続・荒野の用心棒
続・荒野の用心棒 | |
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Django | |
監督 | セルジオ・コルブッチ |
製作 | セルジオ・コルブッチ |
出演者 |
フランコ・ネロ ロレダーナ・ヌシアク エドアルド・ファヤルド ホセ・ボダロ |
音楽 | ルイス・バカロフ |
配給 |
BRC 東和 |
公開 |
1966年4月6日 1966年9月23日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 |
イタリア スペイン |
言語 | イタリア語 |
『続・荒野の用心棒』(ぞく こうやのようじんぼう、Django)は、1966年のイタリアの映画。セルジオ・コルブッチ監督。フランコ・ネロ主演のマカロニ・ウェスタン。フランコ・ネロ演ずる棺桶をひきずったガンマンで知られている。
概要
コルブッチ監督、およびフランコ・ネロの出世作である。邦題では『続・荒野の用心棒』となっているが、セルジオ・レオーネの『荒野の用心棒』とは、その翻案となった黒澤明の『用心棒』の「流れ者と、町の敵対する集団の争い」という部分的なプロットは似ているものの、配給会社によって付けられた邦題であり続編ではない(なおこの事が関係して、後に配給された『荒野の用心棒』の正式な続編は『夕陽のガンマン』とタイトルが付けられた)。リンチのシーンなどに残酷な描写があるため、各国で上映禁止、あるいは年齢制限がなされた。一例として、イギリスではBBFCにより、1993年になって18禁として許可された。しかし本作品の残酷な描写やダーティな映像、リアリティを度外視した演出は、後に多数製作されたマカロニ・ウエスタンにおいて、ひとつのスタイルとして受け継がれていった。
ストーリー
メキシコ国境に近い町。ここでは元南軍のジャクソン少佐(エドアルド・ファヤルド)とメキシコ独立運動家ウーゴ・ロドリゲス将軍(ホセ・ボダロ)の率いる二つの勢力が対立していた。棺桶を引きずりながら現れた流れ者のガンマン・ジャンゴ(フランコ・ネロ)は、ジャクソン一味に殺されかかっていた娼婦マリア(ロレダーナ・ヌシアク)を救う。町に入ったジャンゴは酒場で出会ったジャクソンを挑発し、手下を撃ち殺す。ジャクソンは40人の部下を連れ復讐に現れるが、ジャンゴは棺桶から取り出した機関銃を乱射し返り討ちにする。ジャンゴは旧知のロドリゲスと合流し、ジャンゴの発案でメキシコ政府軍から金塊を強奪する。しかしロドリゲスは金塊を山分けする約束を果たそうとしない。そこでジャンゴは盗み出した金塊を棺桶に詰めマリアと逃亡を図るが、ふとした事から棺桶は流砂に沈んでしまい、計画はあえなく失敗。さらにロドリゲスらに捕まって二度と拳銃が握れないように両手を潰されてしまう。その後、メキシコに向かったロドリゲス一派はジャクソンらの待ち伏せに遭い全滅する。傷ついたマリアと共に町に戻ったジャンゴは最後の決着をつけるため、ジャクソンらを墓地へと呼び出す。
キャスト&日本語吹替
役名 | 俳優 | NET | TBS1 | TBS2 | テレ東 |
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ジャンゴ | フランコ・ネロ | 小林清志 | 瑳川哲朗 | 小林清志 | 小林清志 |
マリア | ロレダーナ・ヌシアク | 来宮良子 | 小沢沙季子 | 渡辺知子 | 来宮良子 |
ジャクソン少佐 | エドアルド・ファヤルド | 久松保夫 | 西田昭市 | 西田昭市 | 大平透 |
ウーゴ・ロドリゲス将軍 | ホセ・ボダロ | 雨森雅司 | 滝口順平 | 穂積隆信 | |
ナタニエレ | アンヘル・アルバレス | 相模太郎 | |||
ジョナサン神父 | ジーノ・ペルニーチェ | 北村弘一 |
放送日
- NET - 1971年7月11日「日曜洋画劇場」
- TBS1 - 1974年7月 8日「月曜ロードショー」
- TBS2 - 1975年7月 5日「月曜ロードショー」
- テレ東 - 1980年9月25日「木曜洋画劇場」(スペシャル・エディション版DVD&BDに収録)
エピソード
- 主人公のジャンゴ[1]というネーミングはコルブッチの発案で、ロマ民族出身であるヨーロッパのジャズ・ギターの一人者ジャンゴ・ラインハルトからとったもの。以降30本以上、コルブッチ作品以外の主人公の名としても使われ、マカロニ・ウェスタンの登場人物の代名詞的名称のひとつになった。特にドイツでは元の映画では全く違った名前だった主人公も吹き替え版でジャンゴにされた。原則としてフランコ・ネロが出ていれば自動的にジャンゴになったので、『ガンマン無頼』(原題Texas addio)のバート・サリバンもドイツではジャンゴ、 ネロがティナ・オーモンと撮った『裏切りの荒野』(原題L’uomo, l’orgoglio, la vendetta)でも本来ホセという名前であったのがジャンゴになっている。
- 映画後半でエキストラが足りなくなり、ジャクソン一味にKKK的な覆面をした手下を増やす事で使い回しした。
- 日本では三池崇史監督がオマージュ作品として、2007年に『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』を制作している。
- 酒場での乱闘シーンではカメラマンがはっきりと写ってしまっている。
- 最後の決闘シーンではジャンゴの6連発コルトからなぜか7発の弾が発射される。理論的には6連発コルトにそういうチューニングを施すのは不可能ではないが、ここの映画での設定のように、両手がグシャグシャに潰された状態の主人公にそのような微妙な作業が出来たとは考えにくい。
脚注
- ^ ジャンゴという名前の由来については2説ある。一つはDjango(またはDžango)はJean、Johannes、Giovanniという名前のロマニ語バージョンである、ということ。もう一つはこれは「目覚める」を意味するロマニ語のdžungadol、方言によってはdžangadolまたはdžangavel(辞書形は3人称単数形)から来ている、という説である。しかしイギリス・マンチェスター大学のロマニ語研究プロジェクトによればロマニ語で書かれた資料が存在しないため、言語の歴史的過程を追うことが出来ないのでどちらの説にも学問的な確証はない。