酸化カルシウム

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酸化カルシウム
IUPAC名 酸化カルシウム
Calcium oxide
別名 生石灰
組成式 CaO
式量 56.077 g/mol
形状 白色結晶
CAS登録番号 1305-78-8
密度 3.35 g/cm3,
融点 2572 °C
沸点 2850 °C

酸化カルシウム(さんかカルシウム、Calcium oxide、quick lime)は化学式 CaO で表される化合物。慣用名として、 生石灰(せいせっかい[1][2])とも呼ばれる。生石灰は しょうせっかい とも読めるため、消石灰と区別するため「きせっかい[3]」あるいは「なませっかい[要出典]」と通称される場合がある。炭酸カルシウムを900℃以上に加熱すると二酸化炭素を放出して生ずる。融点は2572℃。

いわゆる石灰(いしばい)というのは、本来は生石灰のことであったが、後に消石灰も指すようになった。生とは英語の quick lime から来ている。quick とは狩りなどで捕まえた小動物がもがいて動くさまを表す語で、まさに「生きている」という意味である。[要出典]

を加えると発熱し、数百℃にまで温まった後、水酸化カルシウム(消石灰)を生成する。乾燥剤や、殺虫剤などに用いられるほか、缶入の清酒や弁当を温めるために水と生石灰を袋詰し、紐を引くと両者が混合して発熱するようにしたものもある。火も使わず煙も出ないため、火を使えない状況や火に弱い素材でパックされた食品を温める用途に使われることが多い。

 : ΔH -63kJ/mol

工業的には製鋼用、セメント原料が多く、陶磁器、ガラスの副原料そして土壌改良剤、るつぼの内張り用耐熱材などにも利用される。あるいは炭化カルシウム(カーバイド)、水酸化カルシウムの生産原料でもある。

また19世紀中頃から20世紀初頭にかけてガスマントル(水素ガス灯の発光体)として使用された(記事 ライムライト (照明)参照)。

生石灰の2008年度日本国内生産量は 9,543,740 t、消費量は 951,502 t である[4]

法規制

水を加えると発熱するため、消防法危険物第3類に指定されていたが、1989年の消防法改正によって危険物からは除外された。 現行法においては、危険物の規制に関する政令第1条の10に「生石灰(酸化カルシウム含有量80%以上のもの)を500kg以上取り扱う(貯蔵する)場合、最寄り消防署への届出義務」が規定されている。

参照資料

  1. ^ 岩波書店「広辞苑」第六版、2008年、p1546
  2. ^ 三省堂「新明解国語辞典」第三版、1981年、p626
  3. ^ 日本石灰協会・日本石灰工業組合[1]
  4. ^ 化学工業統計月報 - 経済産業省
  • 酸化カルシウム、『理化学辞典』、第5版、岩波書店

関連項目