ref>)か。
* 静止したまま行なう(例:レイキ)か、振動させながら行なう(例:[[太霊道]]<ref>田中 『太霊道及霊子術講授録』</ref>、[[スリー・チャクラバルティ]]<ref>チャクラバルティ 『聖なる旅路』</ref>)か。
* 手のひらをかざす際に、呼吸に注意する(例:クォンタムタッチ)か、[[オーラ]]に注意する(例:[[バーバラ・ブレナン]]<ref>ブレナン 『光の手』</ref>)か、遠く離れたところからでも効果があるとする([[遠隔療法]])か、など。
* 手のひらをかざす際に、呼吸に注意する(例:クォンタムタッチ)か、[[オーラ]]に注意する(例:[[バーバラ・ブレナン]]<ref>ブレナン 『光の手』</ref>)か、遠く離れたところからでも効果があるとする([[遠隔療法]])か、など。

== 宗教との関連 ==
人の体の患部に手をかざし、その手から発せられるという霊的な力によって心身を治療するする宗教行為がある。これを'''手かざし'''(てかざし)と称している。[[世界救世教]]の創始者・[[岡田茂吉]]が[[昭和時代]]前半に開発したと言われ(世界救世教では、[[浄霊#世界救世教の浄霊|浄霊]]と呼んでいる)、その流れをくむ[[真光系諸教団]]や[[神慈秀明会]]といった[[新興宗教]]団体が布教の手段として用いている<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=xH7pzmS-4T4C&pg=PA24 『癒しと救い: アジアの宗教的伝統に学ぶ』]立川武蔵、玉川大学出版部, 2001</ref>。

手かざしの源流は、[[大本教]]の[[出口王仁三郎]]の[[杓子]]を用いた治療法にあると言われ、岡田茂吉がそれを発展させて[[扇子]]を用いる方法を編み出し、その後、手だけをかざす方法になった<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=Kta_dyG5y-cC&pg=PA242 『完全版日本と世界の宗教: 世界三大宗教から日本の新宗教までを全解読』]ムー編集部、学研パブリッシング, 2009</ref>。

== 関連事例 ==
*ハンドパワーで病気を治すなどと謳いセミナーを行なってきた「アースハート」社(代表・野中邦子)に対して、損害賠償を求める訴訟が起こされ<ref>[http://dailycult.blogspot.jp/2013/12/blog-post.html 「このジュース甘くな~れ」ハンドパワーで被害多発のアースハート、被害者による集団訴訟第1陣が結審 ]カルト新聞、2013年12月13日</ref>、2014年3月28日に、同社に賠償を命じる判決が下った<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140328-00000039-asahi-soci ハンドパワーに「裏付けなし」 福岡の会社に賠償命じる]朝日新聞デジタル 3月28日</ref>。


== 脚注 ==
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* [[気功]]
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[[Category:エネルギー療法]]
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<!--'''手かざし'''(てかざし)とは、人の体の患部に手をかざし、その手から発せられるという霊的な力によって心身を治療しようとする技法を使った宗教行為。[[世界救世教]]の創始者・[[岡田茂吉]]が[[昭和時代]]前半に開発したと言われ(世界救世教では、[[浄霊#世界救世教の浄霊|浄霊]]と呼んでいる)、その流れをくむ[[真光系諸教団]]や[[神慈秀明会]]といった[[新興宗教]]団体が布教の手段として用いている<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=xH7pzmS-4T4C&pg=PA24 『癒しと救い: アジアの宗教的伝統に学ぶ』]立川武蔵、玉川大学出版部, 2001</ref>。

手かざしの源流は、[[大本教]]の[[出口王仁三郎]]の[[杓子]]を用いた治療法にあると言われ、岡田茂吉がそれを発展させて[[扇子]]を用いる方法を編み出し、その後、手だけをかざす方法になった<ref>[http://books.google.co.jp/books?id=Kta_dyG5y-cC&pg=PA242 『完全版日本と世界の宗教: 世界三大宗教から日本の新宗教までを全解読』]ムー編集部、学研パブリッシング, 2009</ref>。

== 関連事例 ==
*手かざしと同様に、ハンドパワーで病気を治すなどと謳いセミナーを行なってきた「アースハート」社(代表・野中邦子)に対して、損害賠償を求める訴訟が起こされ<ref>[http://dailycult.blogspot.jp/2013/12/blog-post.html 「このジュース甘くな~れ」ハンドパワーで被害多発のアースハート、被害者による集団訴訟第1陣が結審 ]カルト新聞、2013年12月13日</ref>、2014年3月28日に、同社に賠償を命じる判決が下った<ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140328-00000039-asahi-soci ハンドパワーに「裏付けなし」 福岡の会社に賠償命じる]朝日新聞デジタル 3月28日</ref>。

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
*[[手当て療法]]
*[[セラピューティック・タッチ]]
*[[レイキ]]
*[[催眠術]]
*[[霊術]]

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2015年1月22日 (木) 06:44時点における版

手当て療法(てあてりょうほう)は世界各地で見られる療法で、手のひら先を患部などに当てるだけで身体の不調を治そうとする方法。触手療法(しょくしゅりょうほう)、手のひら療法(てのひらりょうほう)とも呼ばれる。国や地方、創始者により各種の方法があり、大別すると直接に患部に手のひらや指を触れて行なう方法と、身体から少し離して手のひらや指先を当てる方法とがある[1]

概要

新約聖書は、信仰があれば手当てによる癒しが可能であるとしている[2]中世にはが手を当てることによって病気が治るロイヤル・タッチという言い伝えがあり、シェイクスピアの『マクベス』 第4幕第3場に描写がある[3]

ランドルフ・ストーン博士(1890-1981)の創案になるポラリティーセラピー[4] が従来から行われており、近年ではドロレス・クリーガーによるセラピューティック・タッチ[5]臼井甕男(1865-1926)を始祖とするレイキアメリカ合衆国を中心に世界的に注目を浴びているが、後者は日本の「臼井式霊気療法」が独自に発展を遂げたものである。

さらに近年になって、リチャード・ゴードンによるクォンタムタッチ[6] がアメリカ合衆国を中心に世界的に注目を浴びるようになってきたことをきっかけとして、さまざまな療法が、生命エネルギー(マナプラーナ)を利用したエネルギー療法として認識されるようになってきている。

日本では昭和初期に、臼井式から別れた江口俊博の「手のひら療治」 (江口式) [7]田中守平(1884-1929)の「太霊道[8] などが爆発的なブームになったことがある。西勝造が始めた「西式健康法」 に属する西式触手療法や、野口晴哉(1911-1976)が創始した「野口整体」の愉気法[9] も手のひら療法の一種である。

方法

いずれの方法も手のひらや指先を患部に近づける点で共通しているが、次のような差があり、多種多様である。

  • 手を直接に接触させるか、少し離して行なうか[10]
  • 手のひらを広げて行なう方法(例:手のひら療治)か、手の先をつぼめて行なう(例:ヒーリングコード[11])か、指先を当てる(例:愉気)か。
  • 静止したまま行なう(例:レイキ)か、振動させながら行なう(例:太霊道[12]スリー・チャクラバルティ[13])か。
  • 手のひらをかざす際に、呼吸に注意する(例:クォンタムタッチ)か、オーラに注意する(例:バーバラ・ブレナン[14])か、遠く離れたところからでも効果があるとする(遠隔療法)か、など。

宗教との関連

人の体の患部に手をかざし、その手から発せられるという霊的な力によって心身を治療すると称する宗教行為がある。これを手かざし(てかざし)と称している。世界救世教の創始者・岡田茂吉昭和時代前半に開発したと言われ(世界救世教では、浄霊と呼んでいる)、その流れをくむ真光系諸教団神慈秀明会といった新興宗教団体が布教の手段として用いている[15]

手かざしの源流は、大本教出口王仁三郎杓子を用いた治療法にあると言われ、岡田茂吉がそれを発展させて扇子を用いる方法を編み出し、その後、手だけをかざす方法になった[16]

関連事例

  • ハンドパワーで病気を治すなどと謳いセミナーを行なってきた「アースハート」社(代表・野中邦子)に対して、損害賠償を求める訴訟が起こされ[17]、2014年3月28日に、同社に賠償を命じる判決が下った[18]

脚注

  1. ^ 野口 『整体の自然法』 25ページ「触手療法は手を触れて愉気することだけだが、愉気が主で手を触れることは必ずしも必要ではない。」
  2. ^ マルコ伝福音書16:17-18 「信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」
  3. ^ シェイクスピア 著、福田恒存 訳『マクベス新潮社新潮文庫〉、1969年。全国書誌番号:75062702 
  4. ^ Randolf Stone (1999). Dr. Randolph Stone's Polarity Therapy.
  5. ^ クリーガー 『セラピューティック・タッチ』
  6. ^ ゴードン 『クォンタムタッチ』
  7. ^ 三橋 『手のひらが病気を治す』
  8. ^ 田中 『太霊道及霊子術講授録』
  9. ^ 野口 『整体の自然法』
  10. ^ 野口 『整体の自然法』
  11. ^ ロイド 『ヒーリングコード』
  12. ^ 田中 『太霊道及霊子術講授録』
  13. ^ チャクラバルティ 『聖なる旅路』
  14. ^ ブレナン 『光の手』
  15. ^ 『癒しと救い: アジアの宗教的伝統に学ぶ』立川武蔵、玉川大学出版部, 2001
  16. ^ 『完全版日本と世界の宗教: 世界三大宗教から日本の新宗教までを全解読』ムー編集部、学研パブリッシング, 2009
  17. ^ 「このジュース甘くな~れ」ハンドパワーで被害多発のアースハート、被害者による集団訴訟第1陣が結審 カルト新聞、2013年12月13日
  18. ^ ハンドパワーに「裏付けなし」 福岡の会社に賠償命じる朝日新聞デジタル 3月28日

参考文献

関連項目