張愛玲
張愛玲 アイリーン・チャン | |
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プロフィール | |
出生: | 1920年9月30日 |
死去: | 1995年9月8日 |
出身地: | 中華民国上海市 |
職業: | 作家 |
各種表記 | |
繁体字: | 張愛玲 |
簡体字: | 张爱玲 |
拼音: | Zhāng Àilíng |
ラテン字: | Chang Ailing |
和名表記: | ちょう あいれい |
発音転記: | チャン・アイリン |
英語名: | Eileen Chang |
文学 |
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作家 |
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張 愛玲(ちょう あいれい、アイリーン・チャン、英: Eileen Chang、1920年9月30日 - 1995年9月8日)は、中国の小説家。代表作に『金鎖記』『傾城之恋』『半生縁』『怨女』『赤地之恋』『秧歌』などがある。小説家としての執筆活動のほか、香港電懋電影公司の『南北一家親』など6本の脚本を書いたり、翻訳、考証に携わった。
経歴
1920年(1921年という説も)、張志沂(1896年 - 1953年)と黃素瓊(1893年 – 1957年)の長女として上海で生まれる。祖父は清朝末期の大臣張佩綸(1848年 - 1903年)、祖母は清朝末期の洋務運動の指導者の一人であった李鴻章(1823年 - 1901年)の長女・李菊藕(1866年 - 1912年)であった。生まれた当初は、張煐と呼ばれていた。1922年、一家は天津に引越し、張愛玲は4歳のときに私塾に入った。1928年上海に戻る。
1930年、中学校に進学する際に張愛玲に改名する。同年、両親が離婚。1931年に上海にあった米国聖公会の聖マリア女学校に進学、翌年には処女作となる短編小説『不幸的她』を校内の刊行物に発表。
1939年に香港大学に進学。成績優秀でロンドン大学への留学の機会もあったが、戦争の悪化により学業を中断せざるをえず、上海に戻って文学創作活動に勤しんだ。
1943年、『沈香屑 第一炉香』、『傾城之恋』、『心経』など、代表作となる作品を発表。同年に汪兆銘の傀儡政権幹部の胡蘭成と知り合い、翌年に結婚。しかし、結婚期間は長くなく1947年に離婚している。
1952年、香港に再び移り住む。彼女は香港における米国新聞局で翻訳の仕事を勤めたり、小説『秧歌』『赤地之恋』の執筆を開始する。この小説のストーリーの背景には「三反五反運動」時代がある。これらの作品は、当時の中国の思想と相容れぬものがあったため、「毒草」と批判を受けた。
1955年、アメリカに移り住む。1956年に劇作家のライヤーと知り合い結婚。また中国の文学界においては、張愛玲自身も長きに渡って典型的な悪玉と見なされ、改革開放後にようやく見直されることとなった。
1967年、夫ライヤーが死去。清朝の長編小説「海上花列伝」の英文翻訳に取り掛かる。1973年にロサンゼルスに移り住む。1995年9月8日、ロサンゼルスで死去、74歳であった。
作品・評価
張愛玲は多くの作品を残したが、小説のほかにも散文、映画脚本、文学論も書いている。また彼女の書いた書簡も研究者の研究対象となっている。張愛玲の作品のうち『怨女』『流言』『半生縁』『張愛玲短編小説集』は、1960・70年代前後に台北の皇冠出版社から改めて出版され、1980年代に海外で大いに売り出された。張愛玲の小説のスタイルは、戦後台湾の文壇における小説の流派に、大きな影響を残している。
2004年2月、台湾皇冠文化集団が設立50周年を記念して、張愛玲の遺作『同学少年都不賎』を出版すると公表した。中国でも簡体字版が天津人民出版社によって発行されており、現在は、台湾・香港・大陸全域で広く読まれ、その文体と才能が賞讃されている。
また、海外学界での評価も著しく高い。南カリフォルニア大学教授のDominic Cheungによれば、「国民党と共産党の政治的分裂がなければ、ノーベル賞を受賞していたはずだ」と述べ[1]、世界的な中国文学評論家夏志清)は、二十世紀最高の中国文学者は魯迅と張愛玲の二人であると述べ、特に『中国現代小説史』においては張愛玲を魯迅を越える面が多いとして激賞している。[2]魯迅の相対的に低い評価は批判を招いたが、張愛玲の評価が高まるにつれて理解されつつある。なお、それに比べ、日本においては、魯迅に比べて知名度が極端に低く、訳書も少ない。魯迅の文体は簡潔であり、思想に重点をおいているため、日本語に翻訳しやすいが、張愛玲の特長の一つは華麗な文体にあり、読みやすい日本語に訳せば彼女の美文が消えてしまい、美文を残そうとすれば成語(四字熟語)ばかりの中国語直訳調になってしまう。この翻訳の難しさが訳書の数を少なくしている上、訳書では彼女の美麗な文体が消えてしまっていて作品の魅力が半減している、と考えられる。
主な著作
短編小説
- 『秧歌』("The Rice Sprout Song: a Novel of Modern China")
- 『金鎖記』("The Golden Cangue"):テレビドラマ化され、リメイクもされた。
- 『第一爐香』
- 『傾城之恋』("Love in a Fallen City"):映画化、舞台化されている。
- 『色・戒』("Lust, Caution"):映画化されている。
中編小説
- 『小艾』
- 『同学少年都不賎』
長編小説
- 『十八春』:後に『半生縁』と改題して書き改められる。/『半生縁』:映画化、テレビドラマ化、舞台化されている。
- 『赤地之恋』("Naked Earth")
- 『怨女』("The Rouge of the North"):映画化されている。
- 『流言』("Written on Water")
- 『紅楼夢魘』
- 『海上花列伝』("The Sing-song Girls of Shanghai"):『海上花』として映画化されている。
- 『海上花開』
- 『海上花落』
- 『張看』
- 『惘然記』
- 収録されている短編小説『色、戒』は、李安監督によって映画化され、第64回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。『色、戒』のモデルは中国の女スパイ・鄭蘋茹と近衛文隆。晴気慶胤の「上海テロ工作76号」で有名な特務機関「ジェスフィールド76号」の丁黙邨が悪役のモデル。
- 『対照記』
- 『余韻』
- 『小団円』
- 『愛黙森選集』(翻訳作品)
- 『封鎖』("Sealed Off")
- 『茉莉片香』 ("Jasmine Tea")
参考文献
- ^ “Eileen Chang, 74, Chinese Writer Revered Outside the Mainland”. The New York Times. (1995年9月13日)
- ^ “夏志清:中国文人应酬太多” (Chinese). Xinhua News. (2007年1月17日) 2008年2月17日閲覧。