新井千鶴
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基本情報 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラテン文字 | Chizuru Arai | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国 | 日本 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出生地 | 埼玉県大里郡寄居町 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1993年11月1日(30歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
身長 | 172cm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
選手情報 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
階級 | 女子70kg級 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新井 千鶴(あらい ちづる、1993年11月1日 - )は、埼玉県大里郡寄居町出身の、日本人の女子柔道選手である[1]。階級は70kg級。身長172cm。血液型はO型。段位は弐段。組み手は左組み。得意技は出足払[2]。現在は三井住友海上に所属している[3]。
経歴
幼稚園の時はサッカーに取り組んでいた。柔道は小学校1年の時に3歳年上の兄が柔道を勧められると、自分もやってみたいと言い出したことで、近所にある男衾柔道クラブで始めた[2]。男衾中学時代には女子が他にいなかったので1人でがむしゃらに練習していたが、関東大会で3位になったものの、全国中学校柔道大会には出場できなかった。その後児玉高校に進むと、3年の時に関東高校柔道大会70kg級でオール一本勝ちの優勝を成し遂げた際に、三井住友海上監督の柳澤久とコーチの上野雅恵にスカウトされた[1][4]。続いてインターハイでも決勝で大成高校3年の古屋梓を判定で破って優勝を飾った[1]
2012年には三井住友海上所属となると、9月の全日本ジュニアでは決勝で高岡龍谷高校3年の長内香月に有効で敗れて2位だったが、アジアジュニアでは優勝を飾った。11月の講道館杯で3位になると、ワールドカップ・チェジュでシニアの国際大会初優勝を飾った[1]。
2013年6月の実業団体では優勝を飾った。7月にはグランドスラム・モスクワで2位になると、9月の全日本ジュニアでは決勝で筑波大学2年の古屋を技ありで破って優勝を果たした。10月の世界ジュニアでは準決勝でフランスのマルゴー・ピノを指導1で破るが、決勝でクロアチアのバルバラ・マティッチに大内刈で敗れて2位に終わった。また、団体戦では決勝のフランス戦でピノに指導2で敗れたものの、チームは優勝を飾った。今大会では三井住友海上の同期である78kg級の吉村静織、78kg超級の稲森奈見がそれぞれ優勝を飾ったものの、自分だけが優勝できなかったことで号泣して暫く落ち込むことになった[1][5]。11月の講道館杯では決勝で環太平洋大学4年のヌンイラ華蓮に小内刈で敗れた。グランドスラム・東京では準決勝で世界チャンピオンであるコロンビアのユリ・アルベアルを肩固で破ると、決勝でも世界ランキング1位であるオランダのキム・ポリングを内股の有効で破って優勝を飾った。この際に、「強い相手と試合をやるのは楽しいので」、「目標の五輪出場に向けて、今は結果を残していきたい」とコメントした[6][7][4]。
2014年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは3位だった[2]。4月の選抜体重別では初戦で敗れて世界選手権代表の座を逃した[2]。9月のアジア大会では決勝で地元韓国のキム・ソンヨンに技ありで敗れて2位に終わった[8]。団体戦の決勝では個人戦に続いてキム・ソンヨンと対戦すると、今度は指導1で勝利してチームの優勝を決めた[9]。11月の講道館杯では決勝で綜合警備保障の田知本遥にGSに入ってから指導2で敗れて2位に終わった。12月のグランドスラム東京では初戦でロシアの選手に敗れた[2]。
2015年2月のヨーロッパオープン・ソフィアではオール一本勝ちで優勝を飾った[10]。 続くグランプリ・デュッセルドルフでも準決勝まで全て一本勝ちすると、決勝でも地元ドイツの選手を有効で破って優勝した[11]。 4月の体重別では決勝で田知本に指導2で敗れて2位にとどまるも、国際大会での成績が勘案されて世界選手権代表に選出された[12][13]。5月のワールドマスターズでは3位だった[14]。8月の世界選手権では準決勝でフランスのジブリズ・エマヌと対戦すると、指導2を先取されるも終盤に大内刈で一旦は有効を取って逆転したかに思えたが、そのポイントをジュリーに取り消されて敗れると、3位決定戦でもフランスのファニー=エステル・ポスビトに谷落で敗れて5位に終わった。結果として今大会の女子代表9名のうち、ただ1人メダルを逃すことになった。試合後のインタビューでは、「力不足で負けたというしかない。やってきたことは出せたが、結果が出なかった。最低でも銅メダルは欲しかった。リオ五輪の代表に必ずなるという思いでやる。」と語った[15][16]。世界団体では決勝のポーランド戦でキャサリン・クライスに指導1で勝利するなど3戦全勝して、チームの優勝に貢献した[17]。10月のグランドスラム・アブダビでは準決勝でポリングに有効で敗れるも、3位決定戦でマティッチを有効で破って3位になった[18]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で国士舘大学1年の池絵梨菜に横四方固で一本勝ちすると、決勝ではコマツの大野陽子との対戦となった。最初の1分半で指導3まで取られるが「負けている感じはしなかった」と反撃に出て終了直前に追いつくと、GSに入ってから3分29秒を経過したところで相手のかけ逃げで反則勝ちを収めて熱戦に終止符を打ち、今大会2年ぶり2度目の優勝を飾った。その際の優勝インタビューでは次のように語った。「私の場合、今回に限らず相手に先行されることが多いので、そういったところは改めて注意していかなくてはならないと思います。とにかく勝ちたいという素直な気持ちで試合に臨んでいた時期に比べると、相手からも研究されている状況の中で戦わないといけない今の方が厳しいですが、また昔のような自信のある思い切った試合をする必要がありますね。」[19][20][21]。
2016年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは準決勝で地元ドイツのラウラ・ヴァルガス=コッホを縦四方固で破るが、決勝ではオーストリアのベルナデッテ・グラフに強引な大内刈を裏投げで切り返されて今大会2連覇はならなかった。試合後には、「課題として取り組んできたこと(不十分でも積極的に仕掛ける)を出せたところもある。最後は甘かった」と語った[22]。4月の選抜体重別では決勝で田知本に有効で敗れて昨年に続き2位に終わって、リオデジャネイロオリンピック代表には選出されなかった[23][24]。
IJF世界ランキングは1212ポイント獲得で10位(16/5/2現在)[25]。
戦績
- 2011年 - インターハイ 優勝
- 2011年 - 全日本ジュニア 3位
- 2011年 - エクサンプロヴァンスジュニア国際 優勝
- 2012年 - ベルギージュニア国際 優勝
- 2012年 - 全日本ジュニア 2位
- 2012年 - アジアジュニア 優勝
- 2012年 - 講道館杯 3位
- 2012年 - ワールドカップ・チェジュ 優勝
- 2013年 - ヨーロッパオープン・ソフィア 3位
- 2013年 - 実業団体 優勝
- 2013年 - グランドスラム・モスクワ 2位
- 2013年 - 全日本ジュニア 優勝
- 2013年 - 世界ジュニア 個人戦 2位 団体戦 優勝
- 2013年 - 講道館杯 2位
- 2013年 - グランドスラム・東京 優勝
- 2014年 - グランプリ・デュッセルドルフ 3位
- 2014年 - 全日本選手権 5位
- 2014年 - グランドスラム・チュメニ 3位
- 2014年 - アジア大会 個人戦 2位 団体戦 優勝
- 2014年 - 講道館杯 2位
- 2015年 - ヨーロッパオープン・ソフィア 優勝
- 2015年 - グランプリ・デュッセルドルフ 優勝
- 2015年 - 選抜体重別 2位
- 2015年 - ワールドマスターズ 3位
- 2015年 - 実業団体 優勝
- 2015年 - 世界団体 優勝
- 2015年 - グランドスラム・アブダビ 3位
- 2015年 - グランドスラム・東京 優勝
- 2016年 - グランプリ・デュッセルドルフ 2位
- 2016年 - 選抜体重別 2位
(出典[2]、JudoInside.com)。
脚注
- ^ a b c d e 「解体新書 新井千鶴」近代柔道 ベースボールマガジン社、2014年3月号、30-33頁
- ^ a b c d e f 「柔道全日本強化選手名鑑 2016」近代柔道 ベースボールマガジン社、2016年4月号
- ^ 選手プロフィール : 新井 千鶴 | 三井住友海上
- ^ a b 20歳の新星・新井V!世界女王を一本、ランク1位に優勢/柔道 サンケイスポーツ 2013年12月1日
- ^ Junior World Championships, Ljubljana 2013 DAY 5
- ^ 新井、中矢らが優勝=日本勢、全階級制す-柔道グランドスラム東京 時事通信 2013年11月30日
- ^ 苦戦の70キロ級に大器=20歳新井、強豪撃破-柔道グランドスラム東京 時事通信 2013年11月30日
- ^ 秋本2連覇、山本も金=アジア大会・柔道 時事通信 2014年9月21日
- ^ 柔道・団体 女子「金」 闘志前面 MSN産経ニュース 2014年9月24日
- ^ 新井、高山が優勝=柔道欧州オープン 時事通信 2015年2月9日
- ^ 大野、一本勝ちで優勝 女子70キロ級・新井もV ドイツGP スポーツニッポン 2015年2月22日
- ^ 海老沼、田知本姉妹がV 柔道の全日本選抜体重別選手権 日本経済新聞 2015年4月5日
- ^ 海老沼、中矢ら選出=世界選手権代表-柔道 時事通信 2015年4月5日
- ^ 永瀬が優勝=柔道マスターズ 時事通信 2015年5月25日
- ^ 新井、メダル逃して涙「力不足だった」/柔道 サンケイスポーツ 2015年8月28日
- ^ 世界柔道・談話 時事通信 2015年8月28日
- ^ 日本、団体で男女アベック優勝 柔道世界選手権 日本経済新聞 2015年8月30日
- ^ 新井は3位=柔道グランドスラム 時事通信 2015年10月31日
- ^ 新井 女子70キロ級2年ぶり女王 不振脱出リオ代表グイッ スポーツニッポン 2015年12月6日
- ^ 新井が大野と決勝、延長「がむしゃら」2度目頂点 日刊スポーツ 2015年12月6日
- ^ 優勝選手インタビュー 女子70kg級 新井千鶴
- ^ 新井「最後は甘かった」 V逸も悲観せず サンケイスポーツ 2016年2月22日
- ^ 最重量級は原沢が初優勝 女70キロは田知本遥が2連覇/柔道 サンケイスポーツ 2016年4月2日
- ^ 柔道五輪代表に近藤亜美、松本薫、大野将平ら発表 日刊スポーツ 2016年4月3日
- ^ World ranking list
外部リンク
- 新井千鶴 - JudoInside.com のプロフィール(英語)
- ARAI Chizuru