筆順
漢字 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
書体 | ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
字体 | ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
漢字文化圏 | ||||||||||||||||||||
中・日・朝・越・台・琉・新 | ||||||||||||||||||||
派生文字 | ||||||||||||||||||||
国字 方言字 則天文字 | ||||||||||||||||||||
仮名 古壮字 字喃 女書 | ||||||||||||||||||||
契丹文字 女真文字 西夏文字 | ||||||||||||||||||||
→字音 |
筆順(ひつじゅん)とは漢字の筆画を組み合わせていく順序のことをいう。漢字の字体を構成する重要な要素の一つである。
筆順の原則
「筆順指導の手びき」(1958年(昭和33年))の「4.本書の筆順の原則」から、抜粋・編集した。
- 大原則1……上から下へ
- 大原則2……左から右へ
- 原則1……横画が先
- 原則2……横画が後(原則1の例外)
- 横画と縦画とが交差したときは、次の場合[1]に限って、横画を後に書く。
- 田
- 田の発展したもの
- 王
- 王の発展したもの
- 原則3……中が先
- 原則4……外側が先
- 原則5……左払いが先
- 原則6……貫く縦画は最後
- 原則7……貫く横画は最後
- 原則8……横画と左払い
- 原則では説明できないもの
- 繞(にょう)には、先に書く繞と、後に書く繞とがある。
- 繞を先に書く……処、起、勉、題など
- 繞を後に書く……近、建、直など
- 先に書く左払いと、後に書く左払いとがある。
- 左払いを先に書く……九、及など
- 左払いを後に書く……力、刀、万、方、別など
「筆順指導の手びき」
「筆順指導の手びき」(1958年(昭和33年)文部省編)は教育漢字881字[2]の筆順をできるだけ統一する目的をもって作成された。なお、漢字の筆順は1字につき1つとは限らず、広く用いられる筆順が2つ以上ある漢字もある。「手びき」には
本書に示される筆順は、学習指導上に混乱を来たさないようにとの配慮から定められたものであって、そのことは、ここに取りあげなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない。
本書に取りあげた筆順は、学習指導上の観点から、一つの文字については一つの形に統一されているが、このことは本書に掲げられた以外の筆順で、従来行われてきたものを誤りとするものではない。
とあり、注意を促している。「手びき」には「広く用いられる筆順が、2つ以上あるもの」として、「上」「点」「店」「取」「最」「職」「厳」「必」「発」「登」「感」「盛」「馬」「無」「興」が例示されている。もちろん、これらは例であって、このほかにも2つ以上筆順がある漢字は少なくない。なお、現行の義務教育諸学校教科用図書検定基準には、書写の教科書について「漢字の筆順は、原則として一般に通用している常識的なものによっており、行書で筆順が異なる字については、適切な説明を加えていること」とあり、「手びき」に準拠することを求めていない。ちなみに、中国や台湾にはそれぞれ筆順に基準があり、学校教育で日本とは異なる筆順が指導されているものもある。