正午

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日本では、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線上に、正午前後に太陽が最も高い位置に昇る

正午(しょうご)とは、太陽南中する時刻をいう。したがって、経度の異なる地点毎に正午の時刻は異なるのであるが、近代以降は通常は、標準時が定められている地域(等時帯)ごとに、その標準子午線上において太陽が南中する時刻をいうことがほとんどである。昼の12時(0時)を指す。真昼(まひる)ともいう。

正午の対義語として、太陽が地平線下の子午線を通過する時刻(正午の12時間前または12時間後)を、「正子」(しょうし:(ね)の刻の中間)という。一般的には、子夜(しや)や真夜中夜の12時などという。

概要

24時間表示での0時から12時までの時間帯を、12時間表示では「午前」、24時間表示での12時から24時までの時間帯を、12時間表示では「午後」と呼称する。夜の12時である「正子」はあまり用いられず、「午前0時」の表記が一般的である。「明治五年太政官布告第三百三十七号」改暦により24時間制が導入された時に、「正午」が用いられるようになった[1]

由来

「改暦ノ布告」の施行前、時刻十二支で数えており、(うま)の刻が現在の午前11時ごろから午後1時ごろまでに当たることから、その中間の時刻(昼の12時)を「正午」と呼んだ。

正午は午前か午後か

結論からいうと「午前午後かは表記に依存する」ということになる。すなわち、「午前12時」と表記した場合は「午前の最後」の意味を持ち、「午後0時」と表記した場合は「午後の最初」の意味を持つ[2]。一方、「正午」と表記した場合は、午前と午後を区別する意味合いは持たない。よって、「午前12時」は時間帯の最後に用い、「午後0時」は時間帯の最初に用いるのが好ましい[3]。午前12時台の表記については午後0時台を用いる方が日本語としては正しい[4]

「改暦ノ布告」では毎正時(0分)の呼び名を「時刻表」として掲げているが、24時間表示でいう12時は「午前12時」しかなく、「即午後零時」がない。ただ、「午前12時」という表記は正午に限り矛盾はないが、1秒でも過ぎると「午後」になってしまうため、「午前12時台」について「午前」を含む表記は矛盾となる。実際には「午後0時」又は24時間制で単に「12時」という表記が用いられることが多い[5][6][7]

24時間表示では、午前・午後の概念がないため、単純に"12:00"を正午とすることで足りる。なお、西洋においても、正午は(英語を例に挙げるならば)"Noon"であり、午前にも午後にも属さず、その前が午前(AM)、後が午後(PM)である。

関連項目

脚注

  1. ^ 改暦ノ布告
  2. ^ 同様に、「午後12時」は「一日の最後」を、「午前0時」は「一日の最初」を意味する。時刻としては同じ瞬間であるが、その時刻の属する日付は異なる。
  3. ^ 例えば、「午前10時から午後0時まで」は間違いではないにせよ、違和感を持たれる場合がある。「午前10時から午前12時まで」の方が好ましい。同様に「昼休みは午前12時から午後1時まで」よりも「午後0時から午後1時まで」の方が好ましい。また、「午前11時から午前12時30分」ではなく「午前11時から午後0時30分」の方が好ましい。
  4. ^ 英米では午前12時台は深夜のこと、午後12時台は昼のことを指す。このため、時計メーカーでは、輸出の関係で、デジタル時計の12時間表示を英米式に合わせているものが多い。(午前と午後#午前12時と午後12時参照)
  5. ^ 情報通信研究機構
  6. ^ 国立天文台
  7. ^ パナソニック