有馬直純
| 時代 | 安土桃山時代 - 江戸時代前期 |
|---|---|
| 生誕 | 天正14年（1586年） |
| 死没 | 寛永18年6月3日（1641年7月10日） |
| 改名 | 忠清（初名） |
| 戒名 | 月光院殿金吾身誉崇出大居士 |
| 霊名 | ミゲル |
| 墓所 | 福井県坂井市の白道寺 |
| 官位 | 従五位下、左衛門佐 |
| 幕府 | 江戸幕府 |
| 藩 | 肥前日野江藩主→日向延岡藩主 |
| 氏族 | 肥前有馬氏 |
| 父母 | 父：有馬晴信、母：大上（山田純規の娘） |
| 兄弟 | 直純、西郷純経室、富蘭、於松、実尊、純貞、菊亭季持のち有馬重経室、酒井摂津守室 |
| 妻 | 正室：マルタ（小西如清の娘）、継室：国姫（本多忠政の娘・徳川家康の養女） |
| 子 | 康純（長男）、純政（次男）、本多政勝正室、本多政勝養女、秋元富朝正室、有馬純親室、黒田高政正室 |
有馬 直純（ありま なおずみ）は江戸時代初期の大名。晴信系有馬家2代。ミゲルの洗礼名を持つキリシタン大名であったが棄教し、迫害者となった。
生涯
天正14年（1586年）に肥前国日野江城（現在の長崎県南島原市、国の史跡）で有馬晴信の嫡子として生まれる。慶長5年（1600年）、15歳から親元を離れ、駿府城（現在の静岡県静岡市）にて徳川家康に側近として仕える。慶長15年（1610年）、26歳の直純はキリシタンであった妻マルタ（小西行長の姪）を離縁して家康の養女であった18歳の国姫（桑名藩10万石藩主・本多忠政の娘、松平信康の孫娘）を正室として娶った。慶長17年（1612年）、父・晴信は岡本大八事件の責任を問われて、改易された上で後に死罪となった（この際、直純は早期の家督継承と、妻国姫の意向を受けてキリシタンとの縁を切るべく、蟄居先の父を処断するように幕臣へ訴えたともされる）。しかし直純は家康との縁が深かったために連座を免れ、父の所領を受け継いで肥前日野江藩主となった。幕命によってキリシタンを迫害した。慶長18年（1613年）4月25日には亡父と流罪になったキリシタンの後妻ジュスタの間に生まれた8歳と6歳の異母弟（フランシスコ（富蘭）とマティアス（於松）という洗礼名のみ残る）を殺害している。
しかし、父を裏切って領民を迫害したことから良心の呵責に耐えかねて嫌気がさし、幕府に転封を願い出て慶長19年（1614年）7月に日向延岡に5万3千石の所領を与えられた。寛永14年（1637年）に旧領で起こった天草・島原の乱には、地理に明るいことから4,000名近い軍団を率いて征伐軍に加わり、乱を起こした自らの旧臣や元領民と対決した。この時、豊前中津藩主小笠原長次配下の軍監として参戦していた宮本武蔵（当時56歳）から書簡を受け取っている（書簡の原本は吉川英治記念館（東京都青梅市）所蔵）。
寛永18年（1641年）4月28日、参勤交代の途中、大坂屋敷にて死去。一説には明石沖の船中にて死去とも言われる。享年56。
有馬家は息子の康純、孫の清純の代まで延岡を領したが、失政の責任を問われ改易となり、越後糸魚川、次いで越前丸岡へと移った。
