未来惑星ザルドス
未来惑星ザルドス | |
---|---|
Zardoz | |
監督 | ジョン・ブアマン |
脚本 | ジョン・ブアマン |
原作 | ジョン・ブアマン |
製作 | ジョン・ブアマン |
出演者 | ショーン・コネリー |
音楽 | デイヴィッド・マンロウ |
撮影 | ジェフリー・アンスワース |
編集 | ジョン・メリット |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 | 1974年8月10日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 |
アイルランド アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 100万ドル |
『未来惑星ザルドス』(みらいわくせいざるどす、Zardoz)はジョン・ブアマン監督、ショーン・コネリー主演の1974年に製作されたアイルランド・アメリカ合作映画である。100万ドルというわずかな予算で製作された。ブアマン自身による小説版も存在する(『未来惑星ザルドス』、筒井正明訳、立風書房、1974年)。
あらすじ
2293年の未来、人類は不老不死の「エターナル(Eternals)」と死のある「獣人(Brutals)」に分かれ、エターナルはボルテックスという土地に住み、獣人は荒廃した土地でエターナルのために食料を生産していた。二つの世界は見えない力学的なバリアによって隔離され、ザルドス(Zardoz)という名の、人の頭部を模した空飛ぶ石像のみが往来可能であり、ザルドスは穀物を受け取る代わりに獣人の中から選んだエクスターミネーターという殺し屋集団に武器を渡していた。
あるとき、エクスターミネーターのリーダー、ゼッド(Zed)は、貢物の穀物に紛れて、ザルドスに乗り込み、ボルテックスへ旅立つ。飛行中にゼッドはザルドスを操るエターナルのアーサー・フレイン(Arthur Frayn)を撃つが、アーサーは空中に放り出される(映画は落下中と思われるアーサーから観客に向けられたメッセージで始まる)。
ボルテックスに着いたゼッドはメイ(May)という女性エターナルに捕獲され、彼女とコンスエラ(Consuella)という女性エターナルは、テレパシーによる尋問を行うが、ゼッドは記憶を途中で遮断しており、ボルテックスに来た目的や方法といった肝心な情報は得られなかった。彼女らは観察のためにゼッドを3週間ほど生かしておくことで合意し、ゼッドはエターナルの男性フレッド(Friend)に預けられ、肉体労働などの使役を受けることになった。
フレッドはゼッドに、エターナルの社会の仕組みを見せ、ボルテックスはタバナクル(Tabernacle)という中央コンピューターによって支配され、エターナルは脳に埋め込まれたクリスタル(チップ)によってテレパシー能力を持つが、常に思考を監視され、不穏な思考や反逆思考の持ち主には、歳を取らせるという刑罰が与えられるディストピアであること、ボルテックスは当初科学者の理想郷として建設され、人類への貢献が期待されたが、不死不老ゆえの熱意の枯渇により結局ほとんど成果を出せず、エターナルは目的を失って無気力状態に陥っていることなどを、徐々に理解させて行った。
また、この過程で、ゼッドと接触したエターナルの中には、ゼッドを、彼らの不死と言う名の牢獄に終焉をもたらす解放者と見なすものが現れるようになった。
一方メイはゼッドの遺伝子を解析し、ゼッドは普通の獣人とは異なっており、精神的、肉体的能力はエターナルをも凌ぐ可能性があることを見出し、再度ゼッドの尋問を試み、核心的な謎が明らかになる。
ゼッドはボルテックスに来る前に、アーサー・フレインに導かれて、図書館の廃墟で、『オズの魔法使い』(The Wonderful Wizard of Oz)という古い本を見せられ、「Zardoz」の語源を知ることになった(ゼッドは、以前から図書館の廃墟で、独学で文字をマスターしていた)。
本のストーリーを理解したゼッドに、今まで絶対的な神と崇めていたザルドスが作り物の偽者ではないかとの疑念が芽生える。ゼッドはこれを確かめるために、仲間と謀ってボルテックスに侵入し、裏切り行為が明らかになった場合は復讐しようと企てていたのだった。また尋問の過程で、ゼッドは生きることに退屈したアーサー・フレインによって、エターナルに「死」を復活させるために、(遺伝子操作などによって)創造された存在であることが明らかになる。
コンスエラは、ゼッドをボルテックスを破局に向かわせる存在であると見なし、殺害しようと追い回すが、ゼッドは、メイやフレッド、彼を解放者と見なすエターナルの協力者の手助けで生き延びる。
エターナルたちは、ゼッドに今まで人類が蓄積した全ての知識を移植し、ゼッドはタバナクルの正体に気づく。解放者としての使命を自覚したゼッドは、仲間のエクスターミネーターたちを呼び込むためにタバナクルを破壊し、これによってボルテックスのバリアは消失し、ザルドスも墜落する。ゼッドとエクスターミネーターたちは殺戮を行い、ボルテックスを地獄絵図に変えるが、エターナルたちはむしろそれを喜んで受け入れて滅びていく。
ゼッドはコンスエラを連れて落ち延び、墜落したザルドスの残骸の中に2人で隠れ住み、子供を産み、育て、老いて死に、骨となり、最後はその骨も消えて、錆びた拳銃と2つの手形が映るシーンで終わる。
スタッフ
- 製作・監督・脚本:ジョン・ブアマン
- 音楽:デイヴィッド・マンロウ
- 楽曲引用:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 交響曲第7番第2楽章より
- 撮影:ジェフリー・アンスワース
- 編集:ジョン・メリット
- 美術:アンソニー・プラット
- 衣裳:クリステル・クルーズ・ブアマン
- 提供:ジョン・ブアマン・プロダクションズ
- 配給:20世紀フォックス
キャスト
※括弧内は日本語吹き替え
- ゼッド - ショーン・コネリー(北村和夫)
- コンスエラ - シャーロット・ランプリング(新橋耐子)
- メイ - セーラ・ケステルマン(原知佐子)
- フレッド - ジョン・アルダートン(石田太郎)
- アヴァロウ - サリー・アン・ニュートン
- アーサー・フレイン - ナイオール・バギー(穂積隆信)
- 日本語版:初回放送1977年5月18日(水)日本テレビ『水曜ロードショー/SF未来惑星ザルドス』※DVDにも収録
外部リンク
- Zardoz – Photos
- 未来惑星ザルドス - allcinema
- 未来惑星ザルドス - KINENOTE
- Zardoz - オールムービー(英語)
- Zardoz - IMDb(英語)
- Zardoz - Rotten Tomatoes(英語)
- Zardoz - Box Office Mojo(英語)