華麗なる一族

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華麗なる一族』(かれいなるいちぞく)は、山崎豊子小説1970年3月より1972年10月まで『週刊新潮』に連載され、1973年新潮社から全3巻で出版された。

1980年には、同社で文庫化され、2003年には、新装版が刊行された。

モデルとなった組織・人物

阪神銀行 - 神戸銀行(現:三井住友銀行
実在の神戸銀行は、本作品の連載終了後の1973年に太陽銀行と合併し太陽神戸銀行となる。
万俵家 - 神戸の岡崎財閥
ただし山崎豊子自身は岡崎財閥モデル説を否定している[1]
帝国製鉄 - 新日本製鐵(新日鉄)のうち八幡製鐵
新日鉄の合併・発足は1970年で、作品の舞台である1960年代にはまだ八幡製鐵・富士製鐵に分かれていたものの、山崎の別の著作には帝国製鉄の他に藤山製鉄(富士山≒富士)も登場しており、いわゆる状況証拠として考え得る。
大同銀行 - 協和銀行(現:りそな銀行
大同銀行は作品中、“貯蓄銀行から都銀に転換し歴代頭取は日銀天下り”として描かれ、阪神銀行の合併相手となる。
ただし、阪神銀行のモデルとされる神戸銀行は、上記の通り協和銀行ではなく太陽銀行(小説中では“相互銀行より都銀に転換した太平銀行”として登場)と合併した。

なお、小説中の阪神銀行および阪神特殊鋼は、実際の阪神銀行(当時は阪神相互銀行、現:みなと銀行)、阪神特殊鋼と直接は関係がない。しかしながら、みなと銀行は前身の阪神銀行がさくら銀行の傘下であった流れで三井住友フィナンシャルグループであり、旧:さくら(太陽神戸三井)銀行より兵庫県内の20店舗を譲り受け、現在も三井住友銀行と同一行扱いとなっているため、作品中の阪神銀行と実際の阪神銀行においては無縁の関係ではない。

出版

  • 単行本
    • 『華麗なる一族』上・中・下(1973年、新潮社)
  • 文庫
    • 『華麗なる一族』上・中・下(1980年、新潮社)
    • 『華麗なる一族(新装版)』上・中・下(2003年、新潮社)※活字が大幅に拡大。
  • 全集
    • 『山崎豊子全作品』第8巻(1986年、新潮社)
    • 『山崎豊子全集』第10、11巻(2004年、新潮社)

映像化作品

映画

テレビドラマ

これまでに2度テレビドラマ化されている。

脚注

  1. ^ 2007年版ドラマ放送直前に放送された『みのもんたの朝ズバッ!』で、万俵家の名前の由来は神戸に在住の万俵さんから採られた可能性があると伝えられた。 ドラマの設定とは無関係であるが、戦前に石炭商で事業を興して成功し、それなりに裕福な家庭であった(のち敗戦で資産没収)のと、山崎豊子が作家になる以前から万俵家とは親交があったことによる。

関連項目

  • 須磨離宮公園 - 植物園の部分(面積24ヘクタール)が旧岡崎邸跡
  • 閨閥
  • 志摩観光ホテル
  • 阪神財閥
  • 大地の子 - 山崎豊子の長編小説。本作よりも18年後に刊行された大河小説作品。本作では親子の対立の中で高炉建設を進めるが、こちらでは親子の絆の中で高炉建設を進める。