食堂

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食堂(しょくどう)とは、食事をするための部屋である。飲食物を置くための食卓と、それを取り囲む場所からなっている。高い食卓の場合は、椅子を伴う。調理したを運ぶ手間を省くため、台所に隣接している場合が多い。英語の"dining room"からダイニングルームとも呼ばれる。

日本の食堂

江戸時代以前、一般住宅において、家族が集まる場所を茶の間と呼んでいた。茶の間は、居間であると同時に、食事をする場所でもあった。食堂は「じきどう」と読み、仏教寺院においてが食事をする堂宇のことを指した[1]

明治以後、文明開化により、居間と食事をする場所を分ける住宅が増え、食事をする場所については「食事室」と呼ばれるようになり、後に「食堂(しょくどう)」と呼ばれるようになった。また、学生食堂社員食堂が一般化していく中で、手軽に食事ができるレストランが「食堂(しょくどう)」と呼ばれるようにもなった。しかし、日本国内では、居間と食堂の2室を設けることができない狭い住宅が多く、居間と食堂が兼用の部屋であったり、居間と食堂を明確に分けない場合もある。

欧米のダイニングルーム

ホワイトハウスのプライベートダイニングルーム

歴史的に、ダイニングルームには比較的大きなダイニングテーブルと複数のダイニングチェアーを置く。最も一般的なテーブルの形状は通常の長方形で、両端に2つの肘付き椅子と側面に偶数の肘無し椅子を配する。

歴史

中世において、上流階級イギリス人および他のヨーロッパ貴族またはマナー・ハウスにおいて、グレート・ホール (Great hallで食事をとる。この部屋は大きな多用途の部屋であり、家中の人の大半が座ることができる。家族は高い壇上のヘッド・テーブルに座る。残りは階級が高い順に並んで座る。グレート・ホールのテーブルは、長椅子がある長い架台式テーブルである傾向がある。グレート・ホールは非常に騒がしく、大変煙たく悪臭のする、議論をするために不快な場所である。

グレート・ホールでの食事の不快さに対応して、貴族はグレート・ホールの外に応接間 (Parlour客間 (Drawing roomを作り始めた。これらはかなり小さな部屋で、貴族は比較的静かでくつろいで話すために移動することができる。時間が経つにつれ、貴族は応接間で食事をとることが多くなり、応接間は機能上、ダイニングルーム(または2つに分けられた部屋)となった。またこの部屋はグレート・ホールからより遠くに移動し、グレート・ホールの壇から儀式的階段を通じて行く。そのうち、グレート・ホールでの食事は主に特別の場合にのみ行うようになった。

18世紀初期に向け、家の女性が正餐の後にダイニングルームから客間に移動し、男性はダイニングルームに残り、酒を飲む傾向が現れた。結果として、ダイニングルームはより男性向けの傾向となった。

現代のダイニングルーム

シュトゥットガルト北、フェウバッハ、テーオドールホイスのダイニングルーム

典型的な北アメリカのダイニングルームには、(正式な磁器を収容するため)他の家具と同様に、配置可能なテーブルの端と横に椅子が配置される。

現代のアメリカの家屋では、ダイニングルームは客との正餐や特別な場合にのみ使用するようになった。普段の食事は台所、朝食スペース、またはファミリールームでとられる。これはイギリスの場合伝統的に、家族の多くはダイニングルームを日曜日にのみ使用し、他の食事は台所で食べる。現代のダイニングルームのテーブルには、組み立て式で、特別な場合に多数向けに使用できる天板があることもあり、使用しない場合に余分な空間を使わないようにする。オーストラリアでは、まだダイニングルーム使用の慣習がある一方、家族の食事は通常居間のテレビの前で食べられる。

「典型的な」家族の食事は木製テーブルまたはある種の台所でとられるが、長椅子または座り心地の良い椅子を使用した、より快適なダイニングルームで食事をする場合もある。

脚注

関連項目