風雲 (気象衛星)
風雲 (Fēngyún) は、中華人民共和国の気象衛星。略称はFY。1988年より極軌道衛星と静止衛星が打ち上げられている。
概要
風雲は極軌道衛星であるFY-1/3シリーズと、静止衛星であるFY-2の二種類の衛星で構成されている。現在までFY-1は4機、FY-2は6機、FY-3は2機が打ち上げられており、2022年までにFY-2を2機、FY-3を11機、FY-2の後継となるFY-4を6機を打ち上げる計画となっている。
衛星リスト
FY-1/3シリーズ
打ち上げ年月日 | 略称 | 軌道 | 運用状態 |
---|---|---|---|
1988年9月6日 | FY-1A | SSO | 運用終了 |
1990年9月3日 | FY-1B | SSO | 運用終了 |
1999年5月10日 | FY-1C | SSO | 2007年1月11日、実験により破壊 |
2002年5月15日 | FY-1D | SSO | 運用中(降交点通過地方時:18:50) |
2008年5月27日 | FY-3A | SSO | 運用中(降交点通過地方時:22:00) |
2010年11月4日 | FY-3B | SSO | 準備中 |
FY-2シリーズ
打ち上げ年月日 | 略称 | 軌道 | 運用状態 |
---|---|---|---|
N/A | FY-2 | ー | 1994年4月2日、射点で燃料充填中に爆発して破壊 |
1997年6月11日 | FY-2A | GEO 105°E | 運用終了 |
2000年6月25日 | FY-2B | GEO 105°E | 運用終了 |
2004年10月19日 | FY-2C | GEO 105°E | 運用中(2009年末まで運用予定) |
2006年12月8日 | FY-2D | GEO 86.5°E | 運用中 |
2008年12月23日 | FY-2E | GEO 123°E | |
2012年1月13日 | FY-2F | GEO 86.5°E | |
2013年 | FY-2G | GEO 123°E | 打ち上げ予定 |
風雲1号C
風雲1号C (FY-1C) は風雲1号シリーズの3番機で、1999年5月10日、長征4B型により極軌道の高度870kmに投入された。分解能1.1kmの多波長イメージャーを搭載した気象衛星で、打ち上げ時の重量は約960kg、設計寿命は2年とされている(公表値)。
2007年1月11日の弾道ミサイルによる人工衛星破壊実験の標的となり、観測可能なものだけで2,841個以上という、大量のスペースデブリを発生させた。これによって生じたデブリは軌道高度約800kmと高いため、大気圏への突入に時間がかかることからISSや他の衛星への接近など大きな脅威になっている。
風雲2号
風雲2号 (FY-2x) シリーズは、中国が打ち上げた静止気象衛星である。2009年1月現在、FY-2C/D/Eの3機が軌道上で運用されている。
衛星はGMSやGOESなどと同じスピン安定方式であり、直径は2.10m、高さ1.60mの円筒形である。重量は1380kg(打ち上げ時)、スピンレートは100±1rpmで、撮影はスピン・スキャン方式が採用されている。
1994年に1号機(FY-2)が打ち上げ試験中に発射台で破壊され、2号機であるFY-2Aが1997年に打ち上げられた。それ以降、計6機が打ち上げられており、今後、あと2機が打ち上げられる予定であるとされている。