天体衝突

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隕石衝突のイメージ図

隕石衝突(いんせきしょうとつ)とは、宇宙にある天体が、地球ないし他の天体に衝突することである。隕石落下とも言われる。

概要

地球(大気のある惑星)において、他の天体が衝突する場合、大気圏内で蒸発する場合もあるが、地上まで形を保つものもある。そうしたものが隕石である。

一般的に衝突する天体が大きく、遅いほど蒸発に時間がかかり、地上に落下し隕石として、地表に残ることが多い。地上に落ちた場合、その衝撃によって、クレーターができることがある。

衝突のエネルギー

ニュートン力学では、等速直線運動をする物体の運動エネルギーは、エネルギーE、質量 m 、速さ v として

である。よって、質量 m と速さ v の2乗に比例する。つまり、速さが2倍になればエネルギーは4倍になる。

質量は隕石が球体であれば、ρを隕石の密度、Rを半径とすれば、

である。よって質量m直径2Rの3乗に比例する。つまり、直径が2倍になれば、質量及びエネルギーは8倍になる。

衝突が地球に与える影響

小型の隕石であれば、衝突しても影響は限定的であるが、大型の場合は被害は甚大になることもある。隕石衝突説がある1908年ツングースカ大爆発では、僻地のため人的被害は起こらなかった。

さらにK-T境界大量絶滅の仮説の1つ、隕石衝突説では、直径約10kmの隕石が、メキシコユカタン半島に衝突し、その衝撃により恐竜アンモナイトは絶滅したとされる。

また地球に衝突する確率、及び衝突した際の予測被害状況を表す尺度にトリノスケールというものがある。

過去の隕石衝突

なお、「過去の隕石衝突と推測されている事例」「現在近接軌道の小惑星」は下記の通り。

2008 TC3
直径4.1m。衝撃力はTNT火薬換算で1.1–2.1キロトン(戦術核兵器級)。
ツングースカ大爆発
直径60-100m。衝撃力はTNT火薬換算で10–15メガトン(ビキニ水爆級)。
チクシュルーブ・クレーター
直径10-15km。衝撃力は広島原爆10億倍。恐竜絶滅の原因とされている。
ジャイアントインパクト説
地球誕生直後の衝突→の生成起源の有力な説。

その他、小規模なものは隕石の一覧を参照。

衝突の可能性のある小惑星

アポフィス (小惑星)
直径270-410m。衝撃力はTNT火薬換算で510メガトン(数千km四方が被害)。2036年接近。
(143649) 2003 QQ47
直径1.24km。衝撃力はTNT火薬換算で35万メガトン(地球全域が被害)。2014年接近。

ただし、トリノスケールでは「局所的大被害が起こり得る衝突は数百年から数千年に1回」、「全地球的大被害の起こり得る衝突は1万年-10万年に1回の発生確率としている。2008TC3程度の大きな隕石は年間2-3個の割合で地球に落下している

隕石衝突を扱った作品

関連項目