多久弘一
多久 弘一(たく ひろかず、1921年 - )は、元代々木ゼミナール漢文科講師( - 2002年3月)。代々木ゼミナール小倉校・町田校校長も務めた。
代々木ゼミナール創設当時から漢文講師を務めた。高等学校漢文教科書や漢文辞典、注釈書、学習参考書、一般書などを多数著し、日本の漢文教育における中心的役割を果たす。
経歴
- 佐賀県生まれ
- 1939年大東文化学院卒
- 中国で20余年在住
- その間、北京大学に留学、旧制奉天第一中学校に勤務
- 終戦時、国立瀋陽医学院(旧・満州医科大学)東洋医学研究所、岡西為人博士のもとで留用日僑となる
- 帰国後、大学・高校勤務を経て、代々木ゼミナール講師
著書
辞典
- (瀬戸口武夫)『漢文解釈辞典』 (角川書店、1979年 / 新版 国書刊行会、1998年) ISBN 4336040982
漢文注釈
- (辛島驍)『新十八史略詳解 (上) (下)』 (明治書院、1959年 / 新装版 2004年) ISBN 4625663377 / ISBN 4625663385
- 『唐詩新釈』 (明治書院、1969年)
中国文学選集
- 『中国怪談奇談集 (Ribun books)』 (里文出版、2002年) ISBN 4898061818
大学受験参考書
- 『漢文解釈の公式』(明治書院、1972年 / 新版 1988年) ISBN 4625470099
- (朝野芭莟)『わかる古文・漢文文法 (ビーコン基礎)』 (三省堂、1983年)
- 『多久漢文講義の実況中継』 (語学春秋社、1987年) ISBN 4875681364
- 『多久の漢文公式』 (代々木ライブラリー、1980年) ISBN 4896800109
- 『多久の漢文公式110』 (代々木ライブラリー、1988年) ISBN 4896801563
- 『多久の漢文王国』 (代々木ライブラリー、1981年) ISBN 4896800362 [1]
- 『得点アップ漢文演習25』 (代々木ライブラリー、改訂版 1990年) ISBN 4896802217
- 『多久の漢文教室: 故事成語で学ぶ』 (代々木ライブラリー、1990年) ISBN 489680242X
漢文・漢字一般書
- 『一日一言』 (鶴書房、1961年)
- 『一日一詩』 (鶴書房、1964年)
- 『故事 馬百話 ― 多久の馬風流譚』 (蒼洋社、1985年) ISBN 4915628167
- 『故事 馬百話 (ちくま文庫)』 (筑摩書房、1996年) ISBN 4480031871
- 『故事成語で中国を読む (ちくまプリマーブックス 112)』 (筑摩書房、1997年) ISBN 4480042121
- 『漢文楽話 (ちくま文庫)』 (筑摩書房、1999年) ISBN 4480034781 [1]の改題
- 『多久ノロジィ: ヒューマン漢字一字一会』 (英潮社、2005年) ISBN 4268003975
その他
エピソード
- 別名「白バラのプリンス」。
- 本当の年齢は不詳という説があり始皇帝や前漢の武帝と友達であったという噂まで飛び交うこともあった。遣唐使の一員ではないかという話も、当時の予備校生の間ではあながち嘘ではないという話すらあった。
- 愛新覚羅溥傑と親しかった。
- 得意技は「空中飛翔の術」(本人談)
- 映画「冬物語」(原作:原秀則)に予備校講師として出演している(授業を行っているシーンが少し映し出されるだけ)。
- NHKのテレビ番組「YOU」に出演した際、司会の糸井重里に「白バラも今ではドライフラワー」と揶揄されたことを根に持っており、講義中によく話していた(『多久漢文講義の実況中継』にも書かれている)。
- 外国からの客に対して全て「プリーズ」という単語で対応したという伝説がある。
- 今川焼きが大好物。
- 授業中に興奮すると最前列の机の上にのぼり立つ(1学期や夏期、冬期講習の初日によく見られた)。未使用のチョークを数本まとめて教室の梁に投げつける(最前の梁の下に座らないのは'80年代代ゼミ生の常識)。