変 (漫画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。チンドレ・マンドレ (会話 | 投稿記録) による 2012年5月22日 (火) 05:02個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (テンプレートの移動)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

』(へん)は、奥浩哉による日本漫画作品。奥浩哉のデビュー作であり、1988年に青年漫画大賞に準入選した作品である。同作者による同名の複数作品(表記は『変[HEN]』・『へん』・『HEN』)についても本項で扱う。

後の『変[HEN]』とは違いTSFに属するジャンルの漫画であり、男子高校生が感染による突然変異で女性になってしまうというラブコメギャグマンガである。後に『へん』というタイトルでリメイクされ、短期集中連載された。いずれも奥浩哉短編集『黒』に収録。

変[HEN]

奥浩哉短編集『赤』収録の『嫌』(いや)というタイトルの短編が原型。1992年より『週刊ヤングジャンプ』にて連載開始。1996年にはドラマ化もされて、深夜放送にも関わらず12.6%という高視聴率を記録した(後述)。

HEN

奥浩哉短編集『赤』収録の『好』(すき)というタイトルの短編が原型。『変[HEN]』の続編として連載された。『変[HEN]』の登場人物との絡みも描かれている。1996年に『HEN Vol.2 ちずるちゃんとあずみちゃん』としてドラマ化された。


注意:以降の記述には変 (漫画)に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


変[HEN]のあらすじ

佐藤ゆうきは普通の高校生。そこに不良の鈴木一郎が現れて、ゆうきに一目惚れ、ホモじゃないのに「男と男」という奇妙なラブコメ。惚れたのはただの偶然じゃなく、お互いの前世にまでさかのぼると全てが判明する。

変[HEN]の登場人物

佐藤ゆうき
主人公の白薔薇高校の2年生。女性のような容姿で何度も男性に告白されたことがある。
奥浩哉
サブキャラ。佐藤ゆうきの親友の同級生。原作者本人ではないか?という噂があるが定かではない[要出典]
鈴木一郎
準主役。電車の中で会った佐藤ゆうきに一目惚れし、黒薔薇高校から白薔薇高校へ転校してきた。身長2mで美男子、喧嘩では無敵の不良だったが、惚れた佐藤には逆らえず、高校生になって初めて見たフランダースの犬やハイジで涙を流す一面も。
鈴木早映菜
鈴木一郎の実妹。人気漫画「ナイトランナー」の作者。ペンネームは大野克幸。
冴木貴仁
山川の元恋人。佐藤を好きになり鈴木と共に佐藤を取り合う。
山川さん
冴木の元恋人。バスケ部に所属しており鈴木を熱心にバスケ部に勧誘していた(佐藤をずっと佐田と思っていた)。
滝川美咲
漫画研究部の部長。冴木の漫画対決のパートナーだったが、お互い真剣に好き合うようになる。
佐藤キンゾー
佐藤ゆうきの祖父。鈴木に佐藤の名前をしつこく聞かれた時に、佐藤ゆうきがウソをついてキンゾーだと教えた。

テレビドラマ版

1996年にテレビ朝日ウイークエンドドラマ」枠で放映。

1997年にセックスシーンなどエッチシーンを放送時より強調したものに差し替え・又は追加した「オリジナル ハード・バージョン」としてビデオ化、アミューズビデオから発売。2006年に本放送時のバージョンをDVD化、アートファイブより発売。

変[HEN] 鈴木くんと佐藤くん

キャスト

スタッフ

主題歌

HEN ちずるちゃんとあずみちゃん

キャスト

スタッフ

  • 原作:奥浩哉
  • 脚本:青柳祐美子
  • プロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)、森田光則、西口典子
  • 演出:森田光則、根本実樹、富田勝典、池添博
  • 音楽:渡辺博也
  • 協力:東通、黒スタジオ
  • 制作:テレビ朝日、木下プロダクション

主題歌

  • オープニングテーマ:Favorite Blue『愛よりも激しく、誰よりも愛しく』
  • エンディングテーマ:Dear『Melody』
    • オープニングとエンディングを「変[HEN]」とは入れ替えた。

アニメ

1997年に東映ビデオよりHENが全2巻のOVAとしてリリース

キャスト

スタッフ

主題歌

佐藤君は男か女か

男説

  • まず、作品の主題や佐藤本人のセリフ「僕は男だよ」などを見れば、普通に「男」だと思われる。
  • 続編『HEN』の方で、佐藤君のおじいちゃんが鈴木君に「保険証」と「赤ん坊の頃の全裸の写真」を見せてそれを証明している。しかし、赤ん坊の写真は、佐藤君本人の写真ではないため真偽は今の所不明。
  • 奥浩哉本人は5巻巻末や後年のインタビューなどで「佐藤は女の子っぽい男の子」であると述べている。ただしその設定が作中で貫かれているとは限らない。ドラマ版は佐藤=男性として物語をまとめた。

女説

  • 赤ん坊の写真が佐藤本人の写真でないため、写真は男であるという確証は薄い。
  • 同級生の話によると佐藤は「友達とトイレに行った時、一旦一緒にトイレを出るがその後再び1人でトイレに入る」と言っていて、「小便器で用を足すふりをして、出た後1人で大の方に入って用を足すんじゃないか?」と言われている。その時は「大の方をしたい時に、一緒だと恥ずかしいからじゃないか?」という証言で落ち着いてる。
  • 『HEN』の方で柔道の試合で佐藤が失神した時に同級生が保健室まで運んだのだが、同級生が「佐藤って妙に柔らかくないか?俺思わず元気になっちゃったよ」と言っている。
  • さらに保健室で佐藤と2人きりになった同級生の奥が佐藤のズボンを脱がし、ペニスが付いていないか確認している。その後奥が佐藤に対し「柔道みたいな授業の時は休んだ方がいいんじゃないか?」と気遣っているところを見ると奥が佐藤は女性だと確信したからと思われる。しかし、奥の「佐藤は女だ」というセリフは無く、佐藤が明確に女性と判る描写も無い。
  • 『HEN』で保険証に記載された佐藤ゆうきの性別欄の「男」という部分の周辺だけ貼られているトーンが違うことから男であるとするには若干の疑問も残る。他にも、『変』と『HEN』はパラレルワールドであり、『変』の佐藤は男、『HEN』の佐藤は女であるという説も頻繁に挙げられる。また佐藤の体形は『変』の後半から『HEN』にかけて、かなり女性的に描かれていたが、連載終了後描かれた佐藤は男性的な体形に戻っている。

関連商品

関連項目