機甲艦隊ダイラガーXV
『機甲艦隊ダイラガーXV』(きこうかんたいダイラガーフィフティーン、XVはローマ数字の15)は、1982年(昭和57年)3月3日から1983年(昭和58年)3月23日までテレビ東京系で毎週水曜日17:55 - 18:25に全56話(本編52話)が放送された、東映、東映動画製作のロボットアニメ。
東映製作によるロボットアニメ路線の通算第7作目。本作からそれまでの外部会社製作から東映動画の製作に変更した。ロボットしては過去最多の15機合体と15人のパイロットの存在が本作の特徴である。物語は『宇宙戦艦ヤマト』を彷彿とさせる宇宙海洋ロマンとなっており、敵であるガルベストン帝国側にもドラマが用意されている。
あらすじ
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
地球人類が宇宙に進出している時代。友好関係にある地球・ミラ星・サラ星は、各惑星から選抜された安芸マナブら15人のメンバーと、15体合体ロボ・ダイラガーから編成される「ラガーガード」を設立、外宇宙の探索に送り出した。だが、その行く先には滅亡に瀕した母星を後にし宇宙をさまようガルベストン帝国が立ちはだかる。
登場人物
地球人以外に宇宙人もいるため、レギュラーメンバーにも肌が青色の者や、耳が尖った者がいる。それまでのTVアニメで主人公側に属した宇宙人キャラクターと言うと、滅んだ星の生き残り(『UFOロボ グレンダイザー』など多数)や敵方からの亡命者(『グロイザーX』など)などのゲスト的な存在ないしはマイノリティであり、地球人らとの完全なる共存・同盟関係にある設定は珍しかった。
クウ・ラガーチーム
シンボルカラーは赤。
- 安芸マナブ(ラガー1〈頭〉)(声:古川登志夫)
- 甲斐シノブ(ラガー2〈胸〉)(声:山本竜馬)
- ショーター・クロイツ(ラガー3〈右上腕〉)(声:塩屋浩三)
- 陸奥ヤスオ(ラガー4〈左上腕〉)(声:間嶋里美)
- パティ・エリントン(ラガー5〈胸板〉)(声:潘恵子)
カイ・ラガーチーム
シンボルカラーは青。
- ミランダ・キーツ(ラガー6〈腹〉)(声:堀秀行)
- 加賀ハルカ(ラガー7〈右腿〉)(声:飯塚はる美)
- サルタ・カッツ(ラガー8〈左腿〉)(声:佐藤正治)
- 出雲タツオ(ラガー9〈右脛〉)(声:大浜靖)
- バーロス・カラテヤ(ラガー10〈左脛〉)(声:山口健)
リック・ラガーチーム
シンボルカラーは黄。
- ワルター・ジャック(ラガー11〈腰〉)(声:森功至)
- モーヤ・キリガッス(ラガー12〈右下腕〉)(声:山口奈々)
- マック・チャッカー(ラガー13〈左下腕〉)(声:田中崇)
- 伊豆タスク(ラガー14〈右足首〉)(声:広森信吾)
- 長門カズト(ラガー15〈左足首〉)(声:大竹宏)
その他
- 伊勢シンジ
- 声:田中秀幸
- ティック・アシモフ
- 声:矢田耕司
- 出羽総司令
- 声:大竹宏
- 地球軍宇宙要塞の総司令官。27話でガルベストン軍の攻撃を受けるが撃退に成功する。
- ドクター・サーチ
- 萩司令
- 16話に登場。地球から支援艦隊を率いてやってきた。伊勢の説得により地球上層部の命令に逆らい撤退。
- 若狭長官
- 声:佐藤正治
- 地球本部長官。白髪の老人。
- 伊達司令
- 3惑星連合艦隊の司令官。
- デノン
- 声:間嶋里美
- 40話に登場した、鹿を連れた少年。しかしバトルマシンのせいで鹿の親子を失ってしまう。
- 森川
- 声:塩屋浩三
- 45話に登場。
- 佐藤
- 45話に登場。
ガルベストン帝国
- ソクラット・テレス司令
- 声:戸谷公次
- 司令官。穏健派
- ラッカル
- 声:銀河万丈
- 幹部。野獣っぽい。3話でアキレウスの爆発に巻き込まれてあっさり死亡。
- ドレイク隊長
- 声:山本竜馬
- 独立艦隊を率いる。15話で伊勢キャプテンと和平交渉を行った。23話で3惑星連合艦隊との激しい戦いの末戦死。
- ロッシェ
- 声:佐藤正治 → ?
- ドレイク隊長の部下。仮面らしきものをかぶっている。23話でドレイク隊長と運命を共にする。
- カポネーロ総司令
- 声:銀河万丈
- 帝軍総司令。24話でゴメス科学長官と共謀してテス内務長官を解任に追い込む。
- ロラン
- 声:銀河万丈
- 幹部。オレンジ色のヘッドギアが特徴。
- グラモン
- 声:銀河万丈
- シム
- 声:塩沢兼人
- 11話に登場したガルベストン軍の兵士。ラガーチームに救助され、出雲と交流を深めるがガルベストン軍の攻撃を受けて死亡。
- ラフィット隊長
- 幹部。16話でバラタリア隊長の反乱に荷担するが降伏する。27話で地球軍の宇宙要塞を攻撃するが返り討ちにあい戦死。
- バラタリア隊長
- 声:佐藤正治
- 幹部。好戦的ハゲ。16話で反乱をおこすが失敗、自殺する。
- ホンセー
- 17話より登場。ハゲ頭・あごヒゲが特徴的。
- ジゴローネ隊長
- 17話より登場。白髪ロン毛。
- マリエス隊長
- 18話より登場。黒髪。 基本的に穏健派だが、渋々ラフィットに従う。
- ルチアーノ司令
- 声:佐藤正治
- ガルベストン帝国二代目司令官。好戦的かつ狡猾。22話でテレス失脚の後を受けに就任。
- サーク
- 声:間嶋里美
- ガルベストン帝国王宮警備隊の女性。24話で可住惑星探査隊の副官となる。
- ソクラット・テス
- 声:蟹江栄司
- テレスの父。ガルベストン帝国の内務長官だったが、24話でカポネーロ総司令の陰謀により解任される。 ガルベストン帝国の初代司令官。穏健派。22話で失脚した後、24話で可住惑星探査隊の隊長となる。
- ゴメス科学長官
- 科学長官。24話でカポネーロ総司令と共謀してテス内務長官を解任に追い込む。
- コルセール帝
- ガルベストン帝国皇帝。
- チャーチ
- 帝軍所属。スキンヘッド。26話で戦死。
- ドール
- 帝軍所属。金髪というより黄色い髪の男。28話で戦死。
- ベッチラ
- 声:矢田耕司
- ガルベストン帝国軍の部隊長。33話で初登場。髪型が台形
- ブランク
- 33話に登場したガルベストン帝国軍の部隊長。隻眼。アシモフ率いる新連合艦隊の攻撃を受け戦死。
- ローチャー
- 地球方面攻撃隊長。顎にしわ有り。34話で初登場。 36話で地球側と和平交渉すると見せかけて伊勢を不意打ちする。
- ジャクソン
- 34話から登場した幹部の一人。こげ茶髪。
- ハドラー
- 34話から登場したの幹部の一人。
- マッケニー
- 34話から登場したの幹部の一人。黄髪・太いひげ。
- エンマ
- 34話から登場したガルベストン帝国の女隊長。水色髪。38話で地球軍の捕虜になるも脱走、ラガーガードに特攻して散る。
- ベルトラン
- 34話から登場したの幹部の一人。スキンヘッド・細ひげ。
- サムス
- エンマの副官。38話でエンマと運命を共にする。
- ダントン
- 39話に登場したガルベストン帝国艦隊の隊長。デブ。同胞を攻撃するなど残忍極まりない性格だが、意外とあっけなく戦死。
- アントノフ
- 声:塩沢兼人
- 39話に登場。ガルベストン帝国軍の隊長だが、地球人とラグビーで交流を深める。攻撃の巻き添えになって死亡。
- ジャクソン
- 34話から登場したガルベストン帝国の幹部の一人。こげ茶髪。抗戦派。41話ではなぜか髪が水色になっていた。
- ガーロ
- ガルベストン帝国の惑星探査隊長。戦闘は不得手。41話で第3惑星の探査に当たっていたが、地球軍の艦隊を見ただけで撤退。
- ローラン
- ガルベストン帝国軍所属。白髪。42話から登場。その他、44話で安芸チームを罠にかけたデブのガルベストン軍の隊長が登場。
登場メカ
ダイラガー
宇宙空母ラガーガードに搭載されている15台のラガーマシーンが「ダイラガー・ファイティング・フォーメーション!」の掛け声で合体して完成する巨大ロボット。身長60.0m、体重150.0t、動力は光子エネルギー。日本のアニメーションにおける主人公メカとしては最多数からの合体となるが、ラガー1(頭部)がドッキングしていない14機の状態で戦闘した事がある。なお、「ラガー」とはラグビー選手の意で、ラグビーが1チーム15人で行われることからのネーミングである。劇中で敵軍捕虜とラグビーによる文化交流をした回もある。量産型ダイラガーも存在するが、演習中に味方からの攻撃で撃破されるなど、オリジナルのダイラガーと比較すると、性能が低いような描写がなされた。
武器としてラガー・スウォード 、ダイラガーランサー、ダイラガータイフーン、ショットアロー、ダイラガーキルダーなど。必殺技は特に持たず、敵メカの多くはラガー・スウォードで一刀両断して撃破する。
ラガーマシーンは機体特性に合わせて5機ずつ陸海空のチームに分かれており、それぞれ合体して下記の中型メカになる。
- クウ・ラガー(ラガー1からラガー5:空挺形態。ダイラガー状態とはラガー5の向きが逆となる)
- カイ・ラガー(ラガー6からラガー10:両脚でラガー6をはさんだ双胴潜水艦)
- リック・ラガー(ラガー11からラガー15:ラガー14、15の上に他3機を載せた戦闘車両)
ダイラガーのデザインをしたのはスポンサーのポピーの村上克司。当初はただの15体合体だったが、上野和典の発案で、陸海空の各チームによる合体形態が採用された。ちなみに合体可能なダイラガーの玩具ではプラスチック製のDX機甲合体と中型メカのみ分離可能なDX超合金が発売された。[1]。
銀河警備軍艦艇
- 巡洋戦艦 ブライトスター級 - 初期の銀河警備軍最大の軍艦。多くの数が配備が成されている。新連合艦隊登場以前の主力艦。
- 巡洋艦 サタニア級 - 両舷に短砲身の大型砲を備えた巡洋艦。途中でほとんど見かけなくなる。
- 駆逐艦 マーキュリー級 - 大量に配備されている駆逐艦。撃たれ弱い。
- 新連合艦隊戦艦 - 白く美しい船体の新型戦艦。両舷に内蔵式の大型砲を装備する。
- サラ星艦隊 - 青白い色の異形の船で構成される。銀河警備軍とは指揮系統が別。
- ミラ星艦隊 - 茶色い色の異形の船で構成される。ほとんど団子の様な外見。
- ガルベストン艦隊
- 万能ミサイル“ピラニアー” - ガルベストン艦隊に質的に対抗不能と悟った銀河警備軍が導入した対艦対空の両用ミサイル。艦艇の外部に剥き出しで外装されて運搬される。
戦艦以下の艦艇
地球を主軸とする銀河警備軍の艦艇を、個別の性能では凌駕する性能を持つ。特に艦載機の性能は圧倒的。
- 突撃艇 - コックピットが無い、ガルベストンの戦闘艇。強力だが、ラガーチームには薙ぎ倒されている。
- 指揮艇 - 乗員が艇の上に剥き出しで、仁王立ちになっている。
スタッフ
- 企画:吉川進(東映テレビ事業部)及部保雄(東映エージエンシー)、斉藤侑(東映動画)
- 原作:八手三郎
- シリーズ構成:藤川桂介
- 脚本:藤川桂介、田口成光
- 音楽:横山菁児
- キャラクターデザイン:清山滋崇
- メカニックデザイン:Y&K、増尾隆之、村上克司
- 作画監督:菊池城二、朴雪亨、今川よしみ、森利夫、金子大、しんそういち、金本周二
- チーフデザイナー:椋尾篁
- 美術:窪田忠雄、池田祐二、本間薫、伊藤豊、鹿野良行
- チーフディレクター:森下孝三
- 演出:森下孝三、伊東政雄、山内重保、生頼昭憲、川田武範、箕ノ口克己、長尾粛、久岡敬史
- コンテ:棚橋一徳、山内重保、落合正宗
- 制作担当:佐伯雅久
- 特殊効果:谷藤薫児、中島正之
- 制作協力:大元動画
- 撮影:岡芹利明→玉川芳行
- 編集:祖田富美夫
- 録音:蔵本貞司
- 効果:伊藤修(フィズサウンドクリエイション)
- 選曲:白井多美雄
- 製作進行:伊東政雄、江幡宏之、栗山美秀、有迫俊彦、浅田裕二、渡辺正彦、長尾粛、根岸弘
- 記録:樋口裕子
- 現像:東映化学
- 制作:東映動画、東映エージエンシー
主題歌
- オープニングテーマ「銀河の青春」
- 作詞:藤川桂介、作曲:横山菁児、歌:川津恒一
- エンディングテーマ「愛をつたえる旅」
- 歌:川津恒一
放送リスト
カッコ内は登場したメカ。
- 激突する銀河(バルカム3)
- 孤独な守備隊
- さらばアキレウス(なし)
- 地獄への救助命令(ソーラX-II)
- 実験惑星の攻防
- 流星雨に散れ
- 救援艦隊全滅(ローダ)
- 二連星の亡霊(ゲド)
- 栄光の決死隊
- 宇宙要塞奇襲さる
- つかの間の休戦(なし)
- 宇宙の樹海伝説
- 心のなかの敵
- 反撃·地球艦隊
- 宇宙会談決裂(ユルコンIV)
- 二つの反逆(なし)
- アシモフ帰還命令(なし)
- 一触即発
- 赤い月が昇る
- 惑星Kの死闘(ブラー)
- 立て、銀河警備軍
- テレス司令失脚
- 惑星K奪還作戦
- 暴動·ガルベストン
- 光芒惑星の苦闘(マービル)
- 地惑星の罠
- 宇宙要塞攻略
- エルドラの悲願
- 宇宙砦の反乱
- 地球非常事態
- 敵司令部を探せ
- 前線基地撃破(ナズカIII)
- 新連合艦隊来援(グラヴIII)
- 燃える空洞惑星
- 陸奥よ立ち直れ
- 必死の海中合体(デュームa)
- 消えたクウ·ラガー
- 女隊長エンマ(バルナルモZ)
- ラガーマンの涙
- デノン少年と大鹿(バルゲンZII)
- 新大陸惑星発見
- 危機迫る可住惑星
- テレスとアシモフ(デュームa)
- 安芸チーム捕まる(ガガル558)
- 第3惑星を守れ(ナルバSS-58)
- 探査基地陥落
- 姿なき超兵器(ゴーヴァ)
- 第10番惑星突破(ゾード)
- 絶対防衛圏進入
- ガルベストン攻撃隊
- 地下都市大激戦
- 銀河の夜明け
再放送
2004年2月から7月まで、東映チャンネルの「スーパーロボット列伝」にて再放送された。
東映アニメBBプレミアムにて全話ネット配信されている。
脚注
- ^ THE・超合金より。
関連項目
テレビ東京 水曜18時台前半 | ||
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機甲艦隊ダイラガーXV
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