本宮映画劇場

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本宮映画劇場
Motomiya Movie Theater

地図
情報
旧名称 本宮座
開館 1914年
閉館 1963年8月
収容人員 800人
用途 映画上映、イベント
所在地 969-1133
福島県本宮市本宮字中條9
位置 北緯37度30分46.8秒 東経140度24分03.0秒 / 北緯37.513000度 東経140.400833度 / 37.513000; 140.400833 (本宮映画劇場
Motomiya Movie Theater
)
座標: 北緯37度30分46.8秒 東経140度24分03.0秒 / 北緯37.513000度 東経140.400833度 / 37.513000; 140.400833 (本宮映画劇場
Motomiya Movie Theater
)
アクセス JR東北本線本宮駅から徒歩3分[1]
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本宮映画劇場(もとみやえいがげきじょう)は、福島県本宮市本宮字中條9にある建築物。1963年(昭和38年)8月まで芝居小屋映画館として使用されていた。旧称は本宮座(もとみやざ)。

特色

設備・建築

木造3階立てであり、800人(最大1000人)を収容することが出来た。ロビーには北大路欣也小林旭などの俳優や昭和映画のポスターが貼ってある[1]。安全面を考慮して2階と3階の桟敷席を壁でふさぐ修繕こそ行ったが、レトロな外観と内装は保持されている。1957年(昭和32年)製のカーボン式映写機を所有している[2]

企画

閉館から50年以上経っても映写機が動かせる状態を保っている[3]。年に数回の頻度で上映会を開催しており[2]、イベント会場、コンサート会場、ロケ地としても利用されている[4]

歴史

営業時

安達郡本宮町の大地主で政治家でもあった小松茂藤治を中心とする有志によって、1914年(大正3年)に芝居小屋兼公民館として本宮座が建設された[5]。定舞台(じょうぶでい)とも呼ばれ[5]、戦前には無声映画・芝居・浪曲などの興行を行った[2]。公会堂のような役割を果たしていた時期もあり[6]プロレス会場として利用された記録も残る[6]

戦時中の1943年(昭和18年)には田村寅吉が買い取り、本宮映画劇場に改称した[5]。1954年(昭和29年)には田村寅吉が急逝し、息子の田村修司が経営を引き継いだ[2]。1955年(昭和30年)公開の日活作品『警察日記』は本宮駅などでもロケが行われ、東京での封切りと同時に公開できたこともあって、3日間で30万円の興行収入があるほどの大ヒットだった[5]。戦後の映画ブーム時には大盛況だったが、1960年代に入るとテレビの普及などで観客数が急減し、1963年(昭和38年)8月に閉館した[2]

閉館後

田村修司は自動車のセールスマンに転職し、約3年間で映画館時代の借金を返済するとともに[5]、映写機やフィルムの手入れなどは続けた[1]。65歳で定年を迎えた頃にはシネマコンプレックスが主流の時代となっており、本宮映画劇場の営業再開は現実的ではなかったが、2008年(平成20年)には知り合いの眼科医の提案で上映会を開催し、45年ぶりに有観客での上映を行った[2]。この上映会後には約150人が集まり[5]、新聞などでも報じられたこともあって、全国から見学者が訪れるようになった[2]

2014年(平成26年)には開館100年を記念して「100年上映会」を開催した[2]。2019年(令和元年)10月の令和元年東日本台風では浸水被害を受けた[1]。2021年(令和3年)には田村修司の娘の田村優子によって、筑摩書房から『場末のシネマパラダイス 本宮映画劇場』が刊行された。

脚注

  1. ^ a b c d 水没した本宮映画劇場、再起信じ 復旧の矢先にコロナ禍”. 朝日新聞 (2019年10月13日). 2021年12月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 福島シネマストーリー 本宮映画劇場」『日刊CJ Monmo』pp. 85-87
  3. ^ 本宮映画劇場 (2020年4月6日). “全国の映画館の皆様”. @motomiyaeigeki. 2020年4月6日閲覧。
  4. ^ 「27日のコンサートまでには何とかしたい…」台風19号で浸水被害に遭った東北最古の映画館館長 福島県本宮市”. AbemaTIMES (2019年10月15日). 2020年4月6日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 本宮映画劇場・本宮市 待ち続けた『復活の時』」『福島民友新聞』2021年1月31日
  6. ^ a b 大正ロマンの映画劇場で懐かしの映画を観るぜいたく 福島の「ニュー・シネマ・パラダイス」”. おたくま経済新聞 (2018年11月16日). 2020年4月6日閲覧。

外部リンク