小川雄勢

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獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
世界ジュニア
2015 アブダビ 100kg超級
世界ジュニア団体
2014 フォートローダーデール 90kg超級

小川 雄勢(おがわ ゆうせい、1996年7月20日 - )は、神奈川県横浜市出身の、日本柔道家である。階級は100kg超級。身長190cm。体重135kg。段位は初段。組み手は左組み。得意技は払腰支釣込足[1][2][3]。父親はバルセロナオリンピック95kg超級銀メダリストで元世界チャンピオンの小川直也[2][4]。現在は明治大学に在学[5]

経歴

小さい頃は「男だから出番が多い」との理由でクラシックバレエを習っていた。小学校4年の時に父親の経歴を知ったことがきっかけで、開設したばかりの小川道場の1期生として柔道を始めることになった[1][2][6]茅ヶ崎市内の中学に通っていたが、2年の時に修徳中学に転校すると、3年の時にはマルちゃん杯団体戦で3位となった[2]

修徳高校に進むと、2年の時にはインターハイ団体戦で3位となった。国体少年男子の部でも3位だったが、この際に父親の直也は「俺の高2の時よりも強い。まだ未完成だし、これからが楽しみ。やるからには俺以上の選手になってほしい」と語った[4]高校選手権個人戦では、準決勝で世界カデ90kg超級チャンピオンである白鴎大足利高校1年の太田彪雅を指導2で破ると、決勝では天理高校2年の古田伸悟を指導2で破って優勝を飾った[2][7]。団体戦の決勝では白鴎大足利高校との対戦になると、大将戦において太田を指導2で破り個人戦との2冠を達成して、大会最優秀選手にも選ばれた。今大会を観戦していた全柔連副会長の山下泰裕は、「まだ未完成だけど、お父さんとそっくりなスタイルだなあ」と評した[8][9]

3年になると、7月の金鷲旗の決勝では国士舘高校との大将戦を制してチームを優勝に導いた[10]。8月のインターハイ団体戦では全試合で一本勝ちを成し遂げたものの、決勝の国士舘高校には1-2で敗れて2位にとどまり、高校3冠(高校選手権、金鷲旗、インターハイ)達成はならなかった。個人戦では3回戦で東海大仰星高校3年の奥野拓未に合技で敗れた[5][11][12]。9月の全日本ジュニアでは決勝で筑波大学2年の尾原琢仁を横四方固で破って優勝した[13]。10月の世界ジュニアでは2回戦でヨーロッパジュニアチャンピオンであるウクライナのヤキフ・ハンモに技ありで敗れた[14]。団体戦決勝のグルジア戦では2-2となった場面で登場すると、接戦の末にGSに入ってから有効で勝利を収めて、チームを優勝に導いた[15][16]。11月には講道館杯に出場するが、初戦で元全日本チャンピオンである新日鉄住金高橋和彦に指導3で敗れた[17]

2015年4月には明治大学へ進学した。1年の6月に出場した優勝大会では5位だった。9月の全日本ジュニアでは決勝で大学の同級生である田中源大を指導2で破って2連覇を飾り、田中とともに世界ジュニア代表に選出された[18]。10月の学生体重別では決勝で筑波大学の黒岩貴信をGSに入ってから大外刈の有効で破り、1年生ながら優勝を飾った。今大会の95kg超級を1987年から2連覇した父親に続き親子優勝と相成ったことに、「おやじに追い付きたかったのでうれしい」と語ると、父親も「日々進化している。型にはまらず、伸び伸びと育ってほしい」とコメントした[19][20]。続く世界ジュニアでは準々決勝でロシアのタメルラン・バシャエフに有効2つを取られて敗れたが、その後敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[21][22]。団体戦では初戦のアルジェリア戦で有効3つを取って大きくリードしながら逆転の一本負けを喰らった。以降の試合では田中が起用されて出番はなかったものの、チームは優勝を飾った[23][24]。11月の講道館杯では準々決勝で高校の先輩である京葉ガス岩尾敬太小外掛で敗れるも、その後の3位決定戦で昨年初戦で敗れた高橋を払巻込で破って3位になった。なお、世界ジュニア前の稽古では今まで一度も投げることのできなかった父親を投げたという[25][26]。続いてグランプリ・チェジュに出場するが、2回戦でオランダのロイ・メイヤーに指導1で敗れた[27]

2年の時には4月の選抜体重別準決勝で世界選手権2位である九州電力七戸龍に敗れるも3位となった[28]

戦績

(出典[1]JudoInside.com)。

脚注

  1. ^ a b c 「柔道全日本強化選手名鑑 2016」近代柔道 ベースボールマガジン社、2016年4月号
  2. ^ a b c d e 小川直也長男が高校王者!父譲りの巨体で攻めまくった スポーツニッポン 2014年3月20日
  3. ^ 柔道:18歳小川ジュニア活躍中 父に似た豪快な攻め魅力 毎日新聞 2014年7月31日
  4. ^ a b 小川直也長男・雄勢 国体で少年男子団体3位導く スポーツニッポン 2013年10月7日
  5. ^ a b 小川Jr.雄勢、3回戦敗退にだんまり… 香川が最重量級V サンケイスポーツ 2014年8月4日
  6. ^ 小川直也Jr雄勢が金 銀の父「超える」 日刊スポーツ 2014年3月21日
  7. ^ 小川直也さん長男が初V…高校柔道・男子無差別 読売新聞 2014年3月20日
  8. ^ 小川Jr.2冠 団体V貢献に派手ガッツ 日刊スポーツ 2014年3月22日
  9. ^ 柔道:小川Jr雄勢“大会3冠” 山下氏も期待「お父さんそっくり 毎日新聞 2014年3月22日
  10. ^ 小川直也氏の長男、雄勢が大将戦制す!修徳が初優勝/柔道 サンケイスポーツ 2014年7月24日
  11. ^ 五輪メダリスト、2世が活躍…柔道の古賀・小川 読売新聞 2014年8月4日
  12. ^ 小川Jr.雄勢、悔し準V…修徳、高校3冠ならず/柔道 サンケイスポーツ 2014年8月4日
  13. ^ 小川が初優勝=全日本ジュニア柔道 時事通信 2014年9月14日
  14. ^ Junior World Championships
  15. ^ 世界ジュニア 日本が男女とも団体V 産経新聞 2014年10月27日
  16. ^ Junior World Championships, Fort Lauderdale 2014 DAY 5
  17. ^ 18歳小川、通じず=柔道講道館杯 時事通信 2014年11月9日
  18. ^ 小川Jr.が2連覇に安堵「いい経験ができた」/柔道 サンケイスポーツ 2015年9月13日
  19. ^ 小川直也さんの長男が初優勝…学生柔道体重別 読売新聞 2015年10月4日
  20. ^ 小川Jr.は親子優勝喜ぶ「おやじに追い付きたかったので」/柔道 サンケイスポーツ 2015年10月4日
  21. ^ 冨田が優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2015年10月27日
  22. ^ Junior World Championships 2015, Abu Dhabi
  23. ^ 団体は男女とも優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2015年10月28日
  24. ^ Japan prove judo future is bright with team sweep at IJF Junior World Championships
  25. ^ 柔道、小川直也氏長男が講道館杯3位 毎日放送 2015年11月8日
  26. ^ 小川雄勢 父も投げていた!講道館杯価値ある3位 東京スポーツ 2015年11月8日
  27. ^ Jeju Grand Prix 2015
  28. ^ 平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会

外部リンク

  • 小川雄勢 - JudoInside.com のプロフィール(英語)