尋
尋(ひろ) | |
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系 | 尺貫法 |
量 | 長さ |
SI | 約 1.818 m |
定義 | 6尺 |
由来 | 大人が両手を一杯に広げた長さ |
尋(ひろ)は、古代の中国や日本で使われた長さの単位であり、現在の日本では主に水深を表すのに用いる。
中国
尋(じん、xún)は中国古代の長さの単位である。
元々は、大人が両腕を一杯に広げた長さとして定義された身体尺である[1]。
一般には8尺を指したとされる[2]。後世には使われることはなくなった。
尋(じん)の2倍の長さにあたる「常」(じょう)という単位も用いられていた。この二つを組み合わせてできたのが「尋常」という言葉であり、左伝において「わずかばかりの土地」の意味で使われている[3]。後世には「尋常」という語は並み、普通であることを意味する。(尋常小学校・尋常高等小学校など)
日本
日本語の尋(ひろ)も両手を広げた長さを指し、同じ由来の「尋」の字をあてている。『古事記』に「八尋殿(やひろどの)」・「八尋和邇(やひろわに)」・「八尋矛(やひろぼこ)」などの語が見える。今では釣り用語や古典祭事において使われているほか、船員の間では未だ一般的であり、索具等の長さを表す単位である。
紐などの長さを測るときに、紐を両手で持ち、両手を一杯に広げて紐を送る動作を繰り返すと、尋を単位とした長さを簡単に求めることができる。例えば、釣糸を底までたらしてその釣糸の長さを測れば、水深を計測することができる。
旧度量衡法でも、計量法でも「尋」は定義されていないが、通常は1尋=6尺とされ、間・歩(ぶ)と等しい[注 1]。明治時代に1尺=(10/33)メートルとされたので1尋は約1.818メートルということになる。1尋を5尺(約1.515メートル)とすることもある。
字源
「ひろ」という名称は「ひろげる」と同根であり、「尋」という漢字も「ヨ」(手の象形)「工」(尺の象形)「寸」(手の象形)「口」を合成したものである[4]。
注釈
関連項目
- ファゾム - 英語圏での同様の単位